オッセオデンシフィケーションを用いたインプラント埋入

骨治癒およびインプラントのオッセオインテグレーションに関するオッセオデンシフィケーションと切削による埋入窩形成法の比較:低骨密度ヒツジモデルにおけるex vivo組織形態学的/組織計測学的分析
(緒言)
オッセオデンシフィケーションという非切削ドリリングテクニックが適切な代替法として検討されている。
この方法は、次の2つの明確な利点をもたらすことが示されている。
1. 埋入窩形成時の骨切削片が骨壁に沿って水平的に圧縮され、骨密度を高めることで初期固定を高める。
2. インプラント-骨界面に自家骨骨片を保存することでオッセオインテグレーションを促進する。
本研究では、オッセオデンシフィケーションと従来法それぞれの方法で形成を行い埋入したインプラント体周囲の骨再生およびオッセオインテグレーションを評価することとした。
(結果)
3週間経過モデルにおける骨再生量は、オッセオデンシフィケーション群(7.8%±6.5%)と従来群(4.5%±6.5% )の間に統計学的な有意差を認めなかったが、6週間経過モデルでは、オッセオデンシフィケーション群(22.8%±6.5%)の方が従来群(14.9%±6.5%)と比べて有意に増加していた。(P=0.035)。
インプラントと骨とのインテグレーションを観察期間で評価したところ、BICは3週間経過モデル(22.5%±6.9%)と比較し、6週間経過モデル(52.6%±6.9%)の方が有意に高かった(P<0.005)。
また、埋入窩形成法の違いに関しては、3週間経過モデルでは、オッセオデンシフィケーション群(28.18%±11.9%)と従来群(22.14%±11.9%)と従来群(43.0%±11.9%)とで統計学的有意差を認めなかったが、6週間経過モデルではオッセオデンシフィケーション群(60.2%±11.9%)と従来群(43.4%±11.9%)とで有意差を認めた(P=0.032)。
さらにインプラント体のスレッド内の骨量(BAFO)は、埋入窩形成法にかかわらず、3週間経過モデル(44.2%±4.9%)と6週間経過モデル(46.4%±4.9%)とで有意差を認めなかった(P>0.05)。
また、BAFOを観察期間と埋入形成法を含めて評価すると、3週間経過モデルではオッセオデンシフィケーション群(48.3%±7.4%)と従来群(33.4%±7.4%)との間に有意差を認めた(P=0.01)。
同様の傾向は、6週間経過モデルでも確認され、オッセオデンシフィケーション群(51.23%±7.4%)が従来群(41.49%±7.4% )より統計学的に有意に高い値を示した(P=0.041)。
(考察)
オッセオデンシフィケーションでは、埋入時に骨に過度の負担をかけることなく、高い初期固定を獲得することができ、また、埋入窩の骨壁に切削した自家骨が残存することで骨形成を促進させることである。
本研究のオッセオインテグレーション群でBAFOが増加したのが、骨壁の切削片に起因することは明らかである。
この切削片が骨リモデリングを促進し、骨の治癒を促して、BAFOを大幅に増加させたと考えられる。
したがって、自家骨骨片とその細胞内外のたんぱく質を利用するオッセオインテグレーションは、従来法と比較し、自然な創傷治癒反応にプラスの影響を与えると考えられる。
(参考文献)
Mullings O, Tovar N, Abreu de Bortoli JP, Parra M, Torroni A, Coelho PG, Witek L. Osseodensication versus subtractive drilling techniques in bone healing and implant osseointegration : ex vivo histomororphometric analysis in a low-density bone ovine model. Int J Oral Maxillofac Implants 2021 ; 36(5) : 903-909.
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近年、インプラント治療を希望される方の中には、歯槽骨の状態があまり良好ではない方が多いので、今回のオッセオインテグレーションというテクニックが、インプラント治療の長期安定に寄与することに期待したいです。

2022年3月 5日

hori (08:30)

カテゴリ:抜歯即時インプラント

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