インプラントケース : 38

今回のインプラントは下顎左側臼歯部。


他院ですでに抜歯を受けて、数か月経過した状態での来院でした。


問診を続けていくうちに、ブリッジの土台となっている歯牙が歯周病で保存不可能となったケースだということが分かりました。


歯周病で保存が厳しい歯牙でも、連結冠やブリッジでつながれていると、その発見がどうしても遅れてしまいます。


一度連結を外して一本、一本の歯牙の状態を確認すれば、ブリッジの土台すべてを喪失することにはならなかったのではないかと思います。

 

さて、今回のケースでは小臼歯以降の歯牙が欠損した状態だったので、4本のインプラント埋入となりました。

前方から3本のインプラントはほぼ通常通りの術式でオペは進行しましたが、一番後方の埋入予定部位は骨質・骨量ともに不良で、インプラントの先端だけ歯槽骨内に埋入しGBRを併用する方法と、若干前方に埋入することで、GBRが必要となる骨量を最小限で抑える方法の2つが治療方法として考えられましたが、実際は後者の方法を用いてのインプラント埋入オペとなりました。

 

(唾液で汚染されている部位でのインプラント埋入と同時のGBRの難易度は上昇すると感じているからです。)

 

インプラント間のネック部分の距離が3ミリは欲しいので、先端をやや前方に倒した傾斜埋入でオペを遂行しました。

初期固定がいずれも良好だったため、イミディエイト・ローディング(即時負荷)も行い、オペ当日にプロビジョナル(仮歯)まで入る状態で、1回目の治療は終了しました。


インプラントは得てして、もっともよく咬めるところに埋入しなくてはならないケースが多く、今回もその例外ではありませんでした。


プロビジョナルで咬合の確認をしている際にも、力強いタッピング・グラインディングが観察され、インプラントの長期安定のためには、術後もかなりしっかりと咬合のチェックをしていかなくてはならないケースであるという認識を強めました。


麻酔が切れたころに状態確認の電話連絡をしましたが、痛みも腫れもないというということで、10日後の抜糸時に来院してもらうこととなりました。

本数にもよりますが、歯がなかったところに1時間後には歯がある状態となる治療をイミディーエート・ローディングと言いますが、今回の治療結果に患者さまも感激を隠しきれないご様子でした。


 

2010年2月28日

hori (07:23)

カテゴリ:治療例

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