インプラントのトラブル対処法 : アバットメントスクリューの破折

インプラント治療の失敗にアバットメントスクリューの破折がある。

残ったスクリューは簡単には除去できない。

この除去の方法はいくつか報告されているが、完全な除去は臨床的には困難である。

このような場合には、より短いアバットメントスクリューを用いることが有用かもしれない。

上部構造の維持には、アバットメントスクリューの3?4スレッドで十分との報告がある。


また、ノーマルスクリューと短いスクリューで繰り返し締め直しを行って試験的除去トルク値を比較すると、有意な差が認められないことも明らかにされている。

しかしながら、短いアバットメントスクリューに関する生体力学的な検討はいまだ不十分なままである。

本研究の目的は、アバットメントスクリューの長さが破折荷重および破折歪みに及ぼす効果を調査することとした。

・長いアバットメントスクリューは、短いものよりも荷重時にスクリューの回転軸が先端側に移動すること、スレッドの数により破折抵抗すること、などが報告されている。

しかしながら、臨床的見地より、咬合による荷重とスクリューの長さを比較し、破折強度を測定することは重要である。

若年者の最大咬合力は45.9kgfより小さいことや、成人男性の最大咬合力は約51.6kgfであると報告されているが、本研究で用いたもっとも短いアバットメントスクリュー(長さ1.4?)の破折荷重は、これらの最大咬合力より高かった。

さらに、アバットメントスクリューの長さとピーク歪み、あるいは破折歪みとの間には有意な関係は認められず、長いアバットメントスクリューを使用する利点がないことが示唆された。

このことより、アバットメントスクリューが破折した時、それを除去せずに長さ1.4?以上のアバットメントスクリューに置換しても問題とならない可能性が示唆された。

(参考文献)
Kim BJ, Yeo IS, Lee JH, Heo SJ, Koak JY. The effect of Screw Length on Fracture Load and Abutment Strain in Dental Implants with External Abutment Connections. JOMI vol.27 No.4 2012.

2012年12月20日

hori (14:24)

カテゴリ:インプラントについて

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