デンタルフロスでワクチン投与

歯肉溝の底部に位置する接合上皮は血管と直接つながっており、バリア機能がゆるく、物質が通過しやすい構造をしている。
このゆるさは歯周病のリスク要因に挙げられることが多いが、逆にその特性をワクチンの吸収ルートとして活用するというユニークな研究である。
研究では、抗原やmRNAなどをコーティングしたテープ状のフロスをマウスの歯肉溝に3日間連続で挿入・擦過し、舌下投与や筋肉注射と比較した。
その結果、歯肉構内では抗原が最大72時間と長く保持され、粘膜上での安定性も高かった。
また、投与後に摂食や飲水を行っても、ワクチン効果が維持され、実生活に即した免疫誘導法としての有効性も確認された。
(参考文献)
Rohans S J I, Akhilesh K S: Floss-based vaccination targets the gingival sulcus for mucosal and systematic immunization. Nat Biomed Eng, doi: 10. 1038/s41551-025-01451-3, 2025.
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歯肉溝の底部に位置する接合上皮は血管と直接つながっており、バリア機能がゆるく、物質が通過しやすい構造を逆手にとって、ワクチンの吸収ルートとして活用するという発想が今までにないものであると感銘を受けました。
舌下投与や筋肉注射と比較しても、安定するワクチン投与法ということも今後さらなる発展に期待したい研究報告だと感じました。

2026年2月 8日

hori (09:58)

カテゴリ:インプラントと全身の健康

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