下口唇枝の走行は大きく分けて二つある。

・オトガイ神経の分岐の中で下口唇枝は太い神経が1本で下唇に向かう場合と2本以上で様々な方向から下唇に向かう場合があり、神経損傷でその後の治癒過程に差が出るのはそのためであると思われる。

(日本歯科医師会雑誌 2012年12月号 )

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インプラント埋入手術の偶発症として、神経損傷があります。

その中でも、オトガイ神経の損傷は、下歯槽神経や舌神経の損傷と並び、大きな問題となります。

下口唇枝は、このオトガイ神経の末梢に位置します。

今回の報告で、下口唇枝の神経の走行が、太い神経が1本の場合と、2本以上で様々な方向から下唇に向かう場合があることがわかりました。

この二つのタイプにより、口唇の感覚は何かしらの違いがあるのでしょうか。

また、神経の走行の仕方によって、同じ神経損傷でも、治癒過程が異なるのはもっともな話といえることでしょう。

ある意味、興味深い分野です。

2017年12月 5日

hori (08:48)

カテゴリ:インプラントの偶発症

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