ガイデッドサージェーリーの問題点の最近のブログ記事

ガイディドサージェリーの問題点について、メーカーサイドのマニュアル記載はない。

・スリーブは長いほど、また切削骨面に近いほどサージカルドリルの安定性は増すが、歯肉縁下に設定すると術前試適が行えない。
また、後方臼歯群に長いスリーブを適応すると、開口量の制限からサージカルドリルがスリーブに挿入できないトラブルも招く。
スリーブの長さやプラットフォームとスリーブとの距離が一定に定められたシステムでは、実際に使用するインプラント長より長いインプラント長で設計を行い、スリーブと埋入部組織との干渉を避ける必要がある。
なお、このような問題点に関して、メーカーによるソフトウエアからの警告表示はなく、干渉の回避方法に関してマニュアル記載はない。
(参考文献)
Rosenfeld AL, Mecall RA. Use of prosthesis-generated computed tomographic information for diagnostic and surgical treatment planning. J Esthet Dent 1998; 10(3):132-148.
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最先端治療とされているガイディドサージェリーですが、様々な問題点がいまだ残されているようです。
これも『最新が必ずしも最善とは限らない』と言えるでしょうね。

2019年3月 5日

hori (08:47)

カテゴリ:ガイデッドサージェーリーの問題点

ガイデッドサージェーリーの健康被害

・dos Santosは、ガイデッドサージェーリーでは、ドリルが金属製ドリルガイドチューブを削っている可能性があり、ドリルの材質よりもガイドチューブの材料の骨組織内への飛散が懸念されると述べている。
(参考文献)
dos Santos PL, Queiroz TP, Margonar R, de Souza Carvalho AC, Betoni W Jr, Rezende RR, dos Santos PH, Garcia IR Jr. Evaluation of bone heating drill defomation, and drill roughness after implant osteotomy : guides surgery and classic drilling procedure. Int J Oral Maxillofac Implants 2014 ; 29(1) : 51-58.
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ガイディドサージェリーでは、注水が届きにくく、歯槽骨のオーバーヒートが懸念されています。
歯槽骨がオーバーヒートを起こすとインプラントが骨結合を起こさないので、再度インプラントを埋入する結果となります。
そのため現在は、毎回新品のドリルを使用することで、少しでもオーバーヒートを回避する方向にガイドラインが変更されてきました。
ところが、新品のよく切れるドリルを使用することで、今度は金属製ドリルガイドチューブを削っている可能性が疑われ、それにより、ガイドチューブの材料の骨組織内への飛散が懸念されるようになってきました。
すなわち、ガイドチューブの材料がイオン化して、血流に入り込むリスクがあるので、アレルギー等の健康被害が惹起される可能性があるということになります。
ガイディドサージェリーは最新のインプラント治療と謳われて久しいですが、ここでも『最新は必ずしも最善とは限らない。』と考えざるを得ません。

2017年2月25日

hori (08:52)

カテゴリ:ガイデッドサージェーリーの問題点

昨今、インプラント治療で骨火傷がクローズドアップされつつある理由

・インプラントの埋入早期の併発症の一つとして、埋入窩を形成する際の摩擦熱による骨火傷が挙げられる。
骨火傷は時として骨壊死を引き起こし、オッセオインテグレーションに悪影響を及ぼすことが知られている。
しかしながら、原因はこのトラブルを実際に経験している術者は少なく、原因や予防策の検証が十分になされていなかった。
インプラントの表面性状が深化し、より短いものが使用されるようになってきたことがその理由だろう。
可及的に長いインプラントが推奨されていたマシーンドサーフェスの時代には、埋入窩とドリルへの注水不足による骨火傷が生じやすかったのである。
ところが、昨今この骨火傷がクローズドアップされつつある。
それは、ガイデッドサージェーリーの普及が一つの要因と考えられる。
ガイデッドサージェーリーに用いるサージカルガイドは、従来の外科用ステントと比較して、歯や粘膜あるいは顎骨を広範囲に被覆する上に、ドリリングはパッシブに適合するドリルホールを通して行われる。
そのため外部注水の場合、冷却水が十分に埋入窩形成部に行き渡らず、その結果として骨火傷を引き起こすことが多くなると言われている。
(クインテッセンス・デンタル・インプラントロジー 2016年 VOL.23 4 )
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一見、最先端治療にみえるガイデッドサージェーリーも、正確なインプラントホールを形成しようとすればするほど、骨火傷のリスクは増大します。
骨火傷が生じるとインプラントの骨結合を妨げるので、インプラントの再埋入が必要となります。
ガイデッドサージェーリーを推奨するメーカーは、『短時間で埋入手術を終えることができるので、術者も患者の両方にメリットがある。』と謳っていますが、残念ながら骨火傷のリスクは増大しています。
また、患者さんの多くは、『インプラント手術は可能ならば、1回で終わらせてほしい。』と考えています。
ガイデッドサージェーリーは、手術時間は短いけれど、再手術のリスクはどうしても増大する傾向にあります。
そのような意味で、ガイデッドサージェーリーは、今後本当にインプラント治療のスタンダードになるのか、個人的にはその結果を見届けたいと考えています。

2016年10月 1日

hori (15:09)

カテゴリ:ガイデッドサージェーリーの問題点

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