高齢者における前歯配列のポイント

高齢者における前歯配列のポイント

高齢者における前歯配列のポイントは、成人に比べ上顎前歯を下方に位置させること、大きく笑った時に歯肉の見える量をコントロールして、患者の顔に合う美しさを提供することである。

年齢     上顎中切歯の見える量(ミリ)    下顎中切歯の見える量(ミリ)
15             5                       ‐
30代未満        3.4                      0.5
30代           1.6                      0.8
40代           1.0                      2
50代           0.5                      2.5
60代            0                       3
 
安静時に1-2ミリ露出させる。(Landa)

中切歯が最低2ミリ露出する必要がある。(Wazzan)

上顎中切歯の排列位置は、上顎前歯部高径の1/2+被蓋量2ミリといわれている。

しかし、実際の高齢者の安静時のリップラインは、それよりも下垂していて、60代では上顎中切歯がまったくみえなくなる。

この点を考慮してワックスデンチャー試適にあたることが望ましい。
 
(阿部次郎の総義歯難症例 誰もが知りたい臨床の真実 より)



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一般に、加齢とともに上顎前歯が口唇から見える量は減少します。

またそれとともに、下顎前歯が口唇から見える量が増加します。

義歯の安定を維持した状態で、口元を若く見せる配慮をする必要があります。

インプラント義歯でも発想は全く同じです。

義歯が上手な歯科医師は、インプラント義歯も上手に製作すると思います。

インプラントの勉強も重要ですが、義歯の勉強も必要なのです。

2014年1月30日

hori (10:09)

カテゴリ:インプラントについて

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