根分岐部病変の予後

・近年の研究で、Johanssonら(2013)は、3-4か月に一度のメンテナンスを受けた患者の場合、13-16年間で、根分岐部病変がない場合は15%、1度の場合は27%、2度の場合は40%、3度の場合は100%。
また、Salviら(2014)は、平均11.5年間のSPT期間において、根分岐部病変がない場合は9.4%、1度の場合は9.6%、2度で23.7%、3度で43.5%。
また歯根切断抜去を行ったうちの38.5%の歯が喪失したことを報告した。
これらのことから、治療のゴールとして、根分岐部病変に面した歯肉に明らかな炎症の兆候がない場合は、1度の状態でも長期的保存が可能であると考えられる。
したがって、問題となるのは、特に2度以上の根分岐部病変と考えるべきである。
根分岐部病変 より)
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文献による若干の数字の違いはありますが、メンテナンスを受けている方の根分岐部病変の予後に関するデータです。
当然のことながら、メンテンスを受けていない方は、根分岐病変の予後はこれらのデータ以上に不良となるということは言うまでもありません。
インプラント治療を希望される方の中で、大臼歯の根分岐病変を有する歯牙をお持ちの方は少なくありません。
また根分岐部病変を有する歯をお持ちの方は、力の要素が強い方が多い印象が個人的にはあります。
力の要素が強いだけに、入れ歯で咬めるレベル以上にしっかりと咬みたいという希望があるために、インプラント治療を希望されている場合もあることでしょう。

2016年3月 5日

hori (09:16)

カテゴリ:根分岐部病変

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