インプラントの補綴装置はエマージェンスアングル30°以下

・ボーンレベルのインプラントにおいて、補綴装置の近遠心のエマージェンスアングルが30°より大きい場合、インプラント周囲炎の罹患率が有意に高くなった。
補綴装置はエマージェンスアングルを30°以下として、コンケーブもしくはストレートのエマージェンスプロファイルを付与することが勧められます。
(参考文献)
Katafuchi M, Weinstein BF, Leroux BG, Chen YW, Daubert DM. Restoration contour is a risk indicator for peri-implantitis : A cross-sectional radiographic analysis. J Clin Periodontol 2018 ; 45(2) : 225-232.
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補綴装置の近遠心のエマージェンスアングルが30°より大きいとは、すなわち、インプラントのカントゥアをオーバーカントゥアにして、物が挟まりにくく、息漏れもしにくい状態を作り出すことになります。
萌出している天然歯のような審美的なインプラント治療は一般的にオーバーカントゥアですから、インプラント周囲炎にはなりやすいということになります。
高床式のインプラントは審美的でないから時代遅れで、審美的なインプラントは最新式であるという風潮がありますが、個人的には審美性も追求しすぎるのは良くないものと考えています。

2018年12月 1日

hori (11:36)

カテゴリ:インプラント周囲炎

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