2020年2月アーカイブ

100歳以上の男女100人で、「前歯で肉を咬み切れる」6割

100歳以上で「自分の歯が残っている」人は約3割。
「前歯で肉を咬み切れる」のは約6割。
青汁などを販売するキューサイが実施した「100歳100人実態調査2019」(寝たきり生活者と病因入院者は除外した100歳以上の男女100人)によるもの。
家族・近親者を対象に、本人に対する聞き取りと家族に対する質問用紙への記入で6/19-7/16に実施された。
100歳以上の人に残っている歯の本数を解いた結果、「3/4くらい残っている」が6%、「1/2くらい残っている」が15%、「1/4くらい残っている」が12%、「ほとんど残っていない」が67%だった。
また、義歯も含めて58%の人が「食事の時に前歯で肉をかみ切ることができる」、同じく59%の人が「奥歯でかみ砕くことができる」と回答した。
半数以上の人が自分で咀嚼して食事を取っていることが分かった。
その他、「以前から通っているかかりつけの歯科医院がある」と答えた人は49%と、ほぼ半数だった。
(アポロニア21 2020年2月号 )
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健康な高齢者は、奥歯でも前歯でも大半の方がしっかり咀嚼できることが明らかになりました。
この中でインプラントによって咀嚼可能になった人がいるのかは不明ですが、年々増加傾向にあるものと考えられます。

2020年2月25日

hori (08:37)

カテゴリ:インプラントと全身の健康

咬合不調和が放置されると予後不良となる場合がある。

Harrel&Nunnは歯周病患者89名を対象とした1-10年の後ろ向き研究で咬合不調和(中心位における早期接触、偏心位における干渉)が歯周病罹患歯の予後にどのような影響を与えるかを調査した。
被検者は推奨された治療をすべて受けた群(n=41、初期治療と歯周外科)、推奨された治療を部分的に受けた群(n=18、初期治療のみ)全く治療を受けなかった群(n=30)に分類された。
被検者は少なくても1年後の検診を受け、初診時の状態との比較が行われた(大部分の患者についても5-10年間の経過観察が行われた)。
本研究では、咬合不調和を有する群では有意に大きなプロービング値、動揺度が認められ、初診時の予後も悪く判定される傾向にあった。
59名の治療群のうち、29名が咬合調整を受けた。
残りの30人は、咬合不調和が認められたにもかかわらず咬合調整は行われなかった。
咬合不調和がありながら咬合調整を受けなかった歯は、プロービング値、動揺度、予後が悪化していった。
咬合不調和が放置された群では、0.167ミリ/年のプロービング値の増加が認められたのに対して、咬合不調和がなかった群ではマイナス0.004ミリ/年、咬合不調和が調整された群ではマイナス0.027ミリ/年で、咬合不調和が放置された群では有意に大きな値を示した。
(参考文献)
Harrel SK, Nunnn ME. The association of occlusal contacts with the presence of increased periodontal probing depths. J Clin Periodontol. 2009; 36(12)1035-1042.
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当院のインプラント総合治療では、センチあるいはミリ単位の修正をインプラントや被せもので対応し、ミクロ単位の調整は定期的な咬合調整を行っております。
咬み合わせは常に変化するものなので、最短で3-4週に一度、調整を行う場合もあります。
今回の報告で示されたように、咬合不調和が放置されると予後不良となる可能性があるので注意が必要です。

2020年2月20日

hori (08:18)

カテゴリ:インプラントと過剰な力

直接法ファイバーコアが脱離しやすい理由

・CRを歯に接着する場合、エナメル質と象牙質では性質が全く異なる。

エナメル質との接着性は極めて強く、耐久性にも優れ、安定しているが、象牙質との接着は外力が加わらない部位以外は期待できないといえる。

(デンタルダイヤモンド 2020年1月号)

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繰り返し冠が脱離してくるケースでは、象牙質に接着を求めているケースが見受けられます。

例えば、直接法でのファイバーコアを用いたレジンコアが冠と一緒に脱離してくるケースでは、ファイバーコアにレジンが接着してはいるものの、根管にレジンが残っているケースは皆無であることから考えても、象牙質の接着はかなり弱いと考えられます。

咬合性外傷で炎症加速。

NakatsuらがLPS、LPS抗体によりラットに実験的に歯周炎を導入したうえで、メタルワイヤーを第一大臼歯に装着して実験的な咬合性外傷を引き起こし、歯周組織の変化を観察している。
本研究ではLPS抗体を導入された咬合性外傷グループ、歯周炎グループ、咬合性外傷+歯周炎グループ、そしてLPS抗体なしの咬合性外傷+歯周炎グループの四つにそれぞれ12匹のラットが割り当てられた。
実験の結果、LPS抗体咬合性外傷+歯周炎グループでは他のグループと比較して有意に大きな付着の喪失および破骨細胞の増加が認められた。
さらに、免疫複合体はより広範囲で観察された。
このことから、咬合性外傷によるコラーゲン繊維の傷害が組織の抗原透過性を亢進し、免疫複合体の形成を広範囲に拡大、結果として炎症反応を加速するのではないかと考えられる。
(参考文献)
Nakatsu S, Yoshinaga Y, Kuramoto A, Nagano F, Ichimura I, Oshino K, Yoshimura A, Yano Y, Hara Y. Occlusal trauma accelerates attachment loss at the onset of experimental periodontitis in rats. J Periodontal Res. 2014; 49(3): 314-322.
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LPS抗体咬合性外傷+歯周炎グループでは、有意に大きな付着の喪失および破骨細胞の増加が認められたそうです。
このことから、咬合性外傷によるコラーゲン繊維の傷害が組織の抗原透過性を亢進し、免疫複合体の形成を広範囲に拡大、結果として炎症反応を加速するのではないかと推察されます。

2020年2月10日

hori (08:42)

カテゴリ:インプラントと過剰な力

歯根間距離によって、なりやすい骨欠損形態が変わる。

・歯根間距離が近ければ一つの円、あるいは二つの円が重なり合って水平的骨欠損を生じる。
歯根間距離がある程度離れていれば垂直性骨欠損を(一方に生じた病変が隣在歯にそれほど大きな影響を及ぼさない)十分離れていればそれぞれの隣接面に独立した垂直性骨欠損を生じることがある。
(参考文献)
Waehaug J. The angular bone defect and its relationship to trauma from occlusion and down-growth of subgingival plaque. J Clin Periodontol. 1979; 6 : 61-82.
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歯根間距離によって、なりやすい骨欠損形態が変わるという報告です。
個人的には歯根間距離に加えて、歯牙の位置異常や傾斜の方向・程度も関連して、なりやすい骨欠損形態が変わるものと考えています。
また最近は上顎骨の成長が不足していることが影響してか、口蓋側の歯冠長と頬側の歯冠長の長さに大きな差がある方がおり、歯磨きがさほど悪くはないのに、頬側から根分岐部病変を患っている方も少なくないように感じます。
このような方の治療を総合的に行う場合、歯列矯正よりインプラント治療の方が適切であると考えています。

硬い骨質への単独インプラント補綴はスクリューが緩みやすい。

・タイプ?の硬い骨質への単独インプラント補綴はスクリューが緩みやすいので注意が必要である。
骨が硬いと応力がコネクション部に集中した場合に、骨の柔軟性によって応力を干渉することができないので、コネクション部にスペースが生じてスクリューが緩んでくると考えられる。
一方、タイプ?やタイプ?の骨質であれば応力が骨の柔軟性によって分散されやすいのでスクリューは緩みにくい。
(インプラントジャーナル 2019年80 )
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インプラントを埋入する骨質は硬ければ良いというものではありません。
今回の報告のように骨質が硬すぎると、スクリューが緩みやすかったり、骨火傷が生じやすくなるリスクが増大します。

2020年2月 1日

hori (08:28)

カテゴリ:インプラントと過剰な力

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