抜歯即時インプラントの最近のブログ記事

フラップの厚みと減張切開。

フラップが1ミリ以下の薄さの場合、フラップには15g以上のテンションがかかるとすべてのケースで創部の裂開が生じる。
またたとえ1ミリ以上の厚みがあっても15g以上のテンションでは、35%のケースで創部の裂開が起きている。
(参考文献)
Vargas G, Reger TB. An alternative to sutures. Plast Surg Nurs 2001 ; 21(2) : 83-85.
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抜歯即時インプラントを行うようになってから、減張切開をするケースがほぼなくなりました。
このデータを見る限り、フラップにテンションがかかるGBRは失敗するリスクが大きいものと推察されました。

2020年10月20日

hori (08:22)

カテゴリ:抜歯即時インプラント

矯正的挺出と骨移植の有効性の比較。

・矯正的挺出と骨移植の有効性を比較するうえで重要なのは、それぞれの硬・軟組織増大量および変化量である。
それらについての明確な記載も少なかったが、矯正的挺出の前向き臨床研究であるAmatoらの文献によると、矯正的前処置によって4ミリの硬組織が獲得できた一方、骨移植例に言及したほかの論文では硬組織の変化量は、骨移植材料やメンブレンの有無など術式が多様多種であり、確定的な限界値や骨変化量言及することは難しいとえる。
Pieriらはレイマスのブロックを用いており、骨増大量は水平的には4.23±0.69ミリ、垂直的に1.71±0.75ミリと報告している。
矯正的挺出例では歯肉縁の冠状方向への平均移動量は3.9±1.5ミリ、歯肉の厚さ(頬舌径)の平均増大量が0.7±0.4ミリと示されており、頬舌的な増大量は骨移植と比べて少ない。
これは、矯正的挺出法では骨の頬舌的な増大量が歯根の断面積に依存するためだと推測されている。
頬舌的な骨幅をより増大させたい場合には骨移植の方が有用であるかもしれない。
矯正的挺出法の場合には、オーバーコレクションを行っておく必要があると思われる。
治療期間は、矯正的挺出では18-61か月である対して、骨移植では多くが12か月と矯正的挺出が時間を要する結果となっていた。
合併症とインプラント生存率に関して差はなかった。
(参考文献)
Peri F, Aldini NN, Marchetti C, Corinaldesi G, Esthetic outcome and tissue stability of maxillary anterior single-tooth implants following reconstruction with mandibular block grafts : 5-year prospective study. Int J Oral Maxillofac Implants 2013 ; 28(1) : 270-280.
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矯正的挺出にしても骨移植にしても治療期間が長くなる傾向にあるので、まずは抜歯即時インプラントで対処できないか当院では考えるようにしています。

2020年10月15日

hori (10:03)

カテゴリ:抜歯即時インプラント

インプラント埋入は痛いのか?

インプラント手術後の痛みについて、Kamankatganらの報告によると、術後に患者の38.8%は痛みを感じなかったが、25.9%は重度の、23.5%は中程度の、11.8%は軽度の痛みを感じた。
一方、約半数の49.4%の患者は術後の局所的な顔面の腫脹を訴え、14.1%は顔面の著名な腫脹を訴えた。
9.4%は口腔内の腫脹を訴えたが、17.1%は何も訴えなかった、としている。
続いてインプラント埋入後の出血について、Goodacreらによれば、術後出血に関連する併発相は全体の24%にのぼると報告している。
(参考文献)
Kamankatgan S, Pimkhaokham A, Krisdapong S : Patient-based outcomes following surgical implant placements. Clin Oral Implants Res, 28(1) : 17-23,2017.
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インプラント治療を行うようになり、20年前後経過しました。
埋入手術の数時間後には、毎回受付に術後の状態を電話で確認させていますが、「痛みや腫れはほぼない」と聞きます。
日常的に歯周病の外科治療を行っているために、外科の基本となる切開・剥離・縫合についての自分自身の腕が落ちないことと、おおむね抜歯即時インプラントを行っているために、インプラントが閉鎖創になっていないことが、これらの研究報告よりも堀歯科医院の術後経過が良い結果となっている理由であると推察しています。

2020年9月25日

hori (09:09)

カテゴリ:抜歯即時インプラント

唇側骨が1ミリ以下と薄い場合は約7.5ミリの垂直的骨吸収が生じる。

・Chappuisらの報告で唇側骨の厚みが1ミリ以上と厚い場合は垂直的骨吸収が少なく平均1.1ミリであったのに対して、唇側骨が1ミリ以下と薄い場合は約7.5ミリの吸収が起こることが示されおり、唇側骨の厚みが1ミリ以上あるかないかがカギとなり、束状骨を失った後の唇側骨の高さが減少することが影響していると示唆される。
(参考文献)
Chappuis V, Engel O, Reyes M, Shahim K, Nolte LP, Buser D. Ridge alterations post-extraction in the esthetic zone : 3D analysis with CBCT. J Dent Res 2013 ; 92(12Suppl) : 606-614.
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特に前歯部インプラントでは、唇側骨の厚みが1ミリ以上ないと審美的に成功とはいえない状態となります。
当院では可及的に抜歯とインプラント埋入を同時に行う抜歯即時インプラントを行っていますが、インプラントを成功させるためには、歯槽骨特に唇側骨を破壊しないデリケートな抜歯技術が必要となると考えています。

2020年8月15日

hori (08:32)

カテゴリ:抜歯即時インプラント

歯根破折の診断確定に、2年!

吉野らは、患者が症状(主として咬合痛)を訴えてから歯根破折の確定診断がつくまでに、75%の症例で2年を要したと報告している。

つまり「疑い」の大半は2年以内に決着がつくということだ。

(参考文献)
吉野浩一:歯根破折の予兆を読む. 歯界展望, 127(6): 1049-1084. 2016.
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今回の報告で、歯根破折という診断が確定するまで、その多くは2年近くの期間を要することが分かりました。
その2年間で、歯槽骨はかなり破壊されていることも多いので、一般的にはインプラントの治療期間が長くなるといわれています。
しかしながら、抜歯即時インプラントでは、治療期間を短縮できる場合があるので、担当医に相談されるとよいと思います。

2019年9月10日

hori (08:42)

カテゴリ:抜歯即時インプラント

やはり傾斜埋入よりも垂直埋入か。

第34回日本顎咬合学会に参加しました。

今回特に印象に残ったはS先生のご講演でした。

S先生はこれまでオールオンフォーをたくさん手掛けてこられたインプラントロジストです。

そのS先生のお話の中で、印象に残ったセンテンスを以下に列挙します。

1. オールオンフォーでは、主に傾斜埋入をするために、メンテナンスがやりにくい。

2. それゆえ垂直埋入をするようになった。

3. 3つのインプラントブリッジで対応するようになった。

4. 抜歯即時埋入は良い方法であるけれど、埋入深度が深めになる場合がある。

5. 深めの埋入なるとメンテナンスがしにくくなるので、GBRを行っている。

私も『傾斜埋入より垂直埋入の方がメンテナンスはしやすいだろう。また左側・前歯・右側のすべてをつなぐのはリスクが高いだろう。』と常々考えていたので、「うん、うん」と頷きながら講演を聴くことができました。

2016年6月25日

hori (09:37)

カテゴリ:抜歯即時インプラント

光機能化インプラントで即時負荷が可能となる症例が増えるか?

・光機能化されていない通常のインプラントでは、インプラントの安定性が埋入直後より一時的に低下する傾向にありましたが、光機能化されたインプラントでは、細胞の発育が早いために、インプラントの安定性が低下しないとする報告もあります。
(参考文献)
Suzuki S, Kobayashi H, Ogawa T, Implant stability change and osseo-integration spped of immediately loaded photofunctionalized implants. Implant Dent 2013 ; 22(5) : 481-490.
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当院でも光機能化インプラントを使用していますが、やはり骨結合までの期間は通常のインプラントより確実に短縮できています。
ただ、インプラントの安定性が一時的に低下するかどうかについてはもう少し様子をみようと考えています。
これについては、既存骨に埋入したケース、抜歯即時インプラントを行ったケース、GBR併用のケースなどとインプラントを埋入した状況により、分けて考える必要があるとも考えています。
インプラントの安定性が一時的に低下するか・しないかによるメリットは、埋入直後に即時に負荷をかけても大丈夫かどうかくらいの違いしかありません。
10年、20年使用することを期待して行うインプラント治療に対して、数週間早く咬めるというメリットをどう考えるのかということです。
確実な選択をしたいものです。

2016年5月15日

hori (21:00)

カテゴリ:抜歯即時インプラント

下顎前歯の形成は便宜抜髄を行う方が無難かもしれない。

アテネ大学の卒前学生が患者33名の有髄歯120歯を形成し、クラウン装着時までの間無症状に失活する頻度を調べた前向き研究
・形成後に電気診で歯髄の生死を判定した。
・臨床症状が出現したような歯は対象歯から除いた。
・無症状の失活は術前に齲蝕や歯冠修復歯のある歯で頻度が高かった。
・下顎前歯は小さいために形成により象牙質が薄くなり、術前が健全歯でも失活しやすかった。
術前が健全歯
上顎前歯 100%
上顎臼歯 100% 
下顎前歯 89.4%
下顎臼歯 100%
術前に齲蝕、修復物、クラウンあり
上顎前歯 84%
上顎臼歯 89.4%
下顎前歯 66%
下顎臼歯 90.4%
(参考文献)
Kontakitotis EG, et al. Aprospective study of the incidence of asymptomatic pulp necrosis following crown preparation. Int Endod J. 2015; 48(6): 512-517.
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オールセラミックス等の自由診療の被せ物を行う場合、最初に神経を除去するかどうかは、各歯科医師が経験則で判断していました。
しかしながら、今回の報告により、特に下顎前歯の審美治療では、便宜抜髄後に歯冠形成を行った方が無難であることが分かりました。
また、それ以外の部位でも10本に1本あるいは2本は、修復治療が終了した後に失活するリスクがあるために、患者さんと相談の上、治療方針を決定する必要性があるといえます。
仮に修復後に失活歯、不快症状が続く際には、上からアクセスして根管治療を行うこともできますが、メタルセラミックスなどのメタルを使用した冠で再補綴を行わない場合には、根管長測定がしにくい問題や根管充填後の封鎖性が確実ではないなどの問題も出てきます。
迷ったら、根管処置を行う方が無難ですね。
中間欠損部位にインプラント治療を行う際には、前後の歯も形成し、インプラント上部に仮歯を手術当時から用意することも可能です。
(即時インプラントや暫間インプラントの利用など他にも仮歯を用意する方法はありますが。)
そのような場合、埋入したインプラントと根尖病巣のある天然歯が近接するリスクが生じる場合があるので、インプラントを長持ちさせるためにも、予後に不安のある天然歯は根管治療を済ませておいた方が良いと考えています。

2016年3月15日

hori (15:27)

カテゴリ:抜歯即時インプラント

治りにくい歯周病

・池田は著書の中で、治りにくい歯周病の特徴として、
1.力の関与
2.臼歯の根分岐部病変が上下左右にある。
3.プロービングデプスパターンが咬合型(頬舌的に歯周ポケットが深い等)
4.歯の動揺が歯周組織支持量に比較して顕著
5.全身疾患の関与
という項目を挙げており、歯周組織、根分岐部病変に対する共同破壊因子としての力の影響を強く示唆している。
(根分岐部病変 より)
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治りにくい歯周病の特徴は以前にも紹介しましたが、やはり力の関与が大きいケースかと思います。
歯に過大な咬合力がかかった場合に、どのような状態になりやすいかというと、いわゆる根分岐部病変を有する歯があったり、レントゲンや歯周組織検査では歯の周囲に歯槽骨はあるのに、歯の動揺の程度が大きいようなケースが挙げられます。
以下に、具体的に根分岐部病変とはどのようなものか説明しましょう。
大きな咬合力がかかる大臼歯には、その咬合力に耐えられるように、通常複数の歯根に分かれています。
歯磨きができているかどうかで歯周病の状態は左右されますが、この力の関与が強く疑われるケースでは、汚れが残りやすい歯と歯の間ではなく、歯の内側中央部あるいは外側の中央部の歯周ポケットが局部的に深くなる傾向があります。
歯磨きが上手ではない人でも、この場所はきれいにできるだろうというような場所の歯周ポケットの深さが増大しているのが、根分岐部病変であると言えます。(もちろん、すべてではありませんが。)
根分岐部病変があり、その部位を抜歯即時インプラントをご希望の方は少なくありませんが、そのような方ほど、インプラントの上部構造を装着した後には、しつこいくらいの咬合調整を続けないとインプラントの長期安定は望めません。
各人の力の関与の大きさは、持って生まれたようなものなので、歯を失ってその部位がインプラントに置き換わっても、そのまま残るからです。

2016年2月 5日

hori (08:57)

カテゴリ:抜歯即時インプラント

抜歯即時インプラントを確実に成功させるために。

抜歯窩が必ず骨性治癒するとは限らない!
抜歯後6か月以上経過した541例の抜歯窩をCT画像で評価したところ、47例(8.7%)で抜歯窩にX線透過像が認められた。
部位は下顎臼歯部が34例(72.4%)、上顎臼歯部が12例(25.5%)、上顎前歯部が1例(2.1%)であった。
摘出したX線透過像部の病理組織学的診断は、線維性治癒が27例(57.4%)、腐骨あるいは変性骨が17例(36.2%)、残根が3例(6.4%)であった。
原因としては、抜歯時に存在していた慢性硬化性骨炎あるいは上顎大臼歯口蓋根相当部の硬い骨など、抜歯窩周囲骨の血流不足が考えられた。
(本音を教えて! GPが知りたい インプラント外科Q&A67 )
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抜歯即時インプラントの肝は、抜歯窩の不良肉芽を完全に取り去り、血液のプールの中にいかにインプラントを落ち着かせるかにあります。
ディコルケーションを徹底しても、歯槽骨が硬いところには、血管が少ないために、特に下顎大臼歯部に抜歯窩が線維性に治癒したり、腐骨化したりする場合があるのでしょう。
今回のデータは、インプラントを前提とした抜歯ではないですが、抜歯即時インプラントの成功率を向上させるためにも、歯槽骨の硬いところではより注意深い抜歯窩の掻把が重要となるといえます。

2015年12月20日

hori (15:08)

カテゴリ:抜歯即時インプラント

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