インプラントと全身の健康の最近のブログ記事

P.gigivalisのジンジパインにより、アルツハイマー病発症か。

・アルツハイマー病の原因は脳内に侵入したP.gigivalisが分泌するタンパク分解酵素であるジンジパインが脳の神経細胞を変性させて認知症を発症させるというものでした。
(参考文献)
Porphyromonas gingivalis in Alzheimer's disease : Evidence for disease causation and treatment with amall-molecule inhibitors. Stephen S. Dominy, Casey Lynch, Florian Ermini, Malgorzata Benedyk, Agata Marczyk, Vol.5, no.1, eaau3333 Science Advances 23 Jan 2019.
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ジンジパインが脳内でタンパク分解を惹起するのであれば、まずはP.gigivalisが血流に入り込んでいるものと考えられます。
患者さんがアルツハイマー病にならないようにするために、歯周病治療を行う時代が今後来るかもしれませんね。

2019年9月15日

hori (08:22)

カテゴリ:インプラントと全身の健康

透析患者は、象牙質知覚過敏症状や酸蝕症のリスクが高い。

・透析患者は、水分摂取の制限や発汗抑制などがあるため、好んで冷たいものを摂取する傾向があるため、象牙質知覚過敏症状を訴えることが少なくない。
さらに、唾液分泌低下による口腔乾燥は再石灰化を阻害し、減塩の目的のためレモンや酢などの酸味を用いることが推奨されていることが多く、これは酸蝕症を生じる一因となり、症状の発現のリスクを高めていると考えられる。
(参考文献)
須田英明. 透析患者の象牙質知覚過敏症, う蝕および歯髄疾患. 臨床透析. 2011;27 (6) : 657-662.
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透析患者は、象牙質知覚過敏症状や酸蝕症のリスクが高いことが分かりました。

2019年6月 5日

hori (15:07)

カテゴリ:インプラントと全身の健康

透析患者は、歯周病リスクは高い。

・透析患者の唾液pHは高いレベルで維持されているので、う蝕発症リスクが健常者より高いとは考えれていない。
しかし、その他の環境悪化因子が多いので、特別な配慮を要する。
歯周病に関しては、腎機能の低下と歯周病の発症は有意に関連すると報告されている。
(参考文献)
Yoshihara A, et al. Renal function and periodontal disease in elderly Japanese. J Periodontol. 2007;78(7):1241-1248.
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透析患者はう蝕リスクは低い一方で、歯周病リスクは高いことが分かりました。

2019年5月15日

hori (09:14)

カテゴリ:インプラントと全身の健康

osseodensification

Counterclockwise drilling とは、反時計回りのドリリングという意味で、ドリリングを逆回転で行うosseodensificationという新しいコンセプトのインプラント埋入窩形成法である。
正回転で骨を切削するドリルは、切削骨片は刃のねじれみぞを通って外部に排出される構造になっている。
このドリルを逆回転で使用することで、骨を切削することなく圧縮し、圧縮された自家骨は刃のねじれ角に応じて逆方向に進むこととなり、骨内の側方および下方に運ばれることになる。
この原理を応用することで、同部自家骨骨内移植による骨の圧縮と骨密度の強化、圧縮骨の残留ひずみが戻ろうとする力による初期固定の強化と骨接触率の増大、それに伴うインプラントの安定性の向上が期待できるのである。
Slete FBらは従来のドリリング法とオステオトームテクニック、そして osseodensificationという新しいコンセプトで形成した埋入窩にインプラントを埋入し、それぞれの骨接触率を計測している。
それによると従来のドリリング法が16.3%、オステオトームテクニックが40.7%、そして osseodensificationが60.3%と最も高く、 osseodensificationとが有意に優れていると結論付けている。
(参考文献)
Slete FB, Olin P, Prasad H. : Histomorphometric Comparison of 3 Osteotomy Techniques. Implant Dent. 27(4): 424-428,2018.
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osseodensificationという新しいコンセプトが生まれました。
ドリルといえば、右回転が当たり前でしたが、左回転させることで、骨密度を上昇させることができるそうです。
オステオトームテクニックよりも有意な差をもって骨接触率が高いそうですから、これは期待できそうですね。

2019年5月10日

hori (08:38)

カテゴリ:インプラントと全身の健康

口腔がんの重篤度を示す指標

・口腔がんはその発生段階の晩期でのみ発見されることが多いため、進行がん患者の5年生存率はわずか40%である。
コロラド大学デンバー校の研究者がこの度、郭清リンパ節に対する転移リンパ節の割合が口腔がんの重篤度を示す指標になることを見出した。
本試験の結果、LNR(Lymph Node Ratio:郭清リンパ節に対する転移リンパ節の割合)が10%を超える患者は10%未満の患者と比べて、がん再発リスクが約2.5倍、死亡リスクが2.7倍上昇していた。
(参考文献)
Association between lymph node ratio and recurrence and survival outcomes in patients with oral cavity cancer. JAMA Otolaryngology- Head&Neck Surgery.
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郭清リンパ節に対する転移リンパ節の割合が口腔がんの重篤度を示す指標になることが明らかになりました。

2019年4月15日

hori (08:48)

カテゴリ:インプラントと全身の健康

40歳以下の口腔がん患者は増大傾向にある。

・東京歯科大学 口腔顎顔面外科講座の25年間で口腔がん一次症例736例の40歳以下の占める割合を算出してみると、25年では2%弱であった値がここ5年間で約7.5%に上昇していることが判明しました。
原因を追究すべく生活習慣(飲酒、喫煙)と機械因子(歯列狭窄、転位歯、褥瘡など)との関連を調べたところ、機械因子のみに有意差が生じました。
すなわち、慢性的な刺激がかかる口腔内環境だと、褥瘡となる部位(特に舌縁)に発症しやすいことが分かりました。
(デンタルダイヤモンド 2019年3月号 )
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近年、私たち周囲の環境はストレスにあふれたものと変化してきていることもあり、褥瘡になるリスクは昔よりも増大している可能性があります。
歯列矯正をすれば舌癌にならないわけではありませんが、リスクを低下させるために、歯列矯正を行う方が無難かもしれません。

2019年4月10日

hori (08:46)

カテゴリ:インプラントと全身の健康

虫歯菌で脳出血リスク14.4倍!

そのS.mutansには血清学的にc型、e型、f型、k型の4種類の菌のタイプがある。
この S.mutans の血清型を調べた研究では、口腔に存在する菌株の約70-80%が、c型であり、次いで約20%がe型、f型、k型は5%にも満たない頻度でしか存在しないことが分かっている。
しかしながら、口腔内にあまり存在しないはずのe型、f型、k型が、心疾患患者の心臓弁から高頻度で検出された。
また今回着目した S.mutans のf型やk型の多くは、Cnmというコラーゲン結合タンパクを菌体表層に発現し、前述した脳血管疾患の1つである脳出血の原因因子の1つとして注目されている。
健常者を対象とした筆者らの疫学的調査ではコラーゲン結合能を有するS.mutans株が、この脳出血の前駆症状である脳内微小出血のリスクを14.4倍高めるという驚くべき事実を発見した。
またコラーゲン結合能を有するS.mutans株の保菌者の脳内微小出血の発症率は62.8%であった。
さらにこのコラーゲン結合能を有するS.mutans株が認知機能低下にも影響を与えているということも明らかにした。
これは血管性認知症に関連する深部微小出血の発症に、コラーゲン結合能を有するS.mutans株が強く関連しているためだと説明している。
また現在では、このコラーゲン結合能を有するS.mutansが脳出血や感染性心内膜炎だけでなく、腸疾患、肝疾患、腎疾患など多種の全身疾患に関与していることが分かってきている。
(参考文献)
Miyatani F, Kuriyama N, Watanabe I, Nomura R, Nakano D, Ozaki E, Koyama T, Nishigaki M, Yamamoto T, Mizuno T, Tamura A, Akazawa K, Takada A, Takeda K, Yamada K, Nakagawa M, Ihara M, Kanamura N, Friedland RP, Watanabe Y. Relationship between Cnm-positive Streptococcus mutans and cerebrak microbleeds in humans. Oral Dis 2015 ; 21(7) : 886-893.
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虫歯菌として知られるS.mutansは、血清学的に4種類の菌のタイプがあるそうです。
その中のe型、f型、k型は、口腔内にあまり存在しないのに、心疾患患者の心臓弁には高頻度で検出されたそうです。
それでは、f型やk型にはどのような特徴があるのでしょうか。
f型やk型には、菌体表層に発現したCnmというコラーゲン結合タンパクが関係しており、Cnmがあると、脳出血のリスクを14.4倍高めることが明らかになりました。

2019年3月20日

hori (08:50)

カテゴリ:インプラントと全身の健康

インプラントの再埋入が必要な時。

・インプラント撤去後は再度インプラント埋入を考えるものの、同じ術者が同じインプラントを埋入した場合、2度目の生存率は83.5%、3度目の生存率は60.0%となる。
再度インプラント埋入でインプラント生存率が下がる理由は、インプラント及び患者因子との関連はないものの、インプラント周囲組織に望ましくない因子の存在が関係してくる。
そのため、インプラントが2回失敗した場合は、ほかの治療法を検討するか、周囲の新鮮骨にインプラントを埋入することが望ましい。
(参考文献)
Machtei EE. What do we do after an implant fails? a review of treatment alternatives for failed implants. Int J Periodontics Restorative Dent. 2013 ; 33 (4) : e111-119.
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患者さんの同一部位にインプラントを再度埋入する場合は、当院でもゼロではないです。
インプラントがロストした場合には、何かしらプラスアルファの工夫をプラスして再埋入が必要となると考えています。

2019年3月 1日

hori (07:39)

カテゴリ:インプラントと全身の健康

扁平上皮癌の転移メカニズムを解明

・扁平上皮癌の転移メカニズムを解明
北海道大学大学院医学研究院皮膚科学教室の研究グループは、TRIM29と呼ばれる分子が、皮膚や頭頸部領域に多くみられる扁平上皮癌の転移を抑制するメカニズムを解明した。
扁平上皮癌では、異常なDNAメチル化制御によりTRIM29の発現が抑制され、細胞骨格分子のケラチン細胞内の分布に変化が生じて、扁平上皮癌の転移が促進されるというもの。
同研究成果により、診断指標や新規治療標的としての進展に期待がかかる。
(アポロニア21 2019年1月号 )
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不治の病、がんの転移を抑制するメカニズムが解明されたようです。
医学の進歩も日進月歩ですね。

2019年2月20日

hori (08:48)

カテゴリ:インプラントと全身の健康

βカロテンのサプリメントで、肺がん発症が約1.3倍増加。

・喫煙者にβカロテンのサプリメントを服用させた大規模介入試験では、肺がん発症が約1.3倍増加することがわかり、研究は中断されました。
なお、食品からのβカロテン摂取は肺がんリスクとの関連は示されていません。
(参考文献)
Omenn GS, et al. Effects of a combination of beta carotene and vitamin A on lung cancer and cardiovascular disease. N Engl J Med 1996 ; 334(18) : 1150-1155.
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インプラント患者さんには喫煙者が少なくありません。
健康に良いと考えて行った行動が時に逆の結果を招くケースは時々見られるように感じます。
特にサプリメントの分野では、十分な情報収集が必要に思います。

2019年1月15日

hori (08:25)

カテゴリ:インプラントと全身の健康

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