新素材の人工骨でインプラント治療に革命か!?

インプラント治療に際して、インプラントを埋入する部位に歯槽骨が不足しているケースは少なくありません。

そのようなときに、自家骨あるいは人工骨を使用することが多いのですが、自家骨にしても人工骨にしても一長一短で全ての面で、もう一方のものよりも優れているわけではありません。

自家骨は生体との馴染みが良いというメリットがある一方で、患者さまの外科的侵襲が大きくなってしまうデメリットがあります。

人工骨は歯科医師が業者から購入してそれを使用するという面で容易に使用できるメリットがあるという一方で、自家骨と比較すると歯槽骨に置き換わるパーセンテージが小さいというのがデメリットといえます。

そんな中、患者さまの歯槽骨の3次元的な欠損形態をあらかじめCTで計測し、その形態にあわせた人工骨片を実際のインプラント治療の前に作製しておくことで、必要十分な量のGBRが可能となると考えられます。

またこれまでの人工骨とは異なり、患者さま自身の細胞や血管が内部に入めるような形態に作られているために、より自家骨のクオリティーに近い状態にすることが可能となったと聞きます。

堀歯科医院のブログで何度となくお話しているように、インプラント治療は材料の進歩と共に進化し続けているという側面がありますので、この人工骨の新素材もきっと明日のインプラント治療をより確実なものにしてくれるはずです。

まだまだ大学で臨床試験の段階とのことですが、その後を期待したいところです。

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オーダーメイドで人工骨
2008年9月29日 河北新報

 ネクスト21と高戸毅教授, 鄭雄一教授は, 三次元プリンターを活用した, カタムメード型人工骨の共同開発を行っているが, このほど, 人工骨素材の改良に成功した.

 手術は, 事前にコンピューター断層撮影装置(CT)を基に患部の石こうモデルを作り, 執刀外科医が欠損部位の形状を手作業で造成する.

その後CTで造成部位を  撮影し, データをコンピューターで抽出, そのままプリンターで人工骨を作製する.

外部の形状はもとより, 骨内部の構成の製造も自在だが, これらを可能にしたのが粒子の大きさを工夫し, α-TCPの粉と独自の組成を持つ硬化液により, 加熱が不要で, 自骨との親和性が高い新しい人工骨素材である.

臨床試験では, 骨の再生の促進も確認された. 今後は, 臨床試験を行いながら, さらに強度が高く, 骨の置換が速い人工骨の開発を進める.

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2009年2月18日

hori (00:31)

カテゴリ:コラム

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