インプラントは予防歯科!

インプラントの上部構造のセットがありました。

今回の患者さまは上顎が総義歯、下顎は前歯のみ歯牙が残存しているというケースです。

このようなタイプの患者さまの場合、そもそもの歯の喪失原因にはブラキシズム(歯ぎしり・食いしばり)が、深く関わっているのではないかという仮説を私自身もっています。

すなわち、自分自身の咬合力で歯牙を壊していくタイプの患者さまが多いということです。

このようなタイプの患者さまに対して、歯牙欠損部位にインプラント治療を行うことには、私たち歯科医師はかなり慎重に治療を進めるべきだと考えております。

というのも、インプラントは歯根膜という組織がなく、直接歯槽骨に結合していますので、強く咬んだ時にふっと咬合力を弱める反射がありません。

そのため、天然歯よりも結果的に、より力強く咬めてしまうのです。(←良くないことです。)

歯牙を咬合力で壊して現在に至るような方に、そのような反射が存在しないようなインプラントを治療方針に入れるというのは、いかに危険なことかおわかりでしょうか。

ならば、なぜ堀歯科医院ではインプラント治療を積極的に行なっているのでしょうか?

仮にインプラント治療を行わない場合、残存している歯牙のうちでもっともよく咬める部位が、近い将来欠損することがほぼ確実に予測できるからです。

歯牙を守るために、インプラントが存在するということです。

これが『インプラント治療が歯牙欠損症に対する予防歯科である!』と私が提唱している所以でもあります。

インプラントと歯牙の両方が可究的に長期に亘って安定した状態となるように、メンテナンスを一生懸命に行なっていかなくてはならないと考えております。

2010年6月11日

hori (05:37)

カテゴリ:コラム

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