インプラントと全身の健康の最近のブログ記事

cnm陽性ミュータンス菌が歯垢中から検出された患者は、微小脳出血の出現率が4.7倍高い。

ミュータンス菌が微小脳出血に関与
ミュータンス菌のうち、脳の血管内のコラーゲンと結合できるcnm遺伝子保有株は、微小脳出血の出現に関与する。
これまで脳出血患者にはcnm陽性ミュータンス菌を持つ割合が多く、脳のMRI画像で観察できる微小な脳出血の跡が多いことを明らかにしていたが、実際に菌保有者の脳内で微小な脳出血が増えていくかどうか、経時的な変化はわかっていなかった。
今回は、脳卒中でセンターに入院した患者から歯垢を採取し、ミュータンス菌を培養。
cnm陽性ミュータンス菌と経時的な微小脳出血の出現率の関係を調査した。
結果、cnm陽性ミュータンス菌が歯垢中から検出された患者は、そうではない患者と比べて、微小脳出血の出現率が4.7倍高いことが判明。
cnm陽性ミュータンス菌が、生活習慣や年齢の影響によってほころびが出た脳血管のコラーゲンに接着して炎症を起こし、出血を止める血小板の働きを抑制することで脳出血を引き起こすのではないかと推察している。
(アポロニア21 2021年1月号 )
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cnm陽性ミュータンス菌が歯垢中から検出された患者は、そうではない患者と比べて、微小脳出血の出現率が4.7倍高いことがあきらかになりました。

2021年1月15日

hori (08:22)

カテゴリ:インプラントと全身の健康

1歳半で保育所に通っている幼児は、虫歯になるリスクが1.55倍高い。

・1歳半で保育所に通っている幼児は、日中に親の養育を受ける幼児と比べて、3歳になるまでに虫歯になるリスクが1.55倍高い。
岡山大学大学院医歯薬総合研究科の森田学教授と同大学病院予防歯科の横井彩医員らの研究で明らかになったもの。
これまで日本では、日中に祖父母から養育を受けている幼児や、祖父母と同居している幼児の虫歯リスクが高く、保育所へ通う幼児の虫歯リスクは低いことが報告されていた。
研究グループは、女性の社会進出によって幼児の保育環境が変化している中、保育所と虫歯との関係の変化に着目して調査。
どう結果について、「親の養育を受ける幼児は、保育所へ通う幼児と比べて、おやつの回数が少なかったり、毎日の歯磨きが習慣づけられていたりと、虫歯になりにくい生活習慣を送っていることが分かった」とし、虫歯予防につながる生活習慣を身に着けられるように保育所と一緒に取り組む重要性を指摘している。
 (アポロニア21 2020年12月号 )
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以前であれば幼児が、祖父母と同居しているケースは多く、虫歯リスクも高い場合が多かったものと考えられます。
一方、核家族化が進んだ現在では、おやつの回数が少なく、歯磨き習慣が徹底されているなどの理由により、親の養育を受ける幼児の方が虫歯リスクが低いという結果が明らかになりました。
興味深い結果ですね。

2021年1月10日

hori (08:32)

カテゴリ:インプラントと全身の健康

受動喫煙で子どもがう蝕になる。

・受動喫煙による子供の健康影響の一つにう蝕があります。
多くの研究で、家族に喫煙者がいる子供はそうではない子供に比べて、う蝕有病率が高かったと報告されており、その科学的根拠はすでに因果関係を示唆するレベルに到達しています。
なぜ受動喫煙がう蝕と関連するのかはまだ十分解明されていませんが、タバコの煙に含まれるいくつかの有害物質が、う蝕菌や唾液、歯質に影響を与えることによりう蝕のリスクが高まるのではないかと推定されています。
たとえば、ニコチンによるミュータンス連鎖球菌の成長促進やバイオフィルムの形成促進、カドミウムによる唾液腺や歯質の結晶化の傷害が確認されています。
(参考文献)
小島美樹. 受動喫煙は子どものう蝕の原因となるか? エビデンスに基づく因果関係の推定. the Quitessennce 2016 ; 35(12) : 168-177.
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受動喫煙は子供のう蝕有病率的にも悪影響があることが明らかになりました。

2020年10月25日

hori (08:54)

カテゴリ:インプラントと全身の健康

咀嚼能力と死亡率

咀嚼能力と死亡率:フランス大規模前向きコホート研究

(研究目的)

本研究の目的は、咀嚼能力と死因別死亡率と関連を調査することである。

(研究内容)

2001年1月から2011年12月にフランスのIPCの無料健康診断に応募した者を対象に歯科検診を実施し、その後の2014年12月まで追跡して、死亡発生の有無を調査した。

同集団から心血管疾患やがんの既往歴がある者、ならびに事故志望者3079名が除外され、最終解析対象は85830名(年齢範囲:16-94歳, 男/女:61/39%)であった。

歯科検診でプラーク、歯石、歯肉の炎症の程度、欠損指数、咀嚼能力が記録され、咀嚼能力は小臼歯・大臼歯部で対合歯と咬合している天然歯もしくは補綴歯のペアの数(機能的咬合域数:0-8)で評価された。

そして、死亡発生にこれらの航空関連因子がどのように影響しているかを死因別(心血管疾患、がん、心血管疾患・がん以外)にコックス比例ハザード解析にて検討した。

(研究結果)

平均追跡期間は8.06プラスマイナス2.73年で、追跡期間中に1670名が死亡。

年齢、性別、BMI、喫煙状態、血糖値、コレステロール値、血圧で調整したコックス比例ハザードモデルで、機能的咬合域数<5であることが全死因(ハザード比:1.88)、心血管疾患(ハザード比:1.55)、がん(ハザード比1.83)、心血管疾患・がん以外(ハザード比:2.00)による死亡発生のリスク因子として同定された。

他の口腔関連因子(プラーク、歯石、歯肉の炎症が重度、欠損指数>10)は全死因、がん、心血管疾患・がん以外による死亡発生のリスク因子として同定された。

(結論)

フランスの大規模前向きコホート研究の結果、プラーク、歯石、歯肉の炎症が重度、欠損歯数>10、機能的咬合域数<5であることが、全死因、がん、心血管疾患・がん以外による死亡発生のリスク因子であることが明らかとなった。

さらに、心血管疾患による死亡においては機能的咬合域数<5であることのみがリスク因子として同定された。

(参考文献)Darnaud C, Thomas F, Danchin N, Boutouyrie P, Bouchard P. Masticatory Capacity and Mortality: The Preventive and Clinical Investigation Center (IPC) Cohort Study. J Dent Res,99(2) : 152-158, 2020. Doi: 10.1177/0022034519889021.

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今回の報告における咬合支持域が4個以下しかない状態とは、左上7と左下7、左上6と左上6、左上5と左下5、左上4と左下4、右上7と右下7、右上6と右上6、右上5と右上5、右上4と右上4の8つのペアのうちいくつペアがあるかという評価基準で、4個以下ということです。

通常4や5よりは6や7の方が先に失う傾向があるので、この研究報告での4つの咬合支持域を有する状態とは、例えば上下左右ともに7・6がない状態あるいは片側は6まで噛んでいるが、反対側は最後方歯が4といったような状態を示すものと考えられます。

インプラント相談で来院される患者さんの、必要インプラント数を考えると、ほぼすべての患者さんがインプラント治療で心血管疾患の死亡リスクを低下させることができると推測できました。

咬むところがないと、心血管疾患によって死亡するリスクが上昇することが明らかになりました。

2020年9月20日

hori (08:46)

カテゴリ:インプラントと全身の健康

降圧剤服用でインプラントの生存率上昇。

・Garcia-Dencheらの研究により、高血圧の薬を服用している患者は、その薬の作用で骨密度ならびに骨形成能が増加するため、インプラントの生存率が高くなると報告された。
(参考文献)
Garcia-Denche JT, Wu X, Martinez PP, Eimar H, Ikbal DJ, Hernandez G, Lopez-Cabarcos E, Fernandez-Tresguerres I, Tamimi F. Membranes over the lateral window in sinus augmentation procedures: a two-arm and split-mouth randomized clinical trials. J Clin Periodontol. 2013 ; 40(11): 1043-1051.
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興味深い研究報告です。
自院のインプラント治療を受けた方に対して、降圧剤を服用している患者さんの、インプラントを埋入してから骨結合をするまでの期間を調査してみたいと考えています。

2020年9月10日

hori (08:34)

カテゴリ:インプラントと全身の健康

骨粗鬆治療薬を休薬しても、顎骨壊死は起こる。

日本骨粗鬆学会や日本口腔外科学会で、休薬しようとしまいと実は効果は変わらない。
つまり休薬しても顎骨壊死は起こるために、「休薬の効果なし」という論文が出されました。
(Dental Tribune Japan Edition 6/2020 )
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骨吸収抑制薬顎骨壊死を惹起する可能性は0.1%程度と聞きます。
そのため、個人的には骨粗鬆治療薬を投与されている患者さんに外科処置を行っても、さほど問題はないのではなかろうかと考えていましたが、「休薬の効果なし」というエビデンスを示す論文がパブリッシュされたようです。

2020年6月20日

hori (08:35)

カテゴリ:インプラントと全身の健康

A型インフルエンザの予防には、ビタミンD3が有効.

・A型インフルエンザの予防には、ビタミンD3が有効であることが判明しています。
慈恵医大の分子疫学研究室が6-15歳までの小中学生を対象に行った研究では、プラセボ群に比べて、ビタミンD3投与群では42%もA型 インフルエンザ罹患率が少なくなりました(B型では有意差なし)。
アメリカ・エール大学の研究グループが、健康な成人の血清25-ヒドロキシビタミンDの値と、急性ウイルス性上気道感染症の発生率を調べた研究では、25-(OH)ビタミンD値が38ng/mL以上の群では、それ未満の群に比べて罹患リスクが1/3で、罹患日数も大幅に少ないことが分かりました。
(参考文献)
Am J Clin Nutr., 2010, May, 91 (5) : 1255-60
Plos One, 2010, Jun, 14: 5(6) : e 1108

2020年4月10日

hori (08:06)

カテゴリ:インプラントと全身の健康

1日3回以上の歯磨きで心不全リスク12%低下。

・1日3回以上の歯磨きで心不全リスク12%低下
これまでの研究で、口腔衛生不良は血中への細菌侵入に起因する全身性炎症に結びつくこと、炎症は心房細動と心不全のリスクを上昇させることが分かっている。
そこで口腔衛生とこれら2つの心疾患発症との関連を検討した。
韓国の国民健康保険データから、心房細動と心不全の既往がなく2003-2004年に定期検診を受けた16万1286人(40-79歳)を登録し、後ろ向きコホート研究を実施。
身長、体重、臨床検査値、既往歴、生活習慣、口腔衛生に関する行動について情報を収集した。
中央値で10.5年の追跡期間中に、4911人(3.0%)が心房細動を、7971人(4.9%)が心不全を発症した。
解析の結果、1日3回以上の歯磨きは心房細動リスクの10%低下、心不全リスクの12%と関連していた。
口腔衛生と両疾患との間には、年齢、性、社会経済的状態、定期的な運動、アルコール摂取、BMI、併存疾患といった交絡因子を調整後も独立した関連が維持された。
専門家による口腔ケアと心不全の間には負の相関、歯の喪失歯数22本以上と心不全の間には正の相関がそれぞれ認められた。
同研究は背景機序について検討していないが、想定される機序の一つとして頻繁な歯磨きが歯肉縁下の最近バイオフィルムを減少させ、最近の血流侵入を予防したことが挙げられる。
今回の解析では単一国における観察研究のため因果関係を証明できないものの、大規模集団を長期間追跡したという強みがあると述べている。
(デンタリズム 2020年 No.38 )
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専門家による口腔ケアと心不全の間には負の相関、歯の喪失歯数22本以上と心不全の間には正の相関がそれぞれ認められたそうです。

2020年4月 1日

hori (08:05)

カテゴリ:インプラントと全身の健康

100歳以上の男女100人で、「前歯で肉を咬み切れる」6割

100歳以上で「自分の歯が残っている」人は約3割。
「前歯で肉を咬み切れる」のは約6割。
青汁などを販売するキューサイが実施した「100歳100人実態調査2019」(寝たきり生活者と病因入院者は除外した100歳以上の男女100人)によるもの。
家族・近親者を対象に、本人に対する聞き取りと家族に対する質問用紙への記入で6/19-7/16に実施された。
100歳以上の人に残っている歯の本数を解いた結果、「3/4くらい残っている」が6%、「1/2くらい残っている」が15%、「1/4くらい残っている」が12%、「ほとんど残っていない」が67%だった。
また、義歯も含めて58%の人が「食事の時に前歯で肉をかみ切ることができる」、同じく59%の人が「奥歯でかみ砕くことができる」と回答した。
半数以上の人が自分で咀嚼して食事を取っていることが分かった。
その他、「以前から通っているかかりつけの歯科医院がある」と答えた人は49%と、ほぼ半数だった。
(アポロニア21 2020年2月号 )
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健康な高齢者は、奥歯でも前歯でも大半の方がしっかり咀嚼できることが明らかになりました。
この中でインプラントによって咀嚼可能になった人がいるのかは不明ですが、年々増加傾向にあるものと考えられます。

2020年2月25日

hori (08:37)

カテゴリ:インプラントと全身の健康

義歯の清掃を毎日しないと肺炎発症リスクが1.3倍高まる。

東北大学大学院歯学研究科国際歯科保健学分野による研究では、要介護認定を受けていない高齢者でも誤嚥性肺炎発症のリスクはあるとの考えから、65歳以上の地域在住高齢者7万人1227人を対象に義歯の清掃頻度を過去1年の肺炎発症との関連を調査した。
結果、対象者のうち、過去1年に肺炎を発症したと答えた人は2.3%、義歯を毎日清掃しない人は4.6%だった。
また、義歯を毎日清掃する人の中で過去1年に肺炎を発症した割合は2.3%だったが、毎日清掃しない人では4.3%と肺炎発症のリスクが高くなった。
(アポロニア21 2020年1月号 ) 
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近年、肺炎で死亡する人が増加傾向にあると聞きます。
義歯を毎日清掃することで肺炎リスクを低下させることが可能です。
本人が自分でできない場合には、周囲の人間が代わりに行う必要があると考えられます。

2020年1月20日

hori (08:18)

カテゴリ:インプラントと全身の健康

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