酒飲みは、麻酔が効きずらい。

お酒を大量に飲んでいる人が麻酔が効きにくいのは、血液が酸性に傾いているためか、あるいは分解酵素が多いためだという考え方がある。
最近、この考え方とは異なるMTBC(1-methyl-1,2,3,4-tetrahydro-β-carboline)というアルカロイドが飲酒によって増加し、このMTBCが非イオン型麻酔薬の膜内流動性を阻害するために、麻酔効果が発現しにくくなることが分かってきた。
(参考文献)
林 秀明 : 局所麻酔薬の膜流動化作用とアセトアルデヒド-インドールアミン縮合物との相互作用. 岐歯学誌, 34 : 1-20, 2007.
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インプラント埋入手術の際に、麻酔が効きづらい方がいます。
また、効きずらい方でも、麻酔効果持続する方とすぐに麻酔がさめてしまう方がいます。
やはり一番治療がしにくいタイプは、麻酔が効きづらく、効いてもすぐにさめてしまう方です。
これまでの歯科治療の際に、『麻酔が効きづらかった』という経緯をお持ちの方には、お酒を大量に飲んでいるかどうかの問診を追加する必要があると考えています。
麻酔がまったく効かず治療ができなかった方でも、3日間断酒していただいた後に、インプラント埋入手術をすると、治療可能であったというケースもあるようです。

2014年6月20日

hori (08:50)

カテゴリ:インプラントについて

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