インプラントを含めた治療方針の立案

インプラントのシュミュレーションが終了したので、どこに何本のインプラントを埋入するかについて患者さまと相談しました。

この方は上下左右の臼歯部に歯牙欠損が認められ、すべての欠損部位にインプラントを埋入しようとすると、予算をだいぶオーバーしてしまうため、CT のデータをもとに、歯槽骨が各部位にどの程度あるのか、各部位の骨質はどの程度なのかについて大まかに説明し、最終的に何を目的にインプラント治療を行うか、考えていただくことにしました。

この症例の場合、大きく分けて、インプラント治療の目的は2通りあるかと思います。

一つはインプラント治療により義歯を小さくすること、もう一つはここにバネが欲しいというところにインプラントを埋入し、入れ歯をより安定させることです。

また別の観点では、骨造成をして理想的な部位へインプラントを埋入するのか、条件のよい部位へ骨造成なしでインプラント埋入するのかという選択もあります。

この方の場合、小臼歯付近は歯槽骨が比較的存在するのですが、歯槽骨が存在して欲しい最後方臼歯部付近には、必要とされる歯槽骨は存在しないという症例でした。

結果的には、この方の場合、GBRやサイナスリフトなどの骨造成をする場合には、それらの付加的な治療が必要がない場合よりも治療費がより多く必要となるために、条件の良い小臼歯部位にのみインプラントを埋入することで、現在使用している異物感の大きな義歯を積極的に小さくすることを最終的な目的とするという治療方針となりました。

やはり歯周病で自然脱落するぐらいまで患者さまサイドが放置したような歯牙や不適切な連結固定が行われていたような歯牙を抜歯しインプラント治療を行う場合には特に骨造成が必要となる症例が多くなるようです。

インプラント治療が歯科医師の治療オプションに含まれているかどうかでも抜歯・非抜歯をはじめとした治療方針は大きく異なることでしょう。

2009年2月18日

hori (01:17)

カテゴリ:治療例

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