2010年6月アーカイブ

インプラント治療の真の目的とは!

堀歯科医院でインプラント治療をされたHさんは、仮歯が入ったその日に生涯忘れることがない経験をしたそうです。

昨日までは入れ歯を使用していたこともあって、食事といえば家族とは別メニューが当たり前でした。

いつもの調子で食事の準備を行い、食事を始めた瞬間、『こんな食事はありえない!』と箸を置いたそうです。

何でも、それほど咬まなくても呑み込めるように、すべてを柔らかく粥状にしていたので、自分用の食事がドロドロで味も濃いものだったということに今日の今日まで全く気がつかなかったそうなのです!

これでは、人間ドッグで血液検査をしても、血糖値や血圧が高いと診断されても何も不思議はありません。

このことに気がつき、逆にインプラント治療を受けたことが、自分自身の健康にとって、いかに本質的なことだったのか理解したそうです。


また、少し期間が経って、数年ぶりに会う友人にあったところ、これまたびっくりすることを言われたそうです。

歯を治してから、見るからに健康になったと言われたそうなのです!

たまたま堀歯科医院にインプラント治療のメンテナンスに来られたこともあって、私とそのことについてお話しする機会があったのですが、私がその方とお会いした時にどのように感じたかというと、身体全体がすっきりした感じがありながらも、地に足がしっかりと付いた感じでした。

(簡単に表現すると、とにかくしなやかで健康そうに見えるということですね。)

インプラントが、どうということではなく、やはり人間はしっかりと咬めるようになると、繰り返して咀嚼したときに、食品の素材が本来持っている味を本当の意味で楽しむことが出来るのだと思います。

しっかりと咬めるという、本来当たり前のことが、生きていることの喜びとなり、そこにはほんのりと食品そのものが持つ旨みがあれば、必要以上の味付けは必要ないということなのでしょう。

私たち歯科医師がインプラント治療を行なうのは、患者さまが真の健康を獲得するためです。

真の健康を獲得するためにも、しっかりと咀嚼できるようになるのはもちろん、身体がより健康な方向へ一歩近づかなくては意味がないと考えております。

2010年6月17日

hori (11:23)

カテゴリ:コラム

インプラントとブラキシズム

先日、ブラキシズムのセミナーに参加してきました。

ブラキシズムとは、歯ぎしりやくいしばりなどの非機能的な口腔運動を差し、特にインプラント治療の長期安定を阻害する主要要因と考えられています。

ブラキシズムが疑われる場合、過大な咬合力がインプラントあるいはその周囲へかかることになり、最も弱い部分にその影響が現れます。

たとえば、インプラント上部の被せ物の破損、インプラントに土台を固定するネジの破損、インプラント周囲の歯槽骨の吸収などが挙げられ、時にその複数が発現することもあります。

このブラキシズムは患者さま自身の自覚がないことも多く、私たち歯科医師はそれを認識させるところ、理解させるところから始めなくてはなりません。

ある意味、インプラントの埋入オペ自体よりも、患者さまによっては、ブラキシズムの存在を知らしめる方が困難という場合もあります。

またブラキシズムの対処方法ですが、何かしらの方法でない状態にするという方法は、現在のところないと言われています。

ブラキシズムを減らす方法としては、ある薬物を使用する方法がありますが、その処方を歯科医師が行なうことができるものはないと聞きます。

では、ブラキシズムに対して、私たち歯科医師はどのように対処しているのか。

ブラキシズムについての個人的な意見としては、中枢が関与する運動であるがゆえに、末梢でどうにかできるものではありませんので、ブラキシズムが発現した時でもインプラントを破壊しないように、ナイトガードの使用を義務としています。

セラミックスの硬さよりも柔らかい素材を使用することで、そちらが減ることで、インプラントを守ることが出来るのです。

インプラントの長期安定にはメンテナンスが必須であることについては、度々コラムの中で紹介していますが、メンテナンスの内容の半分はこの過大な咬合力の集中を回避するための咬合調整なのです。

定期的な咬合調整なくして、インプラントの長期安定はありえないのです。

hori (11:22)

カテゴリ:コラム

歯医者に抜歯宣告を受けた方へ

『この歯は抜歯するしかない!』と歯医者に抜歯宣告を受けたあなたに朗報です!

抜歯と同時に即日に歯が入る方法があるのです。

その方法とは・・・・。

 


抜歯即時・即時負荷インプラントという方法です。

この方法は抜歯と同時にインプラントを埋入を行い、さらにその日のうちに仮歯まで入れるという方法です。

これまでインプラントの分野では、非常に長い期間をかけて治療を行ってきました。

すなわち、
1.抜歯を行ったらある一定期間治癒を待つ。(1か月から2カ月)

2.歯槽骨と歯肉が安定したところで、GBRといって歯槽骨を増やす手術を行い、場合によってはCTGやFGGなどの歯肉を増やす手術を行い治癒を待ちます。(ここまで半年から1年)

3.そしてやっとインプラントの埋入に入ります。

埋入手術が終わっても歯槽骨とくっつくまでに上顎であれば、半年の治癒期間を待ち、GBRを行った際には1年以上もの間、治癒期間を設けていたのが現状です。

しかしながら、材料や技術の進歩により、これらをほぼ同時にできるような時代が到来したのです。

前歯がなくなり、まともな社会生活を営むことが出来なることを恐れていた方も、心配無用です。

また口臭の原因となっていた歯を抜歯するわけですからその日から口臭の悩みからも解放される方もいるくらいです。

口臭治療にしてもインプラントにしても認定医制度がありますから、それぞれの認定医をもつ歯科医師に相談されると良いでしょう。

,

2010年6月11日

hori (05:38)

カテゴリ:コラム

インプラントは予防歯科!

インプラントの上部構造のセットがありました。

今回の患者さまは上顎が総義歯、下顎は前歯のみ歯牙が残存しているというケースです。

このようなタイプの患者さまの場合、そもそもの歯の喪失原因にはブラキシズム(歯ぎしり・食いしばり)が、深く関わっているのではないかという仮説を私自身もっています。

すなわち、自分自身の咬合力で歯牙を壊していくタイプの患者さまが多いということです。

このようなタイプの患者さまに対して、歯牙欠損部位にインプラント治療を行うことには、私たち歯科医師はかなり慎重に治療を進めるべきだと考えております。

というのも、インプラントは歯根膜という組織がなく、直接歯槽骨に結合していますので、強く咬んだ時にふっと咬合力を弱める反射がありません。

そのため、天然歯よりも結果的に、より力強く咬めてしまうのです。(←良くないことです。)

歯牙を咬合力で壊して現在に至るような方に、そのような反射が存在しないようなインプラントを治療方針に入れるというのは、いかに危険なことかおわかりでしょうか。

ならば、なぜ堀歯科医院ではインプラント治療を積極的に行なっているのでしょうか?

仮にインプラント治療を行わない場合、残存している歯牙のうちでもっともよく咬める部位が、近い将来欠損することがほぼ確実に予測できるからです。

歯牙を守るために、インプラントが存在するということです。

これが『インプラント治療が歯牙欠損症に対する予防歯科である!』と私が提唱している所以でもあります。

インプラントと歯牙の両方が可究的に長期に亘って安定した状態となるように、メンテナンスを一生懸命に行なっていかなくてはならないと考えております。

hori (05:37)

カテゴリ:コラム

歯槽骨再生療法とインプラント

歯牙が大きく動揺しているものに対して、再生療法を希望する患者さまが来院されました。

私の判断基準は、歯牙の動揺がどれほど大きいかということよりも、その歯牙の周囲にはどのくらい歯槽骨があるかということについてです。

ちなみに、歯周組織精密検査とレントゲン検査により、歯牙周囲の歯槽骨量を把握します。

歯槽骨再生療法を施術する前に、まずしなくてはならないことは、歯牙周囲の炎症を徹底的に除去することです。

完全にきれいな状態にしてからでないと、再生療法を施術しても全く効果がないからです。

またもう一つ重要なことがあります。

再生療法を行う歯牙に動揺があると歯槽骨は再生しないということです。

それをクリアするためには、前後に動揺のない歯牙と連結固定する必要があります。

"連結固定する"とは、被せがない歯牙であろうとなかろうと、歯牙をバリバリ削り、連結冠を被せて固定しながら、歯槽骨再生療法を行うことが必要であるということです。

今回の相談者の再生療法を希望する歯牙の前後は、被せのない完全なる天然歯だったので、それらを削ってまで、重度の歯周病の歯牙に再生療法を施術することは不適切であるということをお話ししました。

今回のケースでは、重度の歯周病に罹患した歯牙は抜歯し、インプラント治療を行う方が前後の歯牙には優しい治療方針であると判断しました。

この方は重度の歯周病に罹患しているにも関わらず、4年間も歯科医院を訪れることなく、今回痛みが強いことを理由にようやく来院されたのでした。

歯槽骨再生療法に関心を持たれるレベルの方でありながら、なぜもう少し早く堀歯科医院を来院されなかったのか、残念でなりません。

hori (05:35)

カテゴリ:コラム

このページの先頭へ