ヘビークレンチングではBコンタクトで占められる。

・ヘビークレンチングではライトクレンチングに比べてBコンタクトで占められることが判っている。
また、健常有歯顎者で咬合接触と咀嚼能率との関係を調べたところ、ライトクレンチングにおけるBコンタクトが咀嚼能率と有意な関係にあることを見出した。
インプラント症例においても、咬合接触はBコンタクトを主に与えるべきであり、Bコンタクトの咬合接触面積が咀嚼効率の向上のために重要であろう。
また平衡側の咬頭干渉を防止するために、Bコンタクトでの咬合接触は有利である。
更に、歯根膜の存在を考慮すると、ヘビークレンチングではインプラント上部構造が咬合接触し、ライトクレンチングでは非接触となるように調整されるのが望ましいと考えられる。
(日本口腔インプラント学会誌 vol.29 No.2 2016.6 )
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ライトクレンチングでは、比較した場合に筋肉位に近い場所でのクレンチングかと思います。
一方、ヘビークレンチングでは、顎偏位を伴いながら、最大接触面積で咬み合う位置でのクレンチングかと思います。
またその際に、Bコンタクトが接触する部位が増大するように、顎位を変化させるものと推測しています。
もしそうならば、パワーゾーンに位置する第二小臼歯や第一大臼歯では、最初から、Bコンタクトの咬合接触を与えるようにした方が良いかもしれません。
顎位の変化はない方が良いわけですから。
インプラント補綴はフィクスチャーよりも近遠心的・頬舌的にカンチレバーな形態となるので、インプラントの埋入位置によっては、Bコンタクトを与えたいけれど、破損を恐れて咬合接触させないというケースは出てくると思います。
そうなると、やはり、Bコンタクトを与えるために適切なインプラントの埋入位置という視点も大切になってくることでしょう。

2016年10月10日

hori (14:38)

カテゴリ:インプラントと過剰な力

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