X線所見で正常でも、約26%には炎症が認められた。

根管充填された歯の根尖周囲の骨破壊がX線所見で確認できる場合は病理検査においても常に炎症の存在を確認でき、X線所見が正常な場合はその約74%が病理検査においても常に炎症の存在が認められなかったと報告している。
つまり、正常なX線所見が確認できる場合は、根尖部病変が治癒していると判断できるが、根尖性歯周炎治療後の治癒のX線診断で異常所見が見られないからといって、必ずしも炎症が存在しないことを示すものではない。
(参考文献)
Green TL, Walton RE, Taylor JK, Merrell P. Radiographic and histologic periapical findings of root canel treated teeth in cadaver. Oral Surg Oral Med Oral Patho Oral Radiol Endod. 1997 ; 83(6) : 707-711.
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歯科医師は、再度根管治療をするかどうかを判断するうえで、X線診査を行いますが、X線診断で異常所見がみられなくても、約26%には炎症が認められたというエビデンスです。
また他の文献で、『根先病巣は皮質骨に接していないとデンタルX線写真で見えない場合がある。』というエビデンスもあります。
治療の確実性が向上するように、臨床家は日々研鑽をつみたいものです。

2015年1月30日

hori (16:49)

カテゴリ:インプラントと歯内療法

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