歯周形成外科が必須の審美歯科症例

口元の突出感が気になるという若い女性が来院されました。

以前のコラムでも紹介したように、親御さんは歯列矯正で治療を進めたいと考えていたようなのですが、やはり本人の価値観を重要視し、セラミックス矯正で口元の突出感を改善することになりました。

セラミックス矯正は、タレントさんや女優さんなど、短期間で口元の状態を改善したいと考えている方にはベストな方法です。

極端な話、来院回数2回で長年悩んでいた歯並びを改善できる場合すらあるわけですから、歯科治療には時間をかけたくない方には大変喜ばれる方法なのです。

この方には、歯の突出感だけを改善するセラミックス矯正はもちろんのことですが、オプションとして、歯肉のラインの左右差を減らす歯周形成外科も提案させていただきました。

突出した上顎中切歯を抜歯すると、その部分の歯肉は歯牙の傾きに伴い、上方に位置していますから、抜歯するとそこよりもさらに上方に歯肉が退縮する形で治癒が進みます。

そうなると、この方の場合、処置を加えない隣接歯牙よりも10ミリ近く歯肉のラインが片方だけ上がった状態となるのです。

 

今現在、この方のスマイルラインはいわゆるローリップラインで、上口唇を最大限挙上しても、上顎切歯の中央付近までしか挙がりませんが、口元に自信が付いてくると、自然とハイリップラインに変化し、以前はさほど問題なかったセラミックスと歯肉の移行部付近が急に問題となってくる可能性があります。

そこまで考えると、歯周形成外科は必須の処置となります。

口元に自信のない方の笑顔がどこかぎこちなかったり、控えめな印象を与えるのは、唇をこのライン以上上げてしまうと、自分の見せたくない部分が見えてしまうというコンプレックスがあるからかもしれません。

私は審美歯科治療を通して、患者さまの最高の笑顔を見たい!、喜んでいただきたい!と常々考えておりますが、勉強をしなくてはならない分野というものも次から次へと出現してくることに驚きつつ、『歯科というのも、私が学生時代に考えていたよりもはるかに奥深いなあぁ。』と今さらながらに思う今日この頃です。

2010年8月24日

hori (18:29)

カテゴリ:コラム

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