光機能化インプラントの最近のブログ記事

光機能化で上皮性付着が強化。

・チタン合金やコバルトクロム合金、ジルコニアでも光機能化の効果は確認されており、インプラント粘膜貫通部材料への用途は広い。
さらに光機能化により、チタン表面上への細菌初期付着やプラーク形成が遅延することが示されている。
二次手術時に設置したチタンヒーリングアバットメントの表面を粘膜治癒後に観察すると、光機能化を施したものには上皮細胞付着の痕跡が認められたのに対し、通常のものでは認められなかった。
また、通常のものでは、歯肉縁下深くまでプラークが付着していたのに対して、光機能化したものではプラークの付着が歯肉縁にとどまっていた。
光機能化をインプラントと粘膜貫通部に応用することにより、分子レベルでの汚染が可能となるだけでなく、物理化学的性質が複合的に変化するように表面改質され、細胞付着性向上と細菌付着抑制が両立し、上皮性付着が強化されることが示唆される。
(The Fabric of the Modern Implantology )
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これまで光機能化といえば、インプラントの表面の濡れ性が改善するために、インプラントの骨結合までの時間が短縮されるというのが利点であると個人的には認識していました。
ところが、今回の報告では、ヒーリングアバットメントやアバットメントも光機能化することにより、それをしない場合と比べて、インプラントと粘膜貫通部の細胞付着性と細菌付着性が両立し、上皮性付着が強化されることが明らかになりました。

2018年1月20日

hori (17:16)

カテゴリ:光機能化インプラント

光機能化インプラントは表面に付着する細菌が1/15.

・光機能化されたチタン表面には初期の細菌の付着が1/10-1/4になることが山田らのグループ、ならびにUCLAの歯周病学講座・細菌学講座の研究で明らかになった。
チタン表面は比較的スムースなマシーン表面でも酸処理などのマイクロラフ表面でもよく、表面性状にこだわらず抗菌効果が得られ、さらに7日後においても細菌およびバイオフィルムの量が1/15-1/7に抑えられていた。
(歯界展望 2016年 3月号)
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当院でも使用している"光機能化"インプラントについての新しい報告がありました。
インプラントの表面のチタンの表面性状に関わらず、光機能化したインプラントは、光機能化されていないインプラントよりも、付着する細菌やバイオフィルムの量が最大で15倍少ないことが明らかになりました。
これが本当であれば、インプラントが完全に歯槽骨の中に入っているわけではない抜歯即時インプラントと光機能化は相性が良いのではないでしょうか。
抜歯即時インプラントでは、抜歯窩に対して、口蓋側低位埋入をします。
抜歯窩の頬側側とインプラント間の間隙には骨補填材を入れて縫合します。
教科書的には骨補填材は血餅と一体になっていることにはなるのですが、歯槽骨には入っていないインプラント部分にはやはり細菌やバイオフィルムの付着リスクが低い"光機能化"されたインプラントの方が無難であると考えています。

2016年5月25日

hori (16:01)

カテゴリ:光機能化インプラント

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