根管治療後の垂直性歯根破折発生率および発生するまでの期間

・根管治療後の垂直性歯根破折発生率および発生するまでの期間:約7%、術後5年以内
垂直性歯根破折(VRF)に関連する要因(患者、症状、治療、時間)を調査するために行われた。
後ろ向きコホート研究、ポストを用いずに歯冠修復されVRFが疑われる既根管治療歯(294歯)を対象とし、外科的に歯肉を剥離してVRFを確定診断した。
患者の平均年齢は54.34(±12.69)歳でで、289歯でVRFが確認された。
女性患者、高齢患者(>40歳)の頻度が高く、根管治療後VRF診断までの期間は4.35(±1.96)年であった。
VRF歯にみられた特徴的所見を以下に示す。
(好発部位)下顎大臼歯34%、上顎小臼歯22.8%
(X線写真所見)暈状透過像48.7%、歯根膜腔拡大23.4%
(根管充填の質)過剰根管充填79.2%
(臨床所見)打診痛60%、圧痛62%、限局的な歯周ポケット81%、瘻孔腫脹67%
(参考文献)
PradeepKumar AR, et al. Diagnosis of vertical root fractures in restored endodontically treated teeth: A time-dependent retrospective cohort study. J Endod. 2016; 42 (8) : 1175-1180.
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根管治療後の垂直性歯根破折発生率および発生するまでの期間は、約7%、術後5年以内という結果が得られました。
私が関わった根管治療歯で、垂直性歯根破折はそれほどないので、個人的には一般的な根管治療歯の予後はあまりよくないのだなと感じました。

2019年7月10日

hori (09:04)

カテゴリ:インプラントと歯内療法

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