インプラントと全身の健康の最近のブログ記事

βカロテンのサプリメントで、肺がん発症が約1.3倍増加。

・喫煙者にβカロテンのサプリメントを服用させた大規模介入試験では、肺がん発症が約1.3倍増加することがわかり、研究は中断されました。
なお、食品からのβカロテン摂取は肺がんリスクとの関連は示されていません。
(参考文献)
Omenn GS, et al. Effects of a combination of beta carotene and vitamin A on lung cancer and cardiovascular disease. N Engl J Med 1996 ; 334(18) : 1150-1155.
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インプラント患者さんには喫煙者が少なくありません。
健康に良いと考えて行った行動が時に逆の結果を招くケースは時々見られるように感じます。
特にサプリメントの分野では、十分な情報収集が必要に思います。

2019年1月15日

hori (08:25)

カテゴリ:インプラントと全身の健康

リグロスで、がん増殖?!

・FGF-2は細胞増殖に有意に働くが、がん細胞においてはその増殖ならびに遊走性を促進させ、腫瘍形成能をもつ。
非腫瘍細胞のがん化作用は確認されていないが、現在では重要な潜在的リスクとして使用成績調査をさらに行っている。
(参考文献)
・Tsunoda S, Nakamura T, Sakurai H, Saiki I: Fibroblast growth factor-2-induced host stroma reaction during initial tumor growth promotes progression of mouse melanoma via vascular endothelial growth factor A-dependent neovascularization. Cancer Sci, 98: 541-548,2007.
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リグロス(FGF-2)は、がん細胞の増殖を促進するそうです。
治療に使用するのは、もう少し待つ方が無難に感じます。

2019年1月 5日

hori (08:00)

カテゴリ:インプラントと全身の健康

人工甘味料で食欲増進!

・人工甘味料は血糖値の上昇を起こさないために、食欲亢進を起こす可能性があり、甘みを強く感じた被験者ほど一定時間後の食欲亢進が高まるとの報告があります。
これは「甘味受容→血糖上昇→食欲抑制」という生体本来の向上性が乱れるためとされています。
(参考文献)
鈴木麻希, 泉杏奈, 村絵美, 林育代, 森谷敏夫, 永井成美. エネルギーを有さない人工甘味溶液摂取後の食欲感覚と胃運動. 等甘味度天然甘味料溶液との比較. 日本栄養・食糧学会誌 2016; 69(4):163-171.
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人工甘味料によって、食欲亢進が高まるようです。
一見健康によさそうなものも、意外なデメリットがあることが多いように感じます。
人工甘味料も様々な知識を得てから摂取するべきものと考えられます。

2018年12月10日

hori (07:53)

カテゴリ:インプラントと全身の健康

破傷風による開口障害

・破傷風による開口障害
顎関節症では、開口障害や咀嚼筋、頸部筋肉の圧痛を認めることがある。
しかし、開口障害は開口域20?前後の場合が多く、本症例のように3?しか開かない場合はすくない。
また、表情筋の緊張や発語困難をきたすことはない。
筋突起過形成症は筋突起が過長となり、開口時に頬骨と干渉して開口障害や頬部の違和感、疼痛を生じる。
しかし、開口障害が突然生じることはない。
(デンタルダイヤモンド 2018年11月 )
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開口障害のある方にインプラント治療する場合は、先に開口障害を改善する必要があると考えています。
歯科に来院される方の多くは、顎関節症関連が多いですが、破傷風で開口障害が惹起されることがあるそうです。
現在の、国内の破傷風患者数は年間100人前後とされているので、比較的目にする機会は少ないのですが、知識として知っておきたいものです。

2018年11月25日

hori (08:03)

カテゴリ:インプラントと全身の健康

インプラント治療で余命が伸びる。

・健康的な生活習慣がアメリカ人の寿命に及ぼす影響
78865人を対象とした調査研究「Nuses' Health Study(1980-2014)」と44351人を対象とした調査研究「The Health Professionals Follow-up Study(1986-2014)」の2つのデータをもとに統計解析を実施した。
30歳から 75歳までの男女を対象とし、身長、体重、食習慣、運動習慣、喫煙歴、サプリメント(ビタミン剤)の使用、解熱鎮痛剤(アスピリン)の使用、家族の病歴について質問調査した。
健康的な生活習慣スコアは、以下の5つの条件にいくつ一致するか否かを調べた。
1. 健康的な食習慣
Alternate Healthy Eating Index scoreを用いて食事調査し、スコアの上位40%を健康的な食習慣であると定義し、1点加算した。
食習慣スコアは以下の項目で形成される。
野菜、果物、ナッツ、全粒穀物、多価不飽和脂肪酸、w-3脂肪酸は1日の推奨量を摂取していること。
赤身肉・加工肉、糖添加飲料、トランス脂肪酸、食塩の摂取量を制限していること。
2. 健康的な運動習慣
1日30分以上の中等度-強度の身体活動を継続していること。
3. 飲酒習慣
適度の飲酒(純アルコールで女性5-15g/日、男性5-30g/日)を遵守していること。
日本では純アルコール20gで1合と定義されている。
各種アルコール飲料に換算すると、ビール中瓶(500ml)は1本で1合であり、日本酒やワインは180mlで1合である。
4. 喫煙歴
現在、喫煙していないこと。
5. 適正体重
正常体重【体格指数(BMI):18.5-24.9kg/m?】を維持していること。
各項目の条件に一致している場合、1点加算するため、0点は高リスク生活習慣である。
生活習慣スコア0、1、2、3、4、5点と分類し、点数が高いほど健康的な生活習慣とした。
追跡期間中、2年に1回再調査し、結果に反映させた。
研究結果
34年間の追跡期間中に4万2167人の死亡(がん死1万3953人、心血管疾患死1万689人)が確認された。
まずは死因と生前の生活習慣スコアを比較して、生活習慣が死因に関連があるか調査した。
調査の方法としてはハザード比を算出し、死因と生活習慣の相対的な危険度を客観的に比較した。
なお、ハザード比は1を基準として、数字が小さくなるほど生活習慣が各疾患の発症しやすくなる危険因子であることを示す。
生活習慣スコア0点群(高リスク生活習慣群)に対する5点群(健康的な生活習慣群)のハザード比は全死亡率が0.26であり、死因別に調査したところ、がん死が0.35であり、心血管疾患死が0.18だった。
特に心血管疾患死はハザード比が低く、健康的な生活習慣によって予防できる可能性があることが示唆される。
寄与危険割合は、寄与危険が暴露軍の罹患リスクに占める割合を示す。
すなわち、高リスクの生活習慣を続けていたことが影響して各疾患の発症する割合を算出した。
健康的な5つの生活習慣因子を遵守しなかった場合の寄与危険割合は全死亡が60.7%、がん死が51.7%、心血管疾患死が71.7%だった。
特に心血管疾患は生活習慣と密接な関係があり、健康的な生活習慣で予防できる可能性が示唆された。
次に生活習慣が寿命に与える影響を調べたところ、5つの健康的な生活習慣を一つも遵守しなかった場合(高リスク生活習慣群)、女性の平均寿命は79.0歳、50歳時の平均余命は29.0年、男性ではそれぞれ75.5歳、25.5年と推測された。
一方、5つの健康的な生活習慣をすべて遵守した場合(健康的な生活習慣群)、女性では93.1歳、43.1年、男性では87.6歳、37.6年と推測された。
生活習慣スコア0点群(高リスク生活習慣群)に対する5点群(健康的な生活習慣群)の50歳時における平均寿命は、女性で14.0年、男性で12.2年延長した。
(参考文献)
Impact of Healty Lifestyle Factors on Life Expectancies in the US Population. Li Y , Pan A , Wang DD , et al. Circulation. 2018
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健康的な生活習慣を1 健康的な食習慣、2 健康的な運動習慣、3 飲酒習慣、4 喫煙歴、5適正体重の5項目に着目して、寿命がどのくらい変わるのかをアメリカ人で調査した文献の紹介です。
5つすべての項目を遵守すると、一つも純しない場合と比べて、女性で14.0年、男性で12.2年平均寿命が延長したという結果が得られました。
噛めない人が、インプラント治療を受けて咬めるようになると、1・2・5が改善する可能性が高胃と考えられます。
すなわち、咬めない頃は脂肪と糖質に偏った食事をしている人が、インプラントで咬めるようになることで、バランスのとれた食事が可能となります。
また咬めるようになると身体の姿勢も変化して疲れにくい身体になるので、BMIが適正な値にシフトしたり、体を動かすことが億劫でなくなったりする変化がみられるようになります。

2018年11月20日

hori (08:37)

カテゴリ:インプラントと全身の健康

BP薬剤は、下顎皮質骨骨密度を大きく上昇させる。

・経口ビスフォスフォネート薬剤が下顎骨に与える影響について
本研究では、骨粗鬆症と診断され、経口BP薬剤を服用している患者に対して、腰椎・大腿骨で用いられているQCT法を下顎骨に応用して、骨密度を皮質骨と海綿骨に分けて三次元的に測定し、経口BP薬剤および服用期間が骨粗鬆症患者の顎骨に与える影響について検討しました。
その結果、顎骨壊死を発症しやすい下顎骨において海綿骨骨密度は、BP薬剤の影響が小さい一方で、皮質骨骨密度は、服用期間によらずBP薬剤の影響によって骨密度が大きく上昇し、長期服用によって皮質骨厚が厚くなること、BP薬剤服用患者のインプラント早期喪失率は高く、インプラント早期喪失患者の皮質骨骨密度が1SD以上有意に高い値を示したことを明らかにしました。
したがって、インプラント治療においては、インプラント埋入手術におけるドリリング時の熱傷による骨壊死と血行不良による骨形成の抑制によって、顎骨壊死のみならず骨結合を含むリスクに関しても、十分なインフォームドコンセントの必要があり、さらにはメインテナンス中にBP薬剤による治療が開始されることがあるため、通常のメンテナンス項目だけでなく、服薬状況の変化についてもきちんと把握することが重要であることが分かりました。
( 日本インプラント学会会誌 Implant News No.27)
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下顎骨に対して、BP薬剤が皮質骨と海綿骨とで異なる影響を与えることが分かりました。
すなわち、海綿骨の骨密度はBP薬剤の影響が小さい一方で、皮質骨は服用期間によらず、骨量・骨質ともに増大すること。
特に皮質骨の骨密度に関しては、1SD以上有意に高い値を示すほどの状態になるので、ドリリング時の熱傷による骨壊死と血行不良による骨形成の抑制によって、骨結合が起きえないリスクがあることが分かりました。

2018年10月20日

hori (08:38)

カテゴリ:インプラントと全身の健康

インプラント治療で低栄養を改善!

・義歯を含めた全歯列の最大咬合力を用いて、咬合力と栄養摂取との関連を調査した報告では、70歳群(69-71歳)の対象者を、咬合力により低位群、中位群、高位群と分けて食品群と栄養素の摂取量を比較しました。

食品群では、緑黄色野菜とその他の野菜の摂取量は、咬合力高位群が低位群に比べて有意に多く、穀類は摂取量が少ない傾向(有意差なし)というものでした。

この結果、栄養素では、ビタミンA・C・Eや食物繊維の摂取量が高位群において低位群よりも有意に多かったと報告されています。
他にも多くの報告がありますが、概ね以下のようにまとめられます。
すなわち、咀嚼力が低下すると緑黄色野菜を含む野菜類や魚介・肉などの咬みにくい食品群を避けるようなる一方で、穀物などの咬みやすい食品の摂取が増えます。
この結果、ビタミン類、食物繊維、ミネラル類やタンパク質の摂取が減少し、炭水化物の摂取が増加するというものです。
(参考文献)
Significanse of occlusal force for dietary fibre and vitamin intakes in independently living 70-year-old Japanese : from Sonic Study. Inomata C, et al. J Dent2014; 42(5):556-564.
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咬合力の低位群と高位群とを比較した結果、低位群では、ビタミン類、食物繊維、ミネラル類やタンパク質の摂取が減少し、炭水化物の摂取が増加するということが明らかになりました。
これはすなわち、咬合再構成を行う前後で、低栄養状態が改善されるために、患者さんがインプラント治療によって真の健康を手にすることが可能となるということになります。

2018年9月20日

hori (11:18)

カテゴリ:インプラントと全身の健康

現在歯数と栄養素摂取の関係

・日本歯科医師会会員の現在歯数と栄養素摂取の関係
日本歯科医師会会員約2万名の健康調査の一部を、現在歯数0本の栄養素摂取量を100%としてグラフ化したところ、現在歯数が減少するにつれて、カルシウムおよびカロテン、ビタミンCの摂取が少なくなり、逆に炭水化物の摂取が多くなっている。
現在歯数が0本の歯科医師のタンパク質摂取量を100%とすると、現在歯数が25-28本の歯科医師のタンパク質摂取量は101.8%。
現在歯数が0本の歯科医師の炭水化物摂取量を100%とすると、現在歯数が25-28本の歯科医師の炭水化物摂取量は96.3%。
現在歯数が0本の歯科医師の歯質摂取量を100%とすると、現在歯数が25-28本の歯科医師の脂質摂取量は104.6%。
現在歯数が0本の歯科医師のカルシウム摂取量が100%とすると、現在歯数が25-28本の歯科医師のカルシウム摂取量は108.6%。
現在歯数が0本の歯科医師のカロテン摂取量が100%とすると、現在歯数が25-28本の歯科医師のカロテン摂取量は119.5%。
現在歯数が0本の歯科医師のビタミンC摂取量が100%とすると、現在歯数が25-28本の歯科医師のビタミンC摂取量は111.1%。
現在歯数が0本の歯科医師の食物繊維摂取量が100%とすると、現在歯数が25-28本の歯科医師の食物繊維摂取量は104.2%。
(参考文献)
歯の保有状況と食品群・栄養素の摂取量との関連(その1) 平成17年国民生活基礎調査とリンケージした国民・栄養調査データによる解析. 厚生労働省科学研究費補助金(循環器疾患・糖尿病等生活習慣病)口腔機能に応じた保健指導と肥満抑制やメタボリックシンドローム改善との関係についての研究(研究者代表:安藤雄一)安藤雄一ほか. 平成23年度総括・分担研究報告書. 2012; (5) : 556-564.
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口腔の専門家である歯科医師でも、現在歯数が少なければ栄養バランスが偏ることを示したエビデンスです。
食品群では、歯数が減少するにつれて、牛乳・乳製品と、緑黄色野菜を含む野菜類など多くの食品群で摂取量が減る一方で、米や菓子類の摂取量が増えています。
この結果、カルシウム、カロテン、ビタミンCの摂取が少なくなり、逆に炭水化物の摂取が多くなっています。
歯科医師であっても、現在歯数が少ないことと食事や栄養の偏りには関係があることが示されているのです。

2018年9月 5日

hori (09:02)

カテゴリ:インプラントと全身の健康

ApoEε4遺伝子は、晩発性アルツハイマー病の有力な遺伝素因。

・教育歴や衣食住の生活環境がほぼ等しいと考えられる修道女を対象にした米国の研究もある。
ApoEε4遺伝子は、晩発性アルツハイマー病の有力な遺伝素因とされている。
75歳以上の修道女のうち、その ApoEε4遺伝子を有し、かつ残存歯数が9本以下の者は、認知症発症率が高いことを報告されている。
(咀嚼機能アップBOOK )
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晩発性アルツハイマー病が遺伝病であり、またその遺伝子が具体的にApoEε4遺伝子とまで解明されていることが分かりました。
また、ApoEε4遺伝子を有し、かつ残存歯数が9本以下の者は、認知症発症率が高いことも報告されています。

2018年6月 5日

hori (08:23)

カテゴリ:インプラントと全身の健康

プロトンポンプ阻害薬(PPI)は、インプラントの喪失率が高い。

・プロトンポンプ阻害薬(PPI)は、胃からの胃酸分泌を抑制することで、逆流性食道炎や胃潰瘍のような胃酸に関連した疾患の治療において、胃の酸性度が低下すると、小腸での効果的なカルシウムの取り込みが阻害されることが証明されており、インプラントの高い喪失率との関連性が示唆されている。
カルシウムバランスは骨組織の健康にとって不可欠であるため、カルシウムバランスの不均衡はオッセオインテグレーションにある程度の影響を与えると信じられていることは妥当かもしれない。
・インプラントの失敗率は、PPI使用患者で12%(250本中30本)、PPI非使用患者で4.5%(33.9本中148本)だった(P<0.001)。
・PPI使用患者間ではブラキサーと降圧薬・抗うつ薬・抗血栓薬服用患者が有意に多かった。
性別、インプラントの直径、インプラントの表面性状、インプラントの埋入位置、過去の喫煙歴、骨造成術式、抗菌薬の予防投与、ビスフォスフォネート製剤の服用、免疫抑制薬、ならびにインプラントブランドと種類はPPIの使用の有無にかかわらず同じだった。
・2008年ごろ、PPIを長期にわたり使用すると骨粗鬆症による骨折リスクが増大することが、欧米の大規模臨床研究で報告されてきた。
・PPI服用と骨粗鬆症による骨折リスクを報告した論文では、5年以上PPIを使用すると股関節部骨折リスクが62%増大し、7年以上では4倍以上になることが報告されている。
(参考文献)
Intake of proton pump Inhibitors is associated with an increased risk of dental implant failure. Chrcanovic BR, Kisch J, Albrektsson T, Wennerberg A ; Int J Oral Maxillofac Implants 2017 ; 32(5) : 1097-1102.
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逆流性食道炎や胃潰瘍の治療として、PPIが使用される場合があります。
PPIの使用者に対して、インプラントを行った場合に、非使用者と比較して、その喪失率は有意に高いことが明らかになりました。
また、PPI使用患者間ではブラキサーと降圧薬・抗うつ薬・抗血栓薬服用患者におけるインプラント喪失が有意に多いという結果も得られたようです。
インプラントの治療に関しては、幅広い知識が必要であり、今後も研鑽を続けなくてはならないと感じました。

2018年4月 1日

hori (09:33)

カテゴリ:インプラントと全身の健康

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