2023年12月アーカイブ

CAD/CAM材料の曲げ強さと疲労に対する酸性溶液の影響

CAD/CAM材料の曲げ強さと疲労に対する酸性溶液の影響
(研究目的)
酸性溶液がCAD/CAM材料の表面粗さ、曲げ強さ、疲労に及ぼす影響を比較調査することを目的とした。
(研究内容)
4種類のCAD/CAM材料(高透過性ジルコニア(Ceramill Zolid HT+ : CZ))、二ケイ酸リチウムガラス(IPS e-max CAD : EC)、ポリマー含浸セラミックス(Vita Enamic : VE)、ナノハイブリットコンポジットレジン(Grandio Blocs : GB))を棒状試験片に加工し、異なるpHの溶液(胃酸:pH1.2、オレンジジュース : pH2.7、白ワイン: pH3.3、炭酸飲料: pH3.9、人口唾液: pH7)に37度、70rrpm震盪下で24時間浸漬した。浸漬後、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いた表面観察、接触式表面粗さを用いた表面粗さの測定を行った。
また、浸漬後試料に繰り返し過重負荷による疲労を与え、3点曲げ試験により疲労前後での曲げ強さを調査した。
(研究結果)
SEMによる表面観察より、すべてのCAD/CAM材料で酸性溶液浸漬後に表面性状の変化を認めた。
CAD/CAM材料の種類と酸性溶液は、表面粗さに有意に影響した。
曲げ強さはCZ>EC>GB>VEであり、すべての材料間で有意差を認めた。
酸性溶液浸漬と繰り返し過重負荷後に、すべてのCAD/CAM材料で曲げ強さの低下が認められ、特にCZとECで有意に低下した。
(結論)
酸性溶液はCAD/CAM材料の表面粗さに影響し、疲労は曲げ強さに影響した。
酸性溶液はガラスベースのCAD/CAM材料の表面粗さを大きく変化させた。
CZとECは高い曲げ強さを示したものの、疲労耐性はGBとVEが高いことが明らかになった。
(参考文献)
Effect of accic media on flexural strength and fatigue of CAD/CAM dental materials. Elraggal A, R Afifi R, Alamoush RA, Raheem IA, Watts DC. Dent Master,39 : 57-69,2023.

歯間清掃習慣や歯数の維持で、2型糖尿病患者の血糖変動が良好に。

糖尿病と歯周病は密接に関係し、2型糖尿病患者に歯周病治療を行うと血糖コントロールが改善されることが明らかになっている。
サンスターらは、通院中の2型糖尿病患者を対象に、口腔衛生指標と連続した24時間の血糖変動などの血糖管理指標調査し、その関係性を分析。
その結果、歯間清掃習慣や歯数の維持が、HbA1cや空腹時血糖値といった検査値だけでなく、24時間の血糖変動の質の良さを示すTime in Rangeとも関係することが明らかになった。
Time in Rangeは、持続血糖値で測定した血糖が目標域に入った時間の割合を計算した値で、合併症の発症・進展や死亡率に関するとの報告が増えていることから、血糖変動の質を示す指標として注目が集まっている。
(Dentalism No.60 )
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歯間清掃習慣や歯数の維持で、2型糖尿病患者の血糖変動が良好になることが明らかになりました。

2023年12月 1日

hori (08:54)

カテゴリ:インプラントと糖尿病

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