チョコレートでインプラント周囲炎予防?!

チョコレートは糖尿病を増悪させない?!
チョコレートは高エネルギー食品であり、GI値は91と高く、糖尿病にとって控えるべき食品とされてもおかしくない。
しかし、多くの動物実験や臨床実験では、チョコレートはインスリン感受性を改善させる報告が多くみられる。
Greenbergは、7802人の対象者を平均13.3年間追跡調査し、チョコレートの摂取量と糖尿病発症リスクとの関係を観察している。
1回28gのチョコレートを月に1回以下しかほとんど摂取していない群に比較して、月に1-4回摂取する人は13%、週に2-6回摂取する人は34%、毎日1回以上摂取する人は18%糖尿病発症リスクが低かったと報告している。
この結果、チョコレートは適度に摂取することが好ましく、1回約28gのチョコレートを週に2-6回ほどの頻度で摂取するのが、最も糖尿病発症予防に効果があるとしている。
糖質摂取後の血糖上昇時には血管内皮機能の低下、酸化マーカーの増加などがみられ、これらが食後化血糖に伴う動脈硬化の促進、糖尿病の発症リスク増大をもたらすと考えられる。
Grassiらは、OGTT時の血管反応などを、ダークチョコレート摂取時とホワイトチョコレート摂取時と比較して観察している。
ホワイトチョコレートに比較して、ダークチョコレート摂取時にはflow-mediated-dilatation, endothelin-1, 8-iso-PGF2αなどの改善が有意に認められた。
この研究から、ダークチョコレートに含まれるココアフラバノールが食後化血糖に伴う障害を抑制する作用があることが示されている。
膵β細胞を使った実験で、ココアフラバノールは酸化ストレスによる膵β細胞の障害を抑制することが観察されている。
これらの研究から、適度なダークチョコレートの摂取は、耐糖能障害の抑制に効果のあることが考えられる。
(日本抗加齢医学雑誌 2015 vol 11 No.1)
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歯周病と糖尿病には密接な関係があり、糖尿病が悪化すると歯周病も悪化するといわれています。
また、歯周病が悪化しやすい方は、インプラント周囲炎にもなりやすいと考えられます。
そのような意味でも、1回約28gのダークチョコレートを週に2-6回ほどの頻度で摂取すると、インプラント周囲炎予防にも効果的かもしれませんね。

2015年5月15日

hori (09:46)

カテゴリ:インプラントと糖尿病

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