インプラントと全身の健康の最近のブログ記事

アスパルテームと発がん性

世界保健機関は、人工甘味料として広く使用されるアスパルテームに関する発がん性の可能性に言及した。
世界保健機関とその傘下にある国際がん研究委員会、国際食糧機関の合同添加物専門委員会らによれば、アスパルテームの発がんリスクについて、限定的なエビデンス(2B)を認めている。
合同添加物委員会は、有害性を明確に示す根拠は示していないが、体重1キログラムあたり1日に40ミリグラムを超えるとリスクがあるとしている。
(アポロニア21 2023年9月号 )
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アスパルテームに発がん性の可能性があるようです。

2023年10月25日

hori (08:21)

カテゴリ:インプラントと全身の健康

歯周病の歯の本数と認知症

軽度の歯周病では歯の数が少ないほど、重度の歯周病では歯の数が多いほど、左海馬の萎縮が早いことを、東北大学歯学研究科加齢歯科学分野の山口らが明らかにした。
認知症予防の考え方に大きな影響を与える可能性がある。
(アポロニア21 2023年9月号 )
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歯科臨床を日々行っていると、何となく結果を予測できる内容であると思いました。
「軽度の歯周病では歯の数が少ないほど、左海馬の萎縮が早い。」という結果でしたが、正確には軽度の歯周病の状態、かつ良質な義歯使用やインプラントによる咬合再構成がなされていないケースで左海馬の萎縮が早いのでは?と考えました。
そうなると、「重度の歯周病では歯の数が多いう症例」がより問題となる可能性があると考えられます。

2023年10月 1日

hori (08:57)

カテゴリ:インプラントと全身の健康

子宮内膜症の原因

名古屋大学大学院医学系研究科・腫瘍生物学分野の近藤らの研究グループは、子宮内膜症の原因は口腔内に常在する細菌「フソバクテリウム」である可能性を示唆した。
研究グループは、子宮内膜症の抗菌薬の効果を実証するために臨床試験を始め、子宮内膜症の患者の子宮組織を調べたところ、約6割の人の組織にフソバクテリウムが存在していることが分かった。
さらに、子宮内膜症を発症させたマウスに対して、フソバクテリウム菌を感染させると、病原菌の個数および重量が大きくなった。
また、抗菌薬を使うと縮小したり、消失したりなどの効果も見られた。
フソバクテリウムは歯周病や扁桃腺など口腔疾患につながるが、この細菌が子宮内膜症の発症にも関連付けられたのは世界初。
(アポロニア2023年8月号 )
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子宮内膜症の原因は口腔内に常在する細菌「フソバクテリウム」である可能性を示唆されました。

2023年8月15日

hori (08:36)

カテゴリ:インプラントと全身の健康

食物繊維の摂取量と睡眠中の歯ぎしり量に関連。

岡山大学の外山助教らの研究で、学生143人を対象に、睡眠中の歯ぎしりの有無を調査した。
睡眠中に歯ぎしりをする学生と歯ぎしりをしない学生を比較したところ、睡眠中に歯ぎしりをする学生の方が食物繊維摂取が有意に少ないことが分かった。
今後は、睡眠中の歯ぎしりへの新たな対処法を提案するだけでなく、食物繊維を摂取することで睡眠中の歯ぎしりを減少できることへの証明につながると期待がかかっている。
(アポロニア21 2023年7月号 )
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食物繊維の摂取量と睡眠中の歯ぎしり量に関連があるとは、興味深い研究報告ですね。

2023年7月25日

hori (08:21)

カテゴリ:インプラントと全身の健康

「老衰」による死亡が第3位に。

「老衰」による死亡が第3位に。
令和3年と令和2年を比較すると、死亡者数が約6.7万増加しています。
最も増加していたのは「老衰」で約2万人、次いで「心疾患」が約9千人増加しています。
3番目に「誤嚥性肺炎」が約7千人増加していました。
最も減少したのは、「肺炎」で、約5千人減少していました。
令和3年は令和2年と比較し「新型コロナウイルス感染症」による死亡が約5倍増加しており、約1.7万人が死亡していることが分かります。
(日本歯科評論 2023年6月号 )
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新型コロナによる病院への受診控えのために、本来であれば健診等でガンが見つかる頻度が減少することで、ガンの死亡数が増大すると警鐘を鳴らしていた人がいましたが、"主要死因死亡率の年次推移"を見る限り、そのような傾向は認められませんでした。
また、最も増加していたのが「老衰」による死亡で約2万人というのも興味深く感じました。

2023年7月 5日

hori (08:37)

カテゴリ:インプラントと全身の健康

なぜ、少量の食塩が甘みを引き起こすのか?

なぜ、少量の食塩が甘みを引き起こすのか、その謎を岡山大学薬学部の山下教授、東京歯科大学短期大学の安松教授らが解明した。
食塩水の場合、甘いと感じるという現象が起こるが、詳細なメカニズムは解明されていなかった。
この研究では、受容体たんぱく質の形状を原子レベルで調査できる「立体講義解析」で、メダカがもる味覚受容体「T1r2a-T1r3」の味物質センサ-領域の立体構造を調べたところ、メダカの受容体が感知する味物質のアミノ酸が結合するポケットのそばに、塩化物イオンが結合していることが分かった。
この塩化物イオン結合ポケットは、甘み受容体とうまみ受容体を含め、ほとんどの動物が持つ受容体にも存在し、アミノ酸などの味物質と同様の構造変化を受容体のセンサー領域に引き起こすと判明。
また、東京歯科大学短期大学の安松教授がマウスの味神経を用いた実験で、塩化物イオンがマウスの甘み受容体を介して、甘み神経応答を引き起こし、味覚として感知することを解明した。
何も含まれていない水と比較して、マウスは薄い塩化物イオンを含む水をより好んで飲み、甘みと同様の好ましい味として塩化物イオンを知覚していた。
その結果、食塩濃度が高くなると、塩味受容体が感知する塩味の方を強く感じて、味覚の混合抑制という現象が起こり、食塩の甘さに気づきにくくなっていると推測されることが分かった。
(アポロニア 21 2023年5月号 )
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「何も含まれていない水と比較して、マウスは薄い塩化物イオンを含む水をより好んで飲み、甘みと同様の好ましい味として塩化物イオンを知覚していた。」
というのは、何とも興味深い結果ですね。
動物が甘みを好むのはエネルギー源となるのでもっともなことだと思いますが、塩化物イオンも濃度が低ければ、同じように必要不可欠なものであると体は認識しているということなのでしょう。

2023年6月10日

hori (08:03)

カテゴリ:インプラントと全身の健康

歯根膜組織の増殖能は外科的侵襲で約6倍に!

抜去歯の歯根表面55%の歯根膜が付着しているとの報告がある。
歯根膜の細胞が抜歯という外科的侵襲を受けると、その増殖能は約6倍になるという研究報告からすると、歯根膜表面はすべて既存の歯根膜と再生歯根膜によって被覆されるものと推測できる。
(参考文献)
下野正基:決定版 治癒の病理. 74-75, 422-427, 石躍出版, 東京, 2022.
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歯根膜組織の増殖能は外科的侵襲で約6倍になることが明らかになりました。

2023年5月20日

hori (08:42)

カテゴリ:インプラントと全身の健康

鉄欠乏貧血と氷食症

内科を受診した鉄欠乏性貧血患者81例のうち、氷食症の発生頻度は13例(訳16%)と報告されていることから、まれな症状ではないことがうかがえる。
なぜ鉄欠乏性貧血が氷食症を引き起こすかについては、十分に解明されていません。
(参考文献)
仙名智弘 他 : 氷食症が契機となった重度貧血の1例.日本口腔診断学会. 2018;31(2)183-186.
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鉄欠乏貧血と氷食症との間になにかしらの関係がある可能性が示唆されました。

2023年5月 1日

hori (08:14)

カテゴリ:インプラントと全身の健康

「9歯以下で入れ歯なし」社会的孤立リスク高い

歯が9本以下で入れ歯やブリッジを使用していない人は、6年後に社会的に孤立する可能性が、使用している人と比べて約1.8倍高かった。
東北大学の研究グループが明らかにした。
日本老年学的評価研究で収集したアンケート調査のデータ(n=2万6417人)を用いて6年間の追跡調査後の残存歯数および、入れ歯やブリッジなどの歯科補綴物使用と社会孤立状態との関連性を検証した。
その結果、歯が20本以上の人と比較して、歯が10-19本の人と歯が9本以下の人は、6年後のフォローアップで社会的孤立状態になる可能性がそれぞれ13%(1.13倍)、36%(1.36倍)高いことが明らかになった。
さらに20本以上の歯がある人(歯科補綴物使用の有無にかかわらず)と比較して、歯科補綴物が未使用で歯が9本以下の人は79%(1.79倍)高く社会的に孤立する傾向だったが、9本以下でも歯科補綴物を使用している人は23%(1.23倍)の上昇にとどまった。
(アポロニア 21 2023年3月号 )
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人は咬めないと社会孤立傾向が高まることが明らかになりました。
咬めないと、鬱傾向が高まるということでしょうか?
そのような意味では、インプラント治療は、肉体的に健康な状態を手に入れることができるのはもちろんのこと、精神的な健康をも獲得できる優れた治療方法といえることでしょう。

2023年4月25日

hori (08:25)

カテゴリ:インプラントと全身の健康

代用甘味料は安全なのか?

・低カロリー・ゼロカロリー甘味飲料を摂取すると、通常の飲料よりも体重やBMI、体脂肪率などが低くなり、飲用水よりも体重や血圧が低値を示すと報告されています。
しかし、習慣的な血糖値を示すHbA1cは飲用水と比較して高くなったり、体重やBMIの増加、2型糖尿病の発生率を上昇させるという報告もあります。
代用甘味料の一種であるアスパルテームやアセスルファムKは、摂取しても満腹感をもたらすホルモンが分泌されにくいため、過食につながる可能性が考えられます。
つまり、低カロリー・ゼロカロリー食品は減量や体脂肪率の低下に寄与する可能性がある一方で、一定以上摂取することで体重増加や血糖管理の圧下をもたらす可能性もあります。
(参考文献)
McGlynn ND,et al. Association of low-and no-calorie sweetend beverages as a replacement for sugar-sweeted beverages with body weight and cardiometabolic risk : a systematic review and meta-analysis. JAMA Netw Open. 2022 Mar 1 ; 5(3) : e222092.

2023年1月10日

hori (08:57)

カテゴリ:インプラントと全身の健康

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