ダナハーが、ノーベルバイオケアを買収!

・ダナハーが、ノーベルバイオケアを買収
米国・ワシントンに本社がある産業・医療機器大手のダナハーは、スイスのインプラントメーカー、ノーベルバイオケアグループの買収が22億ドルで最終合意したと9月15日に発表した。
(アポロニア21 2014年 11月号)
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インプラント業界のリーディング・カンパニー、ノーベルバイオケアが、医療機器大手のダナハーに買収されました。
ノーベルバイオケアで販売されているインプラントは、タイユナイトという表面性状を有しているのですが、このタイユナイトが他の表面性状のものよりも、インプラント周囲炎を惹起しやすいことが、近年明らかになってきています。
また、ノーベルバイオケアのインプラントには、40度まで傾斜埋入が可能なマルチユニットアバットメントがあるため、既存骨にインプラントを傾斜埋入して上部構造を構築することができます。
(ちなみに、他社の多くは17度の角度付アバットメントで、ノーベルバイオケアはこれについての特許を持っています。
もっと言うと、特許の期限が切れたとも聞きます。
また、オールオンフォーという治療を行う場合は、このマルチユニットアバットメントがないと治療が行いにくいため、結果としてノーベルバイオケアの製品を使用することになります。)
そのため、骨造成を必ずしも必要としないということが"ウリ"だったわけですが、元々、垂直埋入よりも傾斜埋入の方が清掃性が難しく、さらに、表面性状がインプラント周囲炎を惹起しやすいというのでは、通常、傾斜埋入を行うオールオンフォーという術式には不安があると言わざるを得ません。
しかし、買収が決まったことで、今後、ノーベルバイオケアのインプラントは、いい方向で改善される可能性があると個人的には考えています。

2014年11月25日

hori (17:28)

カテゴリ:インプラントの偶発症

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