10歳若返る方法

・MohindaとBulmanは、咬合高径を回復することにより、多くの症例で見た目が5‐10歳若く見えるようになったことを報告している。
(参考文献)
Mochinda NK, Bulman JS. The effect of increasing vertial dimension of occlusion on facial aesthetics. Br Dent J 2002 ; 192(3) : 164-168.
*****
インプラント治療で見た目が10歳以上若返るケースは、奥歯がないまま長期間経過したものを治療したケースです。
通常、奥歯がなくなると、垂直的に咬合力を受け止める力が弱くなるので、前歯が倒れる力がより多くかかります。
若いころはそうでもなかったのに、50歳を過ぎたあたりから、出っ歯になってきた方は、「奥歯がない」あるいは極端に「奥歯が低い」状態であるはずです。
また奥歯がなくなることで、"老け顔"になりやすい理由はどのあたりにあるのか考えてみましょう。
まず、奥歯がないことにより変化するのは、食事の内容です。
食べ応えのある食事は回避するようになりますから、楽に食べることができる炭水化物と脂肪の多い食事が多くなります。
(ここで、問題なのは、食事の準備をしている女性の多くは、自分の食べやすいものを家族に食事として出すので、家族全員がメタボリックシンドロームになりやすいということです。)
これにより、当然、体脂肪率は増加します。
("中年太り"という言葉がありますが、中年だから太るのではなく、中年になり、歯の治療をおろそかにしているから、太るのではないか?とすら思います。)
またそれだけでなく、咀嚼筋を鍛えることができないので、顎周辺に脂肪が付き、二重顎になります。
そして、さらに"老け顔"になる原因には、身体の姿勢があります。
咬み合わせと身体の姿勢には密接な関係があるので、身体の姿勢が正しい方向に変化していきます。
(大臼歯がなくなり、咬み合わせに問題を抱えている人は、姿勢にも問題を抱えるだけでなく、身体の重心が定まらず、どこかふらふらした印象があります。)
これらが、インプラント治療をすることで、10歳若返ることと関係していると考えられます。
また、インプラント治療を受ける方に共通する特徴とは、治療前の状態が肌の張りや艶がなく、死んだ魚のような目をしているという点です。
咬めないということが、どれほど身体の不調に影響を与えているかを考えさせられます。
健康などうかは、0.5秒で見た目で判断できますが、どこか問題を抱えている人のうちの何割かは歯の問題を抱えているかもしれません。

2014年6月30日

hori (08:17)

カテゴリ:インプラントと若返り

« 歯周病で歯を失い、喫煙をしている人は、インプラントを失う可能性がある。 | ホーム | ファイバーコアを使用することで、歯根破折頻度が半分程度に減少。 »

このページの先頭へ