失活歯は咬んでいる感覚が天然歯よりも希薄である。インプラントはそれ以上に希薄である。

・根管充填後はあまり起こり得ないことであるが、術後数年が経過してくると感覚閾値が反対に上昇し、咬んでいるのが分かりにくいという現象が起こる可能性がある。
つまり、咬み応えががないので、より一層咬んでしまう危険性がある。
Randow&Glantzは、根管治療歯と生活歯では咬んだ時の感覚がどれくらい差があるのかを歯に重りをつけて検証したところ、根管治療歯は生活歯に比べて2倍以上の力を加えると初めて咬んでいる感覚が得られたと報告している。
それゆえに、根管治療歯は生活歯に比べて強い力が加わる可能性があり、継時的な変化として垂直的歯根破折を引き起こす可能性が考えられる。
(歯界展望 2016年2月号 )
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失活歯は生活歯よりも弱いとはよく聞きますが、咬んでいる感覚が弱いために、生活歯だったころよりも強く咬んでしまうために、垂直性歯根破折が惹起される可能性があるようです。
そういえば、インプラントは天然歯のおよそ20倍強く咬まないと咬んでいる感覚が得られないという報告を読んだことがあります。
一般にはインプラントと失活歯が嵌合すると、対合する失活歯は歯根破折が生じるリスクが高いそうですが、これも失活歯にしてもインプラントにしても、強く咬んでも強く咬んだ感覚がないことが関与していそうです。
こうして考えると、インプラント上部のセラミックスの破折がトラブルとして少なくないのも当然と言えば当然かもしれません。

2016年4月20日

hori (09:07)

カテゴリ:インプラントと過剰な力

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