インプラントケース : 44

今回のインプラントは、上顎右側臼歯部。


先に抜歯を行い、その後歯槽骨にインプラントを埋入していきます。

11.5ミリの長さを確保できることがCTによるシュミュレーションで事前に分かっていたので、今回はソケットリフト等の骨造成をしない予定で進めることとしました。


サイナスまでぎりぎりの長さのインプラントを埋入し、バイコルティカル(インプラントのネックと先の部分の両方を皮質骨に絡ませるテクニック)を狙いました。


 

医科用CTでは、骨密度がハウスフィールド値という数字で表記することが可能なので、こちらについても歯槽骨が事前にどの程度の硬さなのかを把握することが可能となります。


実際、少し埋入方向を修正しようとしたところ、先ほどまで得られていた初期固定が得ることができなくなっていたので、埋入位置を変えるか、ワンサイズ径の太いインプラントを使用するか考えました。


最初からベストな位置を埋入位置に選んでいたので、今回は太いインプラントを使用し、再度初期固定を得ることができました。

たまにしかインプラント治療を行なわない歯科医院では、予備のインプラントを用意せずにオペに臨んでいます。

むだな経費をかけたくないからです。

しかしながら、私のようにインプラントを数多く手がけている歯科医師が、事前にその部位の骨密度を数字で把握していても、時に埋入の際に初期固定を得ることが困難なケースというものは、やはり数の中にはどうしても出てきてしまいます。


そのようなときには、長さや径がワンサイズ大きいもの、小さいものを用意しておくことにより、より安全で予知性の高いインプラント治療を行なうことが可能となるのです。

2011年3月14日

hori (18:50)

カテゴリ:治療例

« インプラントケース : 43 | ホーム | 某有名インプラントロジストの症例を通して。 »

このページの先頭へ