咬合性外傷で炎症加速。

NakatsuらがLPS、LPS抗体によりラットに実験的に歯周炎を導入したうえで、メタルワイヤーを第一大臼歯に装着して実験的な咬合性外傷を引き起こし、歯周組織の変化を観察している。
本研究ではLPS抗体を導入された咬合性外傷グループ、歯周炎グループ、咬合性外傷+歯周炎グループ、そしてLPS抗体なしの咬合性外傷+歯周炎グループの四つにそれぞれ12匹のラットが割り当てられた。
実験の結果、LPS抗体咬合性外傷+歯周炎グループでは他のグループと比較して有意に大きな付着の喪失および破骨細胞の増加が認められた。
さらに、免疫複合体はより広範囲で観察された。
このことから、咬合性外傷によるコラーゲン繊維の傷害が組織の抗原透過性を亢進し、免疫複合体の形成を広範囲に拡大、結果として炎症反応を加速するのではないかと考えられる。
(参考文献)
Nakatsu S, Yoshinaga Y, Kuramoto A, Nagano F, Ichimura I, Oshino K, Yoshimura A, Yano Y, Hara Y. Occlusal trauma accelerates attachment loss at the onset of experimental periodontitis in rats. J Periodontal Res. 2014; 49(3): 314-322.
*****
LPS抗体咬合性外傷+歯周炎グループでは、有意に大きな付着の喪失および破骨細胞の増加が認められたそうです。
このことから、咬合性外傷によるコラーゲン繊維の傷害が組織の抗原透過性を亢進し、免疫複合体の形成を広範囲に拡大、結果として炎症反応を加速するのではないかと推察されます。

2020年2月10日

hori (08:42)

カテゴリ:インプラントと過剰な力

« 歯根間距離によって、なりやすい骨欠損形態が変わる。 | ホーム | 直接法ファイバーコアが脱離しやすい理由 »

このページの先頭へ