インプラントと全身の健康の最近のブログ記事

骨粗鬆治療薬を休薬しても、顎骨壊死は起こる。

日本骨粗鬆学会や日本口腔外科学会で、休薬しようとしまいと実は効果は変わらない。
つまり休薬しても顎骨壊死は起こるために、「休薬の効果なし」という論文が出されました。
(Dental Tribune Japan Edition 6/2020 )
*****
骨吸収抑制薬顎骨壊死を惹起する可能性は0.1%程度と聞きます。
そのため、個人的には骨粗鬆治療薬を投与されている患者さんに外科処置を行っても、さほど問題はないのではなかろうかと考えていましたが、「休薬の効果なし」というエビデンスを示す論文がパブリッシュされたようです。

2020年6月20日

hori (08:35)

カテゴリ:インプラントと全身の健康

A型インフルエンザの予防には、ビタミンD3が有効.

・A型インフルエンザの予防には、ビタミンD3が有効であることが判明しています。
慈恵医大の分子疫学研究室が6-15歳までの小中学生を対象に行った研究では、プラセボ群に比べて、ビタミンD3投与群では42%もA型 インフルエンザ罹患率が少なくなりました(B型では有意差なし)。
アメリカ・エール大学の研究グループが、健康な成人の血清25-ヒドロキシビタミンDの値と、急性ウイルス性上気道感染症の発生率を調べた研究では、25-(OH)ビタミンD値が38ng/mL以上の群では、それ未満の群に比べて罹患リスクが1/3で、罹患日数も大幅に少ないことが分かりました。
(参考文献)
Am J Clin Nutr., 2010, May, 91 (5) : 1255-60
Plos One, 2010, Jun, 14: 5(6) : e 1108

2020年4月10日

hori (08:06)

カテゴリ:インプラントと全身の健康

1日3回以上の歯磨きで心不全リスク12%低下。

・1日3回以上の歯磨きで心不全リスク12%低下
これまでの研究で、口腔衛生不良は血中への細菌侵入に起因する全身性炎症に結びつくこと、炎症は心房細動と心不全のリスクを上昇させることが分かっている。
そこで口腔衛生とこれら2つの心疾患発症との関連を検討した。
韓国の国民健康保険データから、心房細動と心不全の既往がなく2003-2004年に定期検診を受けた16万1286人(40-79歳)を登録し、後ろ向きコホート研究を実施。
身長、体重、臨床検査値、既往歴、生活習慣、口腔衛生に関する行動について情報を収集した。
中央値で10.5年の追跡期間中に、4911人(3.0%)が心房細動を、7971人(4.9%)が心不全を発症した。
解析の結果、1日3回以上の歯磨きは心房細動リスクの10%低下、心不全リスクの12%と関連していた。
口腔衛生と両疾患との間には、年齢、性、社会経済的状態、定期的な運動、アルコール摂取、BMI、併存疾患といった交絡因子を調整後も独立した関連が維持された。
専門家による口腔ケアと心不全の間には負の相関、歯の喪失歯数22本以上と心不全の間には正の相関がそれぞれ認められた。
同研究は背景機序について検討していないが、想定される機序の一つとして頻繁な歯磨きが歯肉縁下の最近バイオフィルムを減少させ、最近の血流侵入を予防したことが挙げられる。
今回の解析では単一国における観察研究のため因果関係を証明できないものの、大規模集団を長期間追跡したという強みがあると述べている。
(デンタリズム 2020年 No.38 )
*****
専門家による口腔ケアと心不全の間には負の相関、歯の喪失歯数22本以上と心不全の間には正の相関がそれぞれ認められたそうです。

2020年4月 1日

hori (08:05)

カテゴリ:インプラントと全身の健康

100歳以上の男女100人で、「前歯で肉を咬み切れる」6割

100歳以上で「自分の歯が残っている」人は約3割。
「前歯で肉を咬み切れる」のは約6割。
青汁などを販売するキューサイが実施した「100歳100人実態調査2019」(寝たきり生活者と病因入院者は除外した100歳以上の男女100人)によるもの。
家族・近親者を対象に、本人に対する聞き取りと家族に対する質問用紙への記入で6/19-7/16に実施された。
100歳以上の人に残っている歯の本数を解いた結果、「3/4くらい残っている」が6%、「1/2くらい残っている」が15%、「1/4くらい残っている」が12%、「ほとんど残っていない」が67%だった。
また、義歯も含めて58%の人が「食事の時に前歯で肉をかみ切ることができる」、同じく59%の人が「奥歯でかみ砕くことができる」と回答した。
半数以上の人が自分で咀嚼して食事を取っていることが分かった。
その他、「以前から通っているかかりつけの歯科医院がある」と答えた人は49%と、ほぼ半数だった。
(アポロニア21 2020年2月号 )
*****
健康な高齢者は、奥歯でも前歯でも大半の方がしっかり咀嚼できることが明らかになりました。
この中でインプラントによって咀嚼可能になった人がいるのかは不明ですが、年々増加傾向にあるものと考えられます。

2020年2月25日

hori (08:37)

カテゴリ:インプラントと全身の健康

義歯の清掃を毎日しないと肺炎発症リスクが1.3倍高まる。

東北大学大学院歯学研究科国際歯科保健学分野による研究では、要介護認定を受けていない高齢者でも誤嚥性肺炎発症のリスクはあるとの考えから、65歳以上の地域在住高齢者7万人1227人を対象に義歯の清掃頻度を過去1年の肺炎発症との関連を調査した。
結果、対象者のうち、過去1年に肺炎を発症したと答えた人は2.3%、義歯を毎日清掃しない人は4.6%だった。
また、義歯を毎日清掃する人の中で過去1年に肺炎を発症した割合は2.3%だったが、毎日清掃しない人では4.3%と肺炎発症のリスクが高くなった。
(アポロニア21 2020年1月号 ) 
*****
近年、肺炎で死亡する人が増加傾向にあると聞きます。
義歯を毎日清掃することで肺炎リスクを低下させることが可能です。
本人が自分でできない場合には、周囲の人間が代わりに行う必要があると考えられます。

2020年1月20日

hori (08:18)

カテゴリ:インプラントと全身の健康

歯周病とアミロイドβ

・九州大学大学院歯学研究員らが、ヒト歯周病の歯周組織からアルツハイマー型認知症の脳内老人斑成分が産生されることを明らかにした。
ヒト歯周病患者の歯茎に脳内老人斑成分アミロイドβが発現されること、歯周病菌により肝臓で炎症を起こしたマクロファージがアミロイドβを産生すること、カテプシンBが歯周病菌により惹起された炎症マクロファージにおけるアミロイドβ産生の原因酵素となることを明らかにした。
(アポロニア21 2020年1月号 )
*****
歯周病菌により肝臓で炎症を起こしたマクロファージがアミロイドβを産生するようです。

2020年1月15日

hori (08:19)

カテゴリ:インプラントと全身の健康

歯科治療時のエックス線被爆線量はごく少量である.

・放射線被ばく線量は、デンタルエックス線で0.01mSv程度、デジタルパノラマエックス線で0.01-0.02mSv、歯科用CBCTで0.01-0.1mSv程度とされています。
日本人が1年間に自然に被爆する放射線量は約2.1mSvであることを考慮すると、歯科治療時のエックス線被爆線量はごく少量であるために、必要以上に懸念する必要はないでしょう。
(参考文献)
Okano T, Jaideep S. Radiation dose and protection in dentistry. Jpn Dent Rev 2010 ; 46(2) : 112-121.
*****
インプラント治療の前後にはCTを撮ることが多いですが、今回の報告にもあるように、被爆線量を懸念する必要はなそうです。

2019年12月15日

hori (08:48)

カテゴリ:インプラントと全身の健康

歯周炎の治療により心疾患のリスクマーカーは限定的に改善する。

・歯周炎の治療により血管内皮機能が向上するか?
CRP、IL-6、白血球数、可溶性E‐セレクチン、フォン・ヴィレブランド因子は治療24時間後に対照群と比較して実験群で有意に高値を示した。
白血球数は7日後以降、可能性E-セレクチンは60日後、180日後には実験群で対照群と比べ有意に低い値となっていた。
以上の結果から、筆者らは、集中的な歯周治療は、急性かつ一過性の全身的な炎症症状と血管内皮機能の低下を引き起こしたが、治療の6か月後には、口腔内の健康状態と血管内皮機能の向上の相関がみられた。
(参考文献)
Tonetti MS, DAiuto F, Nibali L, Donald A, Storry C, Parkar M, Suvan J, Hingoranial AD, Vallance P, Deanfield J. Treatment of periodontitis and endothelial function. N Engel J Med 2007 ; 356(9) : 911-920.
*****
歯周炎の治療により心疾患のリスクマーカーは限定的に改善することが明らかになりました。

2019年10月25日

hori (08:19)

カテゴリ:インプラントと全身の健康

口腔ケアにより肺炎を減少させることのエビデンスレベルは低い。

コクランSR(Liu Cら, 2018)において、口腔ケアの肺炎の発症抑制効果に関して取り上げられた4編のRCTが評価された結果、口腔ケアが有効とする論文のバイアスが高く、その効果に関して、肺炎による死亡のリスクは下げるかもしれないが、エビデンスレベルが低いと評価されました。
今後、確定的な結論を得るには、より信頼性の高い研究が必要と結論づけられました。
(参考文献)
Liu C, et al. Oral care measures for preventing nursing home-acquired pneumonia. Cochrane Database Syst Rev 2018 ; 27(9). CD012416. doi : 10.1002/14651858. CD012416.pub2.
*****
口腔ケアにより肺炎を減少させることのエビデンスレベルは低いということが明らかになりました。

2019年10月20日

hori (09:20)

カテゴリ:インプラントと全身の健康

ひとり親世帯の子供は、歯の疾患やアレルギー疾患の有病率が高い。

生活保護受給者への健康管理支援が2021年から全国の福祉事務所で開始される。
しかし、子供への支援は必須ではなく、自治体により差が出かねない状況だ。
そんな中、生活保護受給世帯ではアレルギー性疾患や歯の疾患がある子供の割合が一般世帯の10倍以上になるとの研究結果が発表された。
対象は、2016年1月時点で生活保護を受給していた世帯の15歳未満の子供573人。
厚生労働省の国民生活基礎調査を基に同年代の状況と比較した。
その結果、ぜんそくやアトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患、う蝕や歯肉炎などの歯の疾患などの有病割合は、一般家庭の子供に比べて極めて高いことが判明。
さらに、ひとり親世帯の場合は、ぜんそくが約1.9倍、アレルギー性鼻炎が約1.6倍、アトピー性皮膚炎が約4.2倍、歯の疾患が2.1倍多いことがわかった。
経済的な困窮に加え、育児のストレスなどの影響が原因と考えられるが、比較したデータが異なるので参考地だが、生活保護受給世帯別のデータは十分比較できる。
ひとり親世帯に対する追加的な支援を検討する必要があるかもしれないとしている。
(デンタリズム 2019年No.36 )
*****
ひとり親世帯の子供は、歯の疾患やアレルギー疾患の有病率が高いということが明らかになりました。

2019年10月15日

hori (08:35)

カテゴリ:インプラントと全身の健康

このページの先頭へ