インプラントと全身の健康の最近のブログ記事

歯周病患者はCOVID-19関連の呼吸器合併症の発症リスクが高い。

レビューによれば、ドイツのミュンヘンで行われた最近の研究で、炎症性サイトカインであるインターロイキン-6のレベルの上昇が、COVID-19の入院患者における呼吸不全や最終的には人工呼吸器を要する状態となる強力な予測因子となることが明らかになった。
歯周病が放置されていると、この炎症性サイトカインの増加につながることが多い。
このことから、レビューの共著者であり、ロサンゼルスに拠点を置く歯周病専門医Shervin Molayem歯科医師は、既存の論文からも、歯周病患者に対してスケーリングとルートプレーニングを行うだけで、インターロイキン-6レベルを平均で3pg/ml下げられることが知られていると語る。
()レビューによれば、ドイツのミュンヘンで行われた最近の研究で、炎症性サイトカインであるインターロイキン-6のレベルの上昇が、COVID-19の入院患者における呼吸不全や最終的には人工呼吸器を要する状態となる強力な予測因子となることが明らかになった。
歯周病が放置されていると、この炎症性サイトカインの増加につながることが多い。
このことから、レビューの共著者であり、ロサンゼルスに拠点を置く歯周病専門医Shervin Molayem歯科医師は、既存の論文からも、歯周病患者に対してスケーリングとルートプレーニングを行うだけで、インターロイキン-6レベルを平均で3pg/ml下げられることが知られていると語る。
(Dental Tribune Japan Edition 3/2021 )
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歯周病患者はCOVID-19関連の呼吸器合併症の発症リスクが高い可能性があると新たなレビュー論文が結論付けられました。

2021年4月 5日

hori (08:12)

カテゴリ:インプラントと全身の健康

咳・痰から何を疑うか?

・咳・痰から何を疑うか?
一般的病気:上気道炎、咳喘息、COPD、逆流性食道炎、ACE阻害薬、肺炎、副鼻腔炎・後鼻漏症候群
頻度は低いが忘れてはいけない病気:気道異物、うっ血性心不全、重症気管支喘息、肺塞栓症、結核、喉頭がん・肺がん
(ザ・クインテッセンス 2021年 3月号 )
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COVID-19も症状として咳がみられますが、他にも咳がみられる病気にはどのようなものがあるか列挙してみました。
なお、この中でも圧倒的に多いのが上気道炎ということでした。

2021年3月15日

hori (08:37)

カテゴリ:インプラントと全身の健康

歯周病菌で食道がんリスク上昇。

・これまであまり検討されていなかった食道がん患者の口腔内所見と口腔内細菌叢の特徴を明らかにするため、食道がん患者と非がん患者を比較。
食道がん患者からはアグリゲイティバクター・アクチノミセテムコミタンス菌やストレプトコッカス・アンギノーサス菌が有意に多く検出された。
ロジスティック回帰分析によると、食道がんのリスクは、「歯垢中のストレプトコッカス・アンギノーサス菌の検出」で32.8倍、「唾液中のアグリゲイティバクター・アクチノミセテムコミタンス菌の検出」で5.77倍、「飲酒習慣」で17.1倍(参考)との結果が出た。
(アポロニア21 2021年2月号 )
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飲酒と食道がんは関連があると古くから言われていますが、飲酒よりも食道がんリスクの高い歯周病菌、ストレプトコッカス・アンギノーサス菌が存在することが明らかになりました。

2021年2月25日

hori (08:55)

カテゴリ:インプラントと全身の健康

カカオポリフェノールで血圧低下。

・日本で初めて高カカオチョコレート(カカオ分70%以上)を25g/日、4週間摂取する実証研究が行われました。
その結果、体重、BMIの変化はなかったものの、血圧の低下は認められました。
それを受け、血圧低下効果のあったチョコレートの25g当たりのカカオポリフェノール含量を砂糖含有の多い一般的なチョコレートとダークチョコレート(カカオ70%以上)で比較してみました。
すると、一般的なチョコレートは約177mgであったのに対して、ダークチョコレートは635mgと、約3.6倍もポリフェノール量が多いことがわかりました。ちなみに糖質は一般的なチョコレート13gに対してダークチョコレート8gという数字でした。
(参考文献)
明治. チョコレート摂取による健康効果に関する実証研究. 
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3.6倍のポリフェノール量は魅力的ですが、糖質8gは妥当なのかどうか。
調べてみたところ、糖質の一日量の目安は270gだそうです。
多く摂取しなければ問題ないものと思われます。

2021年2月15日

hori (08:49)

カテゴリ:インプラントと全身の健康

特定の歯周病菌で食道がんリスクが約6倍に!

食道がんと口腔細菌に関係 
江戸川病院と総合南東北病院との共同研究。
研究では、食道がんと診断された入院患者61人とがんでない入院患者62人の口の中を診察して唾液と歯垢を採取。
そこに含まれる7種類の代表的な歯周病の原因菌の数を推定した。
問診の結果では、食道がんの患者の方が歯周病の状態が悪く、喫煙率や飲酒の頻度が高いことが判明した。
さらに、歯垢に含まれるアグリゲイティバクター アクチノミセテム菌という細菌は、食道がん患者では16人で検出されたのに対して、その他の入院患者での検出は1人だけだった。
この細菌は、食道がん患者では唾液からも高い確率で見つかった。
結果を統計的に解析すると、唾液中でこの菌が見つかると、食道がんリスクは約6倍に高まる計算となった。
(医療新世紀 2021.2.1 )
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特定の歯周病菌で食道がんリスクが約6倍になることが明らかになりました。

2021年2月 5日

hori (08:15)

カテゴリ:インプラントと全身の健康

咀嚼回数と顎骨の発育の関連性

顎骨の発育は遺伝子的な要因が大きいと思われますが、小中学生のころに噛み応えのある食物を摂取する機会が多かった群の歯列は放物線状の歯列形態を認めることが多く、噛み応えのある食物を摂取する機会が少なかった群では狭窄した矩形やV字型の歯列形態を認めることが多かったという報告があります。
この研究では、小中学生のころに、自然と咀嚼回数が増えるような食材を嗜好したり、「しっかり咬んで食べなさい」と声かけされる家庭環境で育ったりした場合、そうではない場合と比べ歯列の幅が1.5-1.7ミリ程度大きくなったことが示されています。
歯列の幅が大きくなれば、歯列や咬合がよくなり不正咬合が予防できます。
また、歯の清掃が行いやすくなり、う蝕や歯周病の予防につながります。
(参考文献)
茅田義明, 藤木大介, 柳沢幸江, 川本仁. 小児期の食習慣が歯列形態の形成に及ぼす影響. 日咀嚼会誌 2020;30(1):19-26.
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インプラント治療が必要になる方の骨格を見ていると、歯槽骨が前後的・左右的にバランスが悪いことが多いように感じています。
理屈としては、両側でしっかりと咀嚼の訓練をすれば、正常な発育に寄与することが推測されますが、咀嚼の是正だけでは不十分であろうと考えています。
もしかすると、鼻呼吸の確立や嚥下が咀嚼と同じかそれ以上に、正常な発育に影響を与えるかもしれません。

2021年1月25日

hori (08:51)

カテゴリ:インプラントと全身の健康

cnm陽性ミュータンス菌が歯垢中から検出された患者は、微小脳出血の出現率が4.7倍高い。

ミュータンス菌が微小脳出血に関与
ミュータンス菌のうち、脳の血管内のコラーゲンと結合できるcnm遺伝子保有株は、微小脳出血の出現に関与する。
これまで脳出血患者にはcnm陽性ミュータンス菌を持つ割合が多く、脳のMRI画像で観察できる微小な脳出血の跡が多いことを明らかにしていたが、実際に菌保有者の脳内で微小な脳出血が増えていくかどうか、経時的な変化はわかっていなかった。
今回は、脳卒中でセンターに入院した患者から歯垢を採取し、ミュータンス菌を培養。
cnm陽性ミュータンス菌と経時的な微小脳出血の出現率の関係を調査した。
結果、cnm陽性ミュータンス菌が歯垢中から検出された患者は、そうではない患者と比べて、微小脳出血の出現率が4.7倍高いことが判明。
cnm陽性ミュータンス菌が、生活習慣や年齢の影響によってほころびが出た脳血管のコラーゲンに接着して炎症を起こし、出血を止める血小板の働きを抑制することで脳出血を引き起こすのではないかと推察している。
(アポロニア21 2021年1月号 )
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cnm陽性ミュータンス菌が歯垢中から検出された患者は、そうではない患者と比べて、微小脳出血の出現率が4.7倍高いことがあきらかになりました。

2021年1月15日

hori (08:22)

カテゴリ:インプラントと全身の健康

1歳半で保育所に通っている幼児は、虫歯になるリスクが1.55倍高い。

・1歳半で保育所に通っている幼児は、日中に親の養育を受ける幼児と比べて、3歳になるまでに虫歯になるリスクが1.55倍高い。
岡山大学大学院医歯薬総合研究科の森田学教授と同大学病院予防歯科の横井彩医員らの研究で明らかになったもの。
これまで日本では、日中に祖父母から養育を受けている幼児や、祖父母と同居している幼児の虫歯リスクが高く、保育所へ通う幼児の虫歯リスクは低いことが報告されていた。
研究グループは、女性の社会進出によって幼児の保育環境が変化している中、保育所と虫歯との関係の変化に着目して調査。
どう結果について、「親の養育を受ける幼児は、保育所へ通う幼児と比べて、おやつの回数が少なかったり、毎日の歯磨きが習慣づけられていたりと、虫歯になりにくい生活習慣を送っていることが分かった」とし、虫歯予防につながる生活習慣を身に着けられるように保育所と一緒に取り組む重要性を指摘している。
 (アポロニア21 2020年12月号 )
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以前であれば幼児が、祖父母と同居しているケースは多く、虫歯リスクも高い場合が多かったものと考えられます。
一方、核家族化が進んだ現在では、おやつの回数が少なく、歯磨き習慣が徹底されているなどの理由により、親の養育を受ける幼児の方が虫歯リスクが低いという結果が明らかになりました。
興味深い結果ですね。

2021年1月10日

hori (08:32)

カテゴリ:インプラントと全身の健康

受動喫煙で子どもがう蝕になる。

・受動喫煙による子供の健康影響の一つにう蝕があります。
多くの研究で、家族に喫煙者がいる子供はそうではない子供に比べて、う蝕有病率が高かったと報告されており、その科学的根拠はすでに因果関係を示唆するレベルに到達しています。
なぜ受動喫煙がう蝕と関連するのかはまだ十分解明されていませんが、タバコの煙に含まれるいくつかの有害物質が、う蝕菌や唾液、歯質に影響を与えることによりう蝕のリスクが高まるのではないかと推定されています。
たとえば、ニコチンによるミュータンス連鎖球菌の成長促進やバイオフィルムの形成促進、カドミウムによる唾液腺や歯質の結晶化の傷害が確認されています。
(参考文献)
小島美樹. 受動喫煙は子どものう蝕の原因となるか? エビデンスに基づく因果関係の推定. the Quitessennce 2016 ; 35(12) : 168-177.
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受動喫煙は子供のう蝕有病率的にも悪影響があることが明らかになりました。

2020年10月25日

hori (08:54)

カテゴリ:インプラントと全身の健康

咀嚼能力と死亡率

咀嚼能力と死亡率:フランス大規模前向きコホート研究

(研究目的)

本研究の目的は、咀嚼能力と死因別死亡率と関連を調査することである。

(研究内容)

2001年1月から2011年12月にフランスのIPCの無料健康診断に応募した者を対象に歯科検診を実施し、その後の2014年12月まで追跡して、死亡発生の有無を調査した。

同集団から心血管疾患やがんの既往歴がある者、ならびに事故志望者3079名が除外され、最終解析対象は85830名(年齢範囲:16-94歳, 男/女:61/39%)であった。

歯科検診でプラーク、歯石、歯肉の炎症の程度、欠損指数、咀嚼能力が記録され、咀嚼能力は小臼歯・大臼歯部で対合歯と咬合している天然歯もしくは補綴歯のペアの数(機能的咬合域数:0-8)で評価された。

そして、死亡発生にこれらの航空関連因子がどのように影響しているかを死因別(心血管疾患、がん、心血管疾患・がん以外)にコックス比例ハザード解析にて検討した。

(研究結果)

平均追跡期間は8.06プラスマイナス2.73年で、追跡期間中に1670名が死亡。

年齢、性別、BMI、喫煙状態、血糖値、コレステロール値、血圧で調整したコックス比例ハザードモデルで、機能的咬合域数<5であることが全死因(ハザード比:1.88)、心血管疾患(ハザード比:1.55)、がん(ハザード比1.83)、心血管疾患・がん以外(ハザード比:2.00)による死亡発生のリスク因子として同定された。

他の口腔関連因子(プラーク、歯石、歯肉の炎症が重度、欠損指数>10)は全死因、がん、心血管疾患・がん以外による死亡発生のリスク因子として同定された。

(結論)

フランスの大規模前向きコホート研究の結果、プラーク、歯石、歯肉の炎症が重度、欠損歯数>10、機能的咬合域数<5であることが、全死因、がん、心血管疾患・がん以外による死亡発生のリスク因子であることが明らかとなった。

さらに、心血管疾患による死亡においては機能的咬合域数<5であることのみがリスク因子として同定された。

(参考文献)Darnaud C, Thomas F, Danchin N, Boutouyrie P, Bouchard P. Masticatory Capacity and Mortality: The Preventive and Clinical Investigation Center (IPC) Cohort Study. J Dent Res,99(2) : 152-158, 2020. Doi: 10.1177/0022034519889021.

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今回の報告における咬合支持域が4個以下しかない状態とは、左上7と左下7、左上6と左上6、左上5と左下5、左上4と左下4、右上7と右下7、右上6と右上6、右上5と右上5、右上4と右上4の8つのペアのうちいくつペアがあるかという評価基準で、4個以下ということです。

通常4や5よりは6や7の方が先に失う傾向があるので、この研究報告での4つの咬合支持域を有する状態とは、例えば上下左右ともに7・6がない状態あるいは片側は6まで噛んでいるが、反対側は最後方歯が4といったような状態を示すものと考えられます。

インプラント相談で来院される患者さんの、必要インプラント数を考えると、ほぼすべての患者さんがインプラント治療で心血管疾患の死亡リスクを低下させることができると推測できました。

咬むところがないと、心血管疾患によって死亡するリスクが上昇することが明らかになりました。

2020年9月20日

hori (08:46)

カテゴリ:インプラントと全身の健康

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