TCHとインプラント治療

・唾液は十分に分泌していても精神的ストレスやTCH(tooth contact habit : 歯牙接触癖)があると、分泌した唾液はすぐに嚥下されてしまいます。
結果として口腔内に貯留する唾液が少なく、義歯機能時の湿潤がうまく行われないために義歯に痛みを感じることになります。
・上下顎歯槽頂部が軽度の過角化傾向にあり白っぽく見えるのが分かります。
この所見は、TCHのある患者には良く認められるものです。
義歯の動揺によって褥瘡性潰瘍ができているわけではなく、義歯は低位置に正しく収まっているにもかかわらず、顎堤粘膜全体に不快感が発生します。
義歯を早く外したい感じ、あるいは義歯が重苦しい感じなどの訴えが頻繁に発生し、しばしば義歯の再製を強く希望します。
(総義歯治療失敗回避のためのポイント45 より)
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TCHがある方は、口腔内が乾燥状態であることが多いように思います。
このような患者さんに、インプラント治療を行った場合、持続的な咬合力にインプラントにかかるため、インプラントの破損に繋がる場合があります。
また、口腔内が乾燥状態ということは、付着したプラークが停滞しやすいので、インプラント周囲炎にもなりやすくなります。
さらに最近の研究では、『夜間のブラキシズムよりも、昼間のTCHによる筋活動の方が大きかった。』とするものもあります。
やはりTCHのある方は、まずはその存在を認識したうえで、インプラント治療を受けるべきであると考えています。

2015年3月25日

hori (16:30)

カテゴリ:インプラントについて

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