逆根管治療の術後の痛み予測は可能なのか?
逆根管治療後の術後疼痛の経過と、疼痛の予測因子に関する研究。
逆根管治療が行われた18-75歳の健康状態に問題のない173名について検討した。
術後5日間の疼痛を4台会で記録した。
痛みのレベルは、
0:痛みなし
1:軽度の痛み(鎮痛剤の服用を必要としない不快感)
2:中等度の痛み(鎮痛剤の服用でコントロールできる痛み)
3:強い痛み(鎮痛剤の服用で緩和されない痛み)とした。
平均疼痛レベルは1日目が最高で、その後徐々に減少した。
術後1日目で強い痛みはであった。
患者のほとんどは1日目、2日目に軽度あるいは中等度の痛み、3-5日目に痛みを最も多く記録していた。
5日目には86.5%の患者が痛みなし、または軽度の痛みであった。
強い痛みの予測因子を固定するため統計解析を行うと、性別、年齢、術前の骨の厚さに有意差を認めた。(P<0.05)。
術後の強い痛みの起こるオッズ比は女性患者が男性患者と比較して2.8倍増加、年齢が1歳上がると1.04倍現象、術前の骨の厚みが1ミリ増加するごとに1.4倍増加した。
(参考文献)
Malagise CJ, et al. Severe pain after endodontic surgery: an analysis of incidence and risk factors. J Endod 2021; 47 (3): 409-414.
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逆根管治療術後の強い痛みの起こるオッズ比は女性患者が男性患者と比較して2.8倍増加、年齢が1歳上がると1.04倍現象、術前の骨の厚みが1ミリ増加するごとに1.4倍増加することが明らかになりました。
大きな根尖病変に対する根管治療後の予後予測因子
やはり初回治療症例は、成功率が高い。
オーバー根充VSアンダー根充
都道府県別子ども割合
レスベラトールが酸蝕症予防。
レスベラトールは、ブドウなどに含まれるポリフェノールの一種で抗酸化や抗炎症、抗がん、高糖化などの有益な効果が知られており、う蝕研究においては、レスベラトールによる細菌やバイオフィルムへの抗菌効果が報告されている。
そこで、本稿では、レスベラトールの酸蝕症に対する効果を検証した論文を紹介する。
研究方法としてウシエナメル質標本を作製し、ヒト唾液中に浸漬させ獲得ペリクルを形成させた。
続いて標本をPBS(ネガティヴコントロール)、Elmex(ポジティヴコントロール)、4つの異なる濃度のレスベラトール(1, 10, 100, 400μg/mL)の6つのグループに分けて処理後、再度唾液中に浸漬させた。
最後に標本を1%クエン酸に浸漬させた。
これらの実験手順は3回繰り返され、各標本の表面微小硬度実験開始と終了後で測定し、表面微小硬度変化率(%SML)で評価した。
その結果、ネガティヴコントロールと比較して、レスベラトール(1, 10, 100μg/mL)で処理したものは、エナメル質表面の微小硬度の低下を防ぎ、エナメル質を有意に保護した。
これらのことから、レスベラトールは酸蝕症を予防する有望な化合物であり、酸蝕症予防のための歯科用製品の新たな方向性を示す可能性が示唆された。
(参考文献)
Reis FN, Pela VT, Camera VJF, Venture TMO, Rodrigues CMVBF, Buzalaf MAR: A new role for resveratrol : Protection of enameru against erosion. Journal of Dentistry, 141 : 104810,2024.
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レスベラトールは酸蝕症を予防する有望な化合物であることが明らかになりました。
歯数少ない高齢者外食頻度にも影響
「うま味」の感受性に影響与える要素
歯周病はなぜ痛くないのか?
P.ジンジバリスに代表される歯周病原細菌が作る短鎖脂肪酸(酢酸、プロピオン酸、n-酪酸、イソ酪酸、吉草酸)のうちn-酪酸(以下、酪酸)によって神経突起が萎縮して痛覚が阻害されるのが、「歯周病が痛くない」ことの一因です。
痛覚は生体防御機構の一つです。
痛覚が生じる部位には好中球などが集まって免疫システムが作動するのですが、痛覚が阻害されるとそれらの機構の働きが退化し、病態が進行していきます。
これは、歯周病原菌の戦略といえるかもしれません。
嫌気性菌である歯周病原菌は糖代謝できないため発育が遅く、病原性も強くありません。
いわば弱い菌なので、免疫機構が正常に働いてもらっては困るという事情もあります。
酪酸を出すことで免疫機構の働きを低下させ、生存・増殖のチャンスをつかんでいるとも考えられるのです。
(アポロニア21 2024年8月号 )
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歯周病が痛くない理由に、歯周病原細菌の出す酪酸が関与し、免疫機構の働きを低下させていることがあるようです。
心房細動の再発を歯周炎治療で抑制
心房細動に対するカテーテル治療を受ける患者のうち、重度の歯周炎がある人は、歯周炎治療によって心房細動の再発を抑制できる可能性がある。
広島大学の研究チームは、心房細動に対するカテーテルアブレージョン治療を受ける患者288人を対象に、歯周炎の有無とその治療が術後の心房細動再発に及ぼす影響を検討した。
さらに、歯周炎の定量化指標となる歯周炎症面積(PISA)を前例で計測した。
その結果、歯周炎治療を受けた患者の心房細動再発率は16.5%だったのに対して、治療を受けなかった患者は28.3%だった。
PISA高値群では、歯周炎治療を受けた患者の再発率は20%、受けなかった患者は18.4%だった。
(参考文献 Journal of the American Heart Association 2024年4月10日 )
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心房細動に対するカテーテルアブレージョン治療を受ける場合には、その前に歯周治療を受ける方がよいということが明らかになりました。