より安全なインプラント治療を目指して : その2

本日のインプラントは下顎左側小臼歯部、のはずでした。

というのも、こちらは準備を万全に整え、『さっそくインプラントを埋入しようか。』と思ったその矢先、患者さまが『先生、何だか気分が悪いです。』というではありませんか。

酸素吸入を行い、状態が安定した後に再度インプラント治療を試みるということも考えましたが、歯列矯正セミナー参加のため、仙台駅に向けて出発する時間が決まっていたので、予定時刻を延長するようなオペは避けることにしました。

インプラント治療を行う歯科医師も治療を受ける患者さまも、夕方になると疲労が蓄積してきます。

できれば午前中にインプラント治療を行うのがベストでしょう。

一方、オペの延期のような事態の際に忘れてならないのが、インプラント治療に関わる器具の滅菌コストです。

安心・確実なインプラント治療を行うために、使用する器具は滅菌するわけですが、それらを行うにも費用が発生します。

(手指や器具に付着したバクテリア等の数を減らすことを"消毒"といい、それらをゼロにすることを"滅菌"といいます。

すなわち、滅菌とは消毒を超えたレベルの清潔な状態なのです。)

また使用するものの中には使い捨てのものもあり、これらは袋を開けたら、仮に使用しなくても再利用はできません。

そのまま廃棄になるのです。

これらのコストはインプラント治療を延期するという時点で、二重にかかってしまうのです。

今まではインプラント治療の前には、体調が良好かどうか確認の電話を差し上げていたはずなのですが、今回のように1本だけのインプラント埋入ということで、こちらから確認の電話をしないでしまったようなのです。

重篤なミスは、小さな複数のミスを偶然にも重ねて犯してしまうのと同時に、そこに不可抗力的な不運も加わり発生するもの課と思います。

安心・確実なインプラント治療を行うために、一見些細な小さなミスを確実に潰していくことが必要があると反省しました。

2009年2月18日

hori (00:36)

カテゴリ:治療例

« 新素材の人工骨でインプラント治療に革命か!? | ホーム | より安全なインプラント治療を目指して : その3 »

このページの先頭へ