GBR併用のインプラント手術は、インプラント周囲炎のリスクが高まる。

・GBRによる骨欠損回復の成否がインプラント周囲炎の発症に大きく関与する。
インプラント周囲粘膜炎(62.5%)、インプラント周囲炎(37.5%)
1ミリ以上(平均3.6±1.5ミリ)の骨欠損にGBRを適応→BOP検出率が有意に高い。
・特に狭小な骨に対する埋入の場合、頬側のスレッド露出が生じやすくGBRの適応となりやすいが、失敗した場合、歯周炎と異なり、近遠心の骨が保たれていることから歯肉退縮することはまれで、仮性ポケットとなり、上部構造装着直後からインプラント周囲炎のリスクを抱える結果となる。
(参考文献)
Schwarz, et al: Impact of the outcome of GBR in dehisience-type defects on the long-term stability of peri-implant health : clinical observations at 4 years. Clin Oral Impl Res, 23(2) : 191-196,2011.
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今回の報告により、GBR併用のインプラント手術は、インプラント周囲炎のリスクが高まることが明らかになりました。
これは、GBRが失敗していても、歯槽骨とインプラントは骨結合するので、機能的にはひとまず咬める状態になるということになるわけです。
しかしながら、上部構造装着直後からBOP検出率が有意に高いわけですから、1ミリ以上の骨欠損、すなわちほぼすべてのGBR併用のインプラント手術では、GBRが上手くいっていないケースが多いということになります。
そうなると、十分に歯槽骨の上端を平坦にしたうえで、インプラント埋入を行うべきであり、使用するインプラントも径の細いものが適応になる場合が多いということになります。

2017年9月 1日

hori (09:00)

カテゴリ:インプラント周囲炎

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