歯周病の既往がある高年齢患者の智歯を抜歯すると、41倍残存ポケットが生じやすい。
無症状の完全埋伏または半埋伏智歯を抜歯後の第二大臼歯を評価すると、遠心面の歯周ポケットとアタッチメントゲインは約2?改善していた。
術前に遠心のPDが4?以上であった第二大臼歯の73.6%は、6か月後の再評価時に4?未満に閉鎖した。
一方、年齢が高く(平均55歳)、術前により深い歯周ポケットがある場合、抜歯6か月後に4?以上残存する可能性が高かった。
さらに過去の既往がある患者では、これらの残存ポケットが生じるリスクは41倍高かった。
この結果は、智歯抜歯後に生じる欠損が、外科処置による歯周炎の影響を強く受けることを示す。
(参考文献)
Passarelli PC, Lajolo C, Pasquantonio G, Damato G, Docimo R, Verdugo F, DAddona A. Influence of mandibular third molar surgical extraction on the periodontal status of adjacent second molars. J Periodontol.2019 Aug ; 90(8) : 847-55.
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多くの患者で年齢が高まるほど歯周病リスクは上がる傾向にあるので、可能な限り若いうちに症状がなくても智歯は抜歯しておいた方が得策であるということが明らかになりました。