インプラントと過剰な力の最近のブログ記事

インプラントの太さにより、応力の集中する部位が異なる。

・Chemtov-Yonaらは、内部連結のコニカル型インプラントの直径の違いによる破折への影響を検討し、インプラントの太さにより応力が集中する部位が異なり、疲労試験では直径5?のインプラントの破折はすべてアバットメントとの連結部で起こり、アバットメントスクリューの破折を伴っていた。
直径3.75?のインプラントは44.4%がインプラントネック部で破折し、55.5%は第2スレッド部で、48%は第3スレッド部で破折したと記述している。
山口らは大臼歯部の2本連結した外部連結のインプラントの破折例4例7本の破折面を解析し、破折の原因は金属疲労で、全インプラントがアバットメントスクリュー先端相当部で水平に破折していたと記述している。
また、Karlらのインプラントはアバットメントスクリュー先端相当部で水平に破折し、同部はインプラントの壁厚が最小の部位であったと記述している。
(参考文献)
Shemtov-Yona K, Rittel D, Machtei EE, Levin L. Effect of dental implant diameter on fatigue performance. Part? : failure analysis. Clin Implant Dent Relat Res 2014 , 16(2) : 178-184.
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インプラントの太さにより、やはり応力の集中する部位が異なるようです。

2019年8月20日

hori (08:46)

カテゴリ:インプラントと過剰な力

インプラントの上部構造のトラブルは、ブラキサーで多く発生。

・Chrcanovicらのもう1編の研究は98名のブラキサーのインプラントでの合併症発生について同数の非ブラキサーと比較し、上部構造の人工歯破折は154対44、ポーセレンの破折は50対4、補綴装置の破折は17対1、スクリューの破折は96対3、スクリューの緩みは54対1、インプラントの破折は16対0と、ブラキサーで有意に高い合併症の発生を示した。
その中でChrcanovicらは多くの論文がブラキシズムとインプラントの失敗を関係を取り上げているが、ブラキシズムの定義が一定でない述べている。
Pormmerらは、48本の破折インプラントで異常咬合習癖の有無を検討し、89.6%はブラキサーで起こったと記述している。
(参考文献)
Chrcanovic BR, Kisch J, Albreksson T, Wennerberg A. Bruxism and dental implant treatment complications : a retrospective comparative study of 98 bruxier patients and a matched group. Clin Oral implants Res 2017 ; 28(7) : e1-e9.
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インプラントの上部構造のトラブルは、やはりブラキサーで多く発生しているようです。

2019年8月15日

hori (08:52)

カテゴリ:インプラントと過剰な力

歯肉退縮と根面う蝕

・歯周治療の後によく起こる歯肉退縮と根面露出。
根面のセメント質はSRPによって薄くなっているか剥がれているので、象牙質が歯肉縁上バイオフィルムに直接触れます。
エナメル質の臨界pHは5.5ですが、象牙質の臨界pHは6.5です(象牙質は脱灰しやすい)。
バイオフィルムのpHを5.5にするほど強い酸を出せるのはミュータンス連鎖球菌などに限られますが、pHを6.5程度にする弱い酸を出せる細菌種はたくさんいます。
しかも、これらの菌は砂糖がなくても炭水化物があれば酸を出すので、甘いものを食べない中高年でも、ごはんや麺類の糖質で根面う蝕ができます。
根面う蝕の発生はあったという間です。
(歯科衛生士 2019年6月号 )
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メンテナンス等で歯周病が安定した状態を維持できる可能性はありますが、今度は根面う蝕の問題が出てきました。
根面う蝕は歯冠部にできたう蝕とは異なり、う窩と神経の距離が近いために、う蝕が容易に神経に到達します。
またその部分から歯根破折を起こす場合もあるので、インプラントと咬み合う天然歯やインプラントと隣合う天然歯では、状態のよくない天然歯は抜歯する方が良い場合もあります。

2019年8月 5日

hori (09:35)

カテゴリ:インプラントと過剰な力

スポーツ選手の齲蝕有病率は高い。

・イギリスの複数のプロサッカーの摂取187名を対象に、口腔衛生状態を調べ、イギリスの一般成人に同様の調査を行った結果と比較したデータが有ります。
結果は、サッカー選手の齲蝕の有病率は、イギリスの一般成人が31%であるのに対し53%と大きく上回っていたことが分かりました。
(参考文献)
Needleman l, et al. Poor oral health including active caries in 187 UK professional male football players : clinical dental examination perfomed by dentists. Br J Sports Med 2016 ; 50(1) : 41-44.
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興味深いデータです。
スポーツ選手の口腔衛生状態が悪くなりやすい要因はいくつか考えられます。
1. 呼吸数や口呼吸の増加、運動中の緊張状態、脱水状態によって口腔内の乾燥状態に陥りやすい。
2. スポーツ飲料や補助食品の頻回摂取。
3. 通院のため練習を休むと、メンバーから外されるのではないかという不安
などが挙げられます。
そしてさらに、競技の種類にもよりますが、噛みしめによる歯へのクラックによる齲蝕は、当然ながら、一般成人よりも多いものと考えられます。

2018年12月20日

hori (08:46)

カテゴリ:インプラントと過剰な力

野球選手は、歯の外傷が多い。

・外傷のうち、顎口腔領域にのみ焦点を当てると、天笠(2002)によれば、競技別で外傷の割合を調査した結果、1位:ラグビー(21.6%)、2位:スキー(20.3%)、3位:野球(13.5%)、4位サッカー(10.8%)と報告されています。
 一方、小池ら(2017)の調査では、1位:野球(39.1%)、2位:バスケットボール(18.8%)、3位:サッカー(12.5%)、4位:バレーボール(10.8%)と報告されており、地域性や時代にある程度影響を受けることが推察されます。
また、顎口腔領域の外傷の原因の中で、スポーツは17.8%を占めると報告されており、顎口腔外傷のうち35.9%が骨折、23.4%が歯の外傷、18.8%が軟組織の損傷と報告されています。
沢木ら(1990年)も同様に、顎口腔領域の外傷の約15%がスポーツによるものであり、原因別のランキングでは、スポーツが交通事故に次ぐ2位に挙げられると報告しています。
(参考文献)
小池尚史, 菅野貴浩, 辰巳博人, 狩野正明, 渡邊正章, 大熊里依, 吉松英樹, 関根浄治. スポーツに関連した口腔顎顔面外傷における臨床的検討. 口腔顎顔面外傷 2017 ; (1): 32-36.
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個人的には野球選手の外傷が多いことに驚かされましたが、地域性や時代の影響を受けているようにも感じます。
スポーツによる外傷でインプラント治療を希望される患者さんもいるので、ご自分のやっているスポーツがどの程度、外傷リスクがあるかを予め把握しておくことも必要かと考えています。

2018年12月15日

hori (08:48)

カテゴリ:インプラントと過剰な力

なぜ、口腔内清掃状態が良くても歯周病が良くならないのか?

・歯周病は歯周病原細菌による感染が原因だと考えられているが、口腔内の清掃状態が良くても歯周病が良くならないケースもあり、そのすべての原因はいまだ分かっていない。
研究者の中には歯周病に夜間の歯ぎしりが関連しているという意見もあるが、実際の噛みしめを長時間記録することができずにアンケート調査等でしか情報を得られなかったため解明されないままだった。
そんな中、岡山大学病院咬合・義歯補綴科の加藤聖也医員と予防歯科の江國大輔准教授らの研究グループが、独自開発した長時間記録装置を用い、食いしばりや歯ぎしりといった昼夜の噛みしめが歯周病の重症度に関連していることを発表した。
研究グループは、頬に記録用の電極を張ることで、噛みしめをしたときに頬の筋肉から発生する微弱な電気を記録する携帯型の24時間記録装置を開発。
その装置を用い昼夜の無意識の噛みしめを検査した。
その結果、日中、目が覚めている状態にもかかわらず歯周病が重度な人は1時間あたり平均6.2分間も無意識に強く噛みしめていることが判明。
それに比べ、歯周病が軽度な人は1時間あたり平均1.4分間で、歯周病の重症度が噛み締めに関連していることが分かった。
また睡眠時では、歯周病が重度な人は1時間で平均2.5分間、軽度な人は平均0.7分間噛みしめており、昼間より夜間の方が噛みしめの時間が短いことが分かった。
噛みしめというと、睡眠時の歯ぎしりが連想されるかもしれないが、今回の研究で歯ぎしりの自覚が実際の噛みしめと一致していないことが分かったことも大きい。
(Dentalism WINTER 2018No.33 )
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口腔清掃状態が良好でも歯周病の状態が悪い方がいます。
この報告にもあるように、近年、夜間の歯ぎしりよりも、昼間の噛みしめの方が歯周病への悪影響となっていることが明らかになりました。
また、昼間の噛みしめは本人の自覚がないことも当院での調査とも一致しています。

2018年12月 5日

hori (14:40)

カテゴリ:インプラントと過剰な力

インプラントを義歯の直接支台として使う場合

・天然歯に側方力が加わると、回転中心は歯根の根尖側1/3となるのに対して、インプラントではプラットフォーム周囲の骨が回転中心となる。
そのため、インプラントでは天然歯よりも大きな力が頸部インプラントに周囲骨に加わる。
Eomらは有限要素法による検討を行っており、3歯の上顎遊離端欠損の直接支台がインプラントの場合では、天然歯である場合に比べて皮質骨に約10倍の応力が加わっていることを報告している。
(参考文献)
Eom JW, et al. Three-dimentional finite element analysis of implant-assisted removable partial dentures. J Prosthet Dent. 2017; 117(6): 543-742.
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過大な咬合力で歯を喪失した患者さんには、インプラントを3歯の遊離端欠損の直接支台として使用するのはリスクがあるということになります。
また粘膜の厚みや歯槽骨の質の違いからも下顎よりも上顎の方がリスクが高い可能性が窺えます。

2018年9月15日

hori (08:59)

カテゴリ:インプラントと過剰な力

ミューチュアリー・プロテクテッド・オクルージョンのエビデンスのレベルは高くない。

・ミューチュアリー・プロテクテッド・オクルージョンは治療の予測性を高めるために考えられた矯正治療の概念ですが、筆者が知る限り、エビデンスのレベルは高くありません。
経験的には良い結果が得られていますが、これは一つのモデルであり、科学的なエビデンスは乏しいことから、万人に対して適応可能な理論ではないかもしれません。
 (考えるぺリオドンティクス )
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咬み合わせを再構築するインプラント治療では、基本的にミューチュアリー・プロテクテッド・オクルージョンを目標に行っていますが、エビデンスレベルは高くないことが分かりました。

2018年6月25日

hori (08:21)

カテゴリ:インプラントと過剰な力

ジルコニアはエナメル質の3倍以上の硬度。

・エナメル質の硬度は、ちょうどハイブリッドレジンとポーセレンの中間に位置します。
そしてジルコニアはエナメル質の3倍以上の硬度を有します。
Dr中込自身は、口腔内の、特に外装材としてジルコニア(つまりはフルジルコニア)を使用することには完全に否定的な見解を抱いています。
その理由は当たり目のように「硬すぎる」ということです。エナメル質の3倍以上の硬さでは、対合歯の摩耗はもちろんのこと、天然歯であればエナメル質の割れ、また歯根破折の危険性等、多くのマイナスの反応が出ることが容易に予測できます。
(補綴臨床 2018年3月号 )
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私も硬すぎるフルジルコニアをインプラントの上部構造に選択することは、今のところ考えていません。
咬合力は上下に同じだけかかるわけですから、フルジルコニアの対合が天然歯であれば、歯冠破折、歯根破折、垂直性骨吸収などのトラブルが惹起されるものと推測されます。
一方、上部構造にフルジルコニアを選択した場合のインプラントは、上部構造が破壊されないだけに、歯槽骨吸収やリテインニングスクリューの破折、インプラント体の破折等の問題を惹起します。
また硬すぎるということは、それ自身の咬耗がほぼないだけでなく、咬合調整が非常にやりにくいことも意味します。
生体は常に変化しています。
定期的な咬合調整を行うことで、特定のインプラントや天然歯に過大な咬合力が集中することを可及的に回避することが重要であると考えています。

2018年5月20日

hori (16:35)

カテゴリ:インプラントと過剰な力

咬合性外傷"力"の徴候

・咬合性外傷"力"の徴候
1. 年齢の割に歯周組織の破壊の進行がみられる。
2. 歯周組織の破壊の程度の割に歯の動揺がある。
3. 根分岐部病変が上下顎左右側にある。
4. プロービングデプスパターンが咬合型
5. 歯冠修復物の頻回の脱落、歯や修復物の咬耗
6. 歯根破折
7. 齲蝕はないが、冷水痛、知覚過敏がある。
8. ブラキシズムや日中の噛みしめの自覚がある。
(歯界展望 2018年1月号 )
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インプラント治療希望の方に、上に記した咬合性外傷"力"の徴候に該当する患者さんが多いように感じています。
歯を力で破壊してきた患者さんに対して、歯よりも感覚の鈍いインプラントを配置した場合、自分の歯よりも結果的に良く咬める状態になる場合すらあるので、どこかが破損してもあまり不思議ではありません。
補綴的により良いゴールを提供するとともに、経時的な変化を最少にする配慮が必要と考えられます。

2018年3月15日

hori (09:51)

カテゴリ:インプラントと過剰な力

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