2006年4月アーカイブ

インプラントの治療期間

インプラントの治療期間は、その症例によって異なりますが、一般には下顎は2から3カ月、上顎は4から6か月程度と考えていただくと良いかもしれません。

ただGBR、ソケットリフト、サイナスリフトなどの増骨処置を併用するケース、あるいは1本埋入のシングルでのショートインプラントでは、治療期間は比較的長めになると考えていた方がいいでしょう。

治療期間を左右する因子には、インプラントの長さ、径、初期埋入トルクがあります。

長さが長く、径も太いインプラントを使用し、埋入する部位の歯槽骨の骨密度がある程度以上あれば、治癒期間を短縮できるうえ、即時荷重(埋入と同時に負荷をかけていく手法)も可能となります。

(その代表格がオールオンフォーということになります。)

私が治療させていただいたケースでは、10カ月の免荷期間を設けた方がありました。

(最終的な被せが入るまで1年近く経過したというケースです。)

このケースは歯槽骨の厚味のない上顎臼歯部の抜歯即時インプラントでした。

抜歯したところ、上顎洞とすでに交通しており(歯槽骨が全く存在せず)、いわゆる穿孔した状態でした。

またその交通した部位の周囲は歯槽骨の厚さが1から2ミリ程度という状態でした。

最終的な歯牙の形態から外れないことに留意しながら、穿孔している部位から可能な限り距離を置いて、その部位にソケットリフト行ないます。

(ソケットリフトとは、インプラントを埋入する際に、上顎洞側に歯槽骨を増大させる手法で、比較的容易に歯槽骨を増大させることが可能である上に、痛みや腫れがほとんどないという優れた方法です。)

上顎洞内に増骨する量が多く、患者さま自身の歯槽骨が少ない場合には、治癒期間を長めに設ける必要があります。

以前は、歯槽骨とインプラントがどの程度結合しているかを把握する検査機器がなかったので、無駄に期間を長めにとっていたのですが、最近ではインプラントに振動を与え、その振動の程度で結合の程度を把握する機器があります。

当院ではこの機器の導入に伴い、しっかり結合しているインプラントについては、早期に次のステップに移行することが可能となりました。

 

 

2006年4月18日

hori (15:52)

カテゴリ:治療期間

インプラントと骨造成

他の歯医者さんから転院されてきた患者さまがいました。


その方は下顎にインプラントが埋入されており、20年以上経過しているとのことでした。


そこの歯医者さんでは、上顎にはインプラントは行わないという説明を受けたそうですが、 今は特に上顎だからインプラントができないということはありません。


(おそらくその当時の話だと思うのですが。。)

上顎よりも下顎の方が骨質が良好なことが多いために、下顎のインプラントの方が安心感があるという意味だと思います。


少々条件が悪くても、上顎でも下顎でも、骨造成をすることで、インプラントの予知性は大分高めることができる時代となりました。


患者さまにとっては、よき時代になってきたといえるでしょう。

 

2006年4月11日

hori (18:25)

カテゴリ:コラム

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