長期に安定したインプラントを目指して : その3

インプラント相談の方が来院されました。

上顎中切歯が真っ二つに割れてしまい、保存しようにも保存できない状態でした。 

この歯牙は、歯の神経に炎症が生じ、根の治療を施した経緯があったので、私も『破折の危険があるから、適当な時期に土台を入れて被せた方がいいですよ。』とお話していたのですが、ある日突然その歯牙が真っ二つに破折したために、慌てて堀歯科医院に来院されたそうなのです。

やはり歯列から飛び出た歯牙は他の歯牙よりも打撲する危険があるでしょうし、打撲すれば根の治療が必要になることもあることでしょう。

根の治療をしても、歯牙の位置が以前と変わらないわけですから、再度打撲すれば次は歯牙が破折しても全く不思議はありません。

最初から突出した歯牙を歯列内に排列するために、歯列矯正を行っていれば、こんなことにはならなかったのではないでしょうか。

また一般に歯列から突出した歯牙がある口腔内には、それとは対照的に歯列に入り込んでしまって機能できないでいる歯牙があるものです。

破折した歯牙を抜歯してインプラント治療を行うことももちろん可能ですが、その内部に入り込んだ歯牙がインプラント埋入を邪魔することも少なくないようにも思います。

破折した歯牙を抜歯してインプラントという治療方針は、最も安直な治療方針ですが、その歯牙を何故喪失することになったのかまで考えると、少なくとももっと良い治療方針はあるはずだと思います。

インプラント治療だけでは真の患者さまの満足は得られないことになるということでしょう。

長期の安定したインプラント治療には、結構な割合で歯列矯正治療が必要となるということが私の中で確信になりつつあります。

これから必要とされるのは、予防歯科としての歯列矯正なのだと考えております。

2009年2月18日

hori (00:25)

カテゴリ:治療例

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