水泳好きの入れ歯を入れている女性のあなたに

先日、水泳をするためにスポーツクラブに出かけました。アップがてら水中でストレッチをしていると、ある中年女性がシャワーを浴びてプールの方へやってきました。

そしておもむろに、左右の親指を上顎の奥歯に当て、入れ歯を顎の方にぎゅーっと抑えているではありませんか!

私にはその方が『今回は入れ歯が外れないでくれ!』と祈るような表情をしているように見えました。

入れ歯は大きく口を開いたりすると外れやすいので、水泳の息継ぎの際には特に、入れ歯が外れはしまいかと気になるのでしょう。

入れ歯を入れていることはやはり他人に知られたくはないものですが、そのような行動ひとつで、実際には口の中を見なくても、勘の良い人なら歯科医療に携わっていない方にも、入れ歯を入れていることを気付かれてしまいます。

堀歯科医院にはご主人にも入れ歯を入れていることを秘密にしているという方が来院されています。

しかも、友人と旅行に出かけても絶対に入れ歯を外さないという徹底ぶりです。

この方を含め、インプラントができない理由がある方、あるいはインプラントという方法があるということを知った上で入れ歯を選択されている方には、それ以上インプラントについてお話をする必要はないと考えていますが、それ以外の患者さまには、1 現在ではインプラントという優れた方法があること、2 一般的には数ヶ月で入れ歯を卒業することができ、ケースによってはその日に卒業することが可能であることを説明する必要があると私は考えています。

ただし、インプラントは医学的にはベストでも、費用的には高額になってしまうのが欠点ともいえます。

(一般的には1本あたり、30万から40万くらい必要となることが多いです。)

仮にインプラントが1本が10年もったとすれば、一日あたりおよそ82円の投資です。

(1本30万の場合です。)

一日82円が高いか安いはさておき、歯科では歯牙を喪失した際の第一選択はインプラントです。

ただ残念なことにインプラントを行っている歯科医師は全体の2割か3割程度なものです。

そしてもっと言えば、自分の診療メニューにない治療方針は、わざわざ時間を割いて患者さまに説明することはないので、インプラント治療を行わない歯科医師が在籍する歯科医院では、入れ歯かブリッジの治療方針のみとなることが一般的です。

(同じことが歯列矯正でもいえます。)

そのような歯科医院では、第一選択がブリッジでブリッジが不適当な欠損形態であれば、治療方針は入れ歯ということになります。

訴訟の多いアメリカでは、インプラントという治療方針を提示しなかったために、歯科医師サイドが負けたという事例があったと聞きます。

まだ日本ではそのような事例はありませんが、日本はアメリカの10年後、15年後を追いかけているそうです。

もしそのようなことが本当ならば、歯科医師がインプラントを治療方針として提示しないことで、患者さまに訴えられる日が、今後日本でも到来するかもしれません。

2009年2月18日

hori (00:29)

カテゴリ:コラム

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