インプラントと過剰な力の最近のブログ記事

ストレス対処能力が高いと歯周炎リスク低下

・ストレス対処能力が高いと歯周炎リスク低下
岡山大学とIsram Md Monirul大学の研究グループが、ストレス対処能力のある労働者は歯周炎リスクが低くなることを明らかにした。
研究グループは、「職場でのストレスがない労働者」と「ストレスを感じながらも対処能力が低い群」「対処能力が高い群」を比較。
ストレスを感じながらも対処能力が低い群は、ストレスのない群よりも歯周炎のリスクが2.79倍高いと判明。
一方で、ストレスがない群よりもリスクが0.30倍だった。
同研究成果は、スイスの科学雑誌International Journal of Environmental Research and Public Health(9月22日)に掲載されている。
(アポロニア21 2019年12月号 )
*****
ストレスを感じながらもその対処能力が低い人は、歯周病のリスクが高いことが明らかになりました。
治りにくい歯周病には力の関与が大きいとされており、それにはストレスが関係しているものと考えられます。

2019年12月10日

hori (08:46)

カテゴリ:インプラントと過剰な力

50-60歳ではグループファンクションが68%に増加。

・Panekによる研究では、約26%だけが両側犬歯誘導で、実際には20-30歳で41%がグループファンクションで、50-60歳になるとそれが68%に増加すると報告されているが、これはおそらく犬歯の摩耗によるものと考えられる。
(参考文献)
Panek H, Mattews-Brzozowska T, Nowakowska D, Panek B, Bielicki G, Makacewicz S, Mankiewicz M. Dynamic occlusions in natural permanent dentition. Quintessence Int 2008 ; 39(4) : 337-342.
*****
中高年者で、力の関与による歯のダメージが大きいことと関連しているものと考えられます。

2019年12月 5日

hori (08:58)

カテゴリ:インプラントと過剰な力

築造の種類によってCAD/CAM冠の破折リスクが変わる

・梶原は、硬質レジンジャケット冠(HJK)に繰り返し荷重を加えた実験にて、支台歯がメタルコアよりもレジンコアの方がHJKの破折が起きにくいことを報告している。
このことは、CAD/CAM冠やHJKのような弾性係数の小さい(柔らかい)クラウンを、弾性係数の大きい(硬い)メタルコアに接着すると、その弾性係数の違い(たわみ方の違い)から割れやすく、一方で弾性係数の小さい(レジンコア)の場合は、たわみの差が少ないため、咬合による変形を起こしにくく、セメント層の破壊による脱離やクラウンの破折を起こしにくい、ということを示している。
(参考文献)
梶原雄太郎, 峰元里子, 迫口賢二, 村原貞昭, 田中卓男, 南弘之 : コンポジットジャケットクラウンの繰り返し衝撃に対する破折抵抗性に関する研究. 接着歯学. 33(1):24-31, 2015.
*****
築造をメタルコアにするかレジンコアにするかで、CAD/CAM冠の破折リスクが変わるようです。

2019年11月 5日

hori (08:20)

カテゴリ:インプラントと過剰な力

荷重がかかる骨では、骨細胞のスクレオスチン産生がストップ。

・2008年にRoblingらは、マウスの橈骨に荷重をかけることで、骨細胞でのスクレオスチン発現が顕著に低下することを示した。
さらに翌年、Linらは尾部懸垂モデルによって後肢の力学的負荷をなくしたマウスの大腿骨で、スクレオスチンの遺伝子発現が上昇することを示した。
重要なことに、スクレオチン欠損マウスでは非荷重に伴う骨量減少が全く起こらないことが示され、非荷重に伴う骨形成低下の原因が、骨細胞のスクレオスチン発現の上昇であることが生体レベルで証明された。
さきほど、「ピエゾ電流説は現在ではほとんど否定されている」と述べた根拠もこのデータである。
もし、「ピエゾ電流」が本当に骨形成に重要であれば、スクレロチン欠損マウスでも非荷重下では骨表面のマイナス荷重がなくなり骨形成が低下するはずだが、実際には骨量も骨形成マーカーも全く減少しない。
これは、骨の歪みによる骨表面の荷重状態の変化よりも、スクレオスチン増減の方が「力」による骨量調節にとってはるかに重要であることを示している。
荷重がかからない骨では、骨細胞のスクレオスチン産生が更新することで「ここは力がかからないし、もうやすんでいいよ」と骨芽細胞に伝える。
一方で荷重がかかる場所では、「ここは力がかかる場所だから、骨芽細胞を休まず働かせて丈夫な骨にしてもらおう」という感じで、骨細胞はスクレオスチンの産生をストップする。
このようにして「力」の加わる場所では骨が増え、「力」の加わらない場所では骨が少なくなると考えられている。
スクレオスチンの働きを阻害する抗スクレオスチン抗体が骨粗鬆症治療薬として認可を受けた。
(参考文献)
Robling AG, et al. Mechanical stimulation of bone in vivo reduces osteocyteexpression of Sost/sclerostin. J BiolChem. 2008; 283(9) : 5866-5875.
Lin C, et al. Sclerostin mediates Bone response to mechanical unloading through antagonizing Wint/beta-catenin signaling. J Bone Minor Res. 2009; 24(10) : 1651-1661.
*****
上顎臼歯部で歯槽骨量が不足しているケースで、骨補填材に吸収の比較的早いものを選択し、インプラント埋入を行ったケースがありました。
ペリオテストで一度、良い測定値が出たので、『次回仮歯を入れましょう。」と患者さんにはお話ししていました。
たまたま患者さんの都合で数か月ブランクが空いてしまったのですが、再度ペリオテストで測定したところ、数字が悪くなっていました。
患者さんには、『インプラントが骨結合してから、無意味に免荷期間をおき過ぎると、インプラント周囲の骨量が目減りして、数値が悪くなったと考えられます。骨折しないレベルで負荷をかけていく方が再度良い数字が出るようになりますよ。』と説明し、予定通り仮歯を入れてリハビリテーションを行うことにしました。
今回の報告により、荷重を積極的に与えることで、骨細胞のスクレオスチン産生がストップすることが関係していることが分かりました。

2019年11月 1日

hori (08:34)

カテゴリ:インプラントと過剰な力

インプラントの太さにより、応力の集中する部位が異なる。

・Chemtov-Yonaらは、内部連結のコニカル型インプラントの直径の違いによる破折への影響を検討し、インプラントの太さにより応力が集中する部位が異なり、疲労試験では直径5?のインプラントの破折はすべてアバットメントとの連結部で起こり、アバットメントスクリューの破折を伴っていた。
直径3.75?のインプラントは44.4%がインプラントネック部で破折し、55.5%は第2スレッド部で、48%は第3スレッド部で破折したと記述している。
山口らは大臼歯部の2本連結した外部連結のインプラントの破折例4例7本の破折面を解析し、破折の原因は金属疲労で、全インプラントがアバットメントスクリュー先端相当部で水平に破折していたと記述している。
また、Karlらのインプラントはアバットメントスクリュー先端相当部で水平に破折し、同部はインプラントの壁厚が最小の部位であったと記述している。
(参考文献)
Shemtov-Yona K, Rittel D, Machtei EE, Levin L. Effect of dental implant diameter on fatigue performance. Part? : failure analysis. Clin Implant Dent Relat Res 2014 , 16(2) : 178-184.
*****
インプラントの太さにより、やはり応力の集中する部位が異なるようです。

2019年8月20日

hori (08:46)

カテゴリ:インプラントと過剰な力

インプラントの上部構造のトラブルは、ブラキサーで多く発生。

・Chrcanovicらのもう1編の研究は98名のブラキサーのインプラントでの合併症発生について同数の非ブラキサーと比較し、上部構造の人工歯破折は154対44、ポーセレンの破折は50対4、補綴装置の破折は17対1、スクリューの破折は96対3、スクリューの緩みは54対1、インプラントの破折は16対0と、ブラキサーで有意に高い合併症の発生を示した。
その中でChrcanovicらは多くの論文がブラキシズムとインプラントの失敗を関係を取り上げているが、ブラキシズムの定義が一定でない述べている。
Pormmerらは、48本の破折インプラントで異常咬合習癖の有無を検討し、89.6%はブラキサーで起こったと記述している。
(参考文献)
Chrcanovic BR, Kisch J, Albreksson T, Wennerberg A. Bruxism and dental implant treatment complications : a retrospective comparative study of 98 bruxier patients and a matched group. Clin Oral implants Res 2017 ; 28(7) : e1-e9.
*****
インプラントの上部構造のトラブルは、やはりブラキサーで多く発生しているようです。

2019年8月15日

hori (08:52)

カテゴリ:インプラントと過剰な力

歯肉退縮と根面う蝕

・歯周治療の後によく起こる歯肉退縮と根面露出。
根面のセメント質はSRPによって薄くなっているか剥がれているので、象牙質が歯肉縁上バイオフィルムに直接触れます。
エナメル質の臨界pHは5.5ですが、象牙質の臨界pHは6.5です(象牙質は脱灰しやすい)。
バイオフィルムのpHを5.5にするほど強い酸を出せるのはミュータンス連鎖球菌などに限られますが、pHを6.5程度にする弱い酸を出せる細菌種はたくさんいます。
しかも、これらの菌は砂糖がなくても炭水化物があれば酸を出すので、甘いものを食べない中高年でも、ごはんや麺類の糖質で根面う蝕ができます。
根面う蝕の発生はあったという間です。
(歯科衛生士 2019年6月号 )
*****
メンテナンス等で歯周病が安定した状態を維持できる可能性はありますが、今度は根面う蝕の問題が出てきました。
根面う蝕は歯冠部にできたう蝕とは異なり、う窩と神経の距離が近いために、う蝕が容易に神経に到達します。
またその部分から歯根破折を起こす場合もあるので、インプラントと咬み合う天然歯やインプラントと隣合う天然歯では、状態のよくない天然歯は抜歯する方が良い場合もあります。

2019年8月 5日

hori (09:35)

カテゴリ:インプラントと過剰な力

スポーツ選手の齲蝕有病率は高い。

・イギリスの複数のプロサッカーの摂取187名を対象に、口腔衛生状態を調べ、イギリスの一般成人に同様の調査を行った結果と比較したデータが有ります。
結果は、サッカー選手の齲蝕の有病率は、イギリスの一般成人が31%であるのに対し53%と大きく上回っていたことが分かりました。
(参考文献)
Needleman l, et al. Poor oral health including active caries in 187 UK professional male football players : clinical dental examination perfomed by dentists. Br J Sports Med 2016 ; 50(1) : 41-44.
*****
興味深いデータです。
スポーツ選手の口腔衛生状態が悪くなりやすい要因はいくつか考えられます。
1. 呼吸数や口呼吸の増加、運動中の緊張状態、脱水状態によって口腔内の乾燥状態に陥りやすい。
2. スポーツ飲料や補助食品の頻回摂取。
3. 通院のため練習を休むと、メンバーから外されるのではないかという不安
などが挙げられます。
そしてさらに、競技の種類にもよりますが、噛みしめによる歯へのクラックによる齲蝕は、当然ながら、一般成人よりも多いものと考えられます。

2018年12月20日

hori (08:46)

カテゴリ:インプラントと過剰な力

野球選手は、歯の外傷が多い。

・外傷のうち、顎口腔領域にのみ焦点を当てると、天笠(2002)によれば、競技別で外傷の割合を調査した結果、1位:ラグビー(21.6%)、2位:スキー(20.3%)、3位:野球(13.5%)、4位サッカー(10.8%)と報告されています。
 一方、小池ら(2017)の調査では、1位:野球(39.1%)、2位:バスケットボール(18.8%)、3位:サッカー(12.5%)、4位:バレーボール(10.8%)と報告されており、地域性や時代にある程度影響を受けることが推察されます。
また、顎口腔領域の外傷の原因の中で、スポーツは17.8%を占めると報告されており、顎口腔外傷のうち35.9%が骨折、23.4%が歯の外傷、18.8%が軟組織の損傷と報告されています。
沢木ら(1990年)も同様に、顎口腔領域の外傷の約15%がスポーツによるものであり、原因別のランキングでは、スポーツが交通事故に次ぐ2位に挙げられると報告しています。
(参考文献)
小池尚史, 菅野貴浩, 辰巳博人, 狩野正明, 渡邊正章, 大熊里依, 吉松英樹, 関根浄治. スポーツに関連した口腔顎顔面外傷における臨床的検討. 口腔顎顔面外傷 2017 ; (1): 32-36.
*****
個人的には野球選手の外傷が多いことに驚かされましたが、地域性や時代の影響を受けているようにも感じます。
スポーツによる外傷でインプラント治療を希望される患者さんもいるので、ご自分のやっているスポーツがどの程度、外傷リスクがあるかを予め把握しておくことも必要かと考えています。

2018年12月15日

hori (08:48)

カテゴリ:インプラントと過剰な力

なぜ、口腔内清掃状態が良くても歯周病が良くならないのか?

・歯周病は歯周病原細菌による感染が原因だと考えられているが、口腔内の清掃状態が良くても歯周病が良くならないケースもあり、そのすべての原因はいまだ分かっていない。
研究者の中には歯周病に夜間の歯ぎしりが関連しているという意見もあるが、実際の噛みしめを長時間記録することができずにアンケート調査等でしか情報を得られなかったため解明されないままだった。
そんな中、岡山大学病院咬合・義歯補綴科の加藤聖也医員と予防歯科の江國大輔准教授らの研究グループが、独自開発した長時間記録装置を用い、食いしばりや歯ぎしりといった昼夜の噛みしめが歯周病の重症度に関連していることを発表した。
研究グループは、頬に記録用の電極を張ることで、噛みしめをしたときに頬の筋肉から発生する微弱な電気を記録する携帯型の24時間記録装置を開発。
その装置を用い昼夜の無意識の噛みしめを検査した。
その結果、日中、目が覚めている状態にもかかわらず歯周病が重度な人は1時間あたり平均6.2分間も無意識に強く噛みしめていることが判明。
それに比べ、歯周病が軽度な人は1時間あたり平均1.4分間で、歯周病の重症度が噛み締めに関連していることが分かった。
また睡眠時では、歯周病が重度な人は1時間で平均2.5分間、軽度な人は平均0.7分間噛みしめており、昼間より夜間の方が噛みしめの時間が短いことが分かった。
噛みしめというと、睡眠時の歯ぎしりが連想されるかもしれないが、今回の研究で歯ぎしりの自覚が実際の噛みしめと一致していないことが分かったことも大きい。
(Dentalism WINTER 2018No.33 )
*****
口腔清掃状態が良好でも歯周病の状態が悪い方がいます。
この報告にもあるように、近年、夜間の歯ぎしりよりも、昼間の噛みしめの方が歯周病への悪影響となっていることが明らかになりました。
また、昼間の噛みしめは本人の自覚がないことも当院での調査とも一致しています。

2018年12月 5日

hori (14:40)

カテゴリ:インプラントと過剰な力

このページの先頭へ