Er:YAGレーザーを用いた歯肉縁下歯石除去の有効性

・機械的デブライドメントと比較したEr:YAGレーザーを用いた歯肉縁下歯石除去の有効性
どちらの治療も同時間内で行われた時(2.15±1:00分)、SRP後に根面の93.9±3.7%に歯石がなかった一方で、レーザー照射後の根面の歯石除去率は68.4±14.4%であった。
レーザー照射に手用器具の2倍の処置時間をかけることが許容されれば、根面の83.3±5.7%に歯石を認めなかった。
どちらの治療法の効果も術前のプロービング深さに関係は認められなかった。
組織学的な評価によって、レーザー照射後にセメント質の減少が最小限であった一方で、SRP後は歯根象牙質の73.2%がセメント質を失い、完全に露出していた。
どちらの治療様式も同等に歯周病原細菌を減少させるに至った。
本研究は歯周病罹患歯根面から歯石の除去におけるEr:YAGレーザーの生体内での可能性を明らかにできたが、手用器具で得られる効果には及ばなかった。
(参考文献)
Schwarz F, Sculean A, Berakdar M, Georg T, Reich E, Becker J. J Clin Periodontol 2003; 30(1):26-34.
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Er:YAGレーザーによる歯石除去は、手用器具で得られる効果に及ばないというエビデンスです。
医療器械を販売する業者は、売り文句として、「Er:YAGレーザーは、SRP時にセメント質の減少が最小限です。」というようなことを言いますが、やはりまずは、セメント質を失わわずに手用器具を使えるようスキルアップを図るべきでしょう。
ここでも『最新が必ずしも最善ではない。』ということになります。
インプラント業界でも同様です。

2016年4月 1日

hori (17:02)

カテゴリ:インプラントについて

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