1回の根管治療では術後疼痛は出現しやすいのか。

無症状でかつ鎮痛薬などを服用していない患者の再根管治療における、術後疼痛の出現および程度を、1回治療と2回治療で比較した臨床調査。
2回治療群では根管貼薬剤の違いで水酸化カルシウムとクロルヘキシジンのさらに2群に分け、術後7日目に根管充填を行った。
術後1日目、2回目、30日目において、1回治療群は2回治療群よりも術後疼痛の出現は有意に低かった(P<0.05)。
根管貼薬剤による術後疼痛の出現に有意差は認められなかった(P>0.05)。
(参考文献)
Edem Hepsenoglu Y, et al. Postoperative pain intensity after single-versus two-visit nonsurgical endodontic retreatment: a randomized clinical trial. J Endod. 2018; 44(9) : 1339-1346.
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日本では、保険制度の関係で根管治療を1回で行うケースはそれほど多くはないように感じます。
今回の報告で、必ずしも1回の根管治療の術後疼痛が出現しやすいというわけではないようです。
またむしろ、『術後1日目、2回目、30日目において、1回治療群は2回治療群よりも術後疼痛の出現は有意に低かった(P<0.05)』という結果が得られています。

2020年5月25日

hori (08:16)

カテゴリ:インプラントと歯内療法

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