2025年4月アーカイブ

歯の喪失による認知症リスク

東京科学大の研究グループによると、全国の65歳以上の高齢者に実施した12年間の追跡調査から、2万1306人のデータを活用。
所得が低いほど認知症リスクが高く、歯の喪失がその一因となることを確認した。
分析では、所得が200万円未満の人は200万円以上の人に比べて認知症リスクが1.17倍高かった。
そして、所得と認知症リスクの関係のうち6.6%は歯の喪失が要因としてかかわっていると判明した。
(参考文献)Jounal of Dentistry 12/13
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歯の喪失による認知症リスクは、あるかないかといえばあるけれど、その割合はそれほど高くないことが分かりました。

ラテラルアプローチは1.痛み2.腫れ3.あざがいずれも3倍。

・2017年に報告された論文で、クレスタルアプローチとラテラルアプローチの合併症の比較が行われた。
その結果、クレスタルアプローチに比べてラテラルアプローチは1.痛み2.腫れ3.あざがいずれも3倍であった。
このことから、患者の侵襲やストレスを軽減するためにクレスタルアプローチを選択することを考慮するべきである。
(参考文献)
Al-Almaie S, Kavarodi AM, Alorf A, et al.: A splint-mouth design compariso for lateral and crestal sinus lift techniques with dental implants placements: Short communication. Open Dent J 11: 603-608,2017.
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患者さんサイドの苦痛が3倍なのであれば、直視できないという欠点はありますが、クレスタルアプローチを選択するべきでしょうね。

2025年4月 5日

hori (08:22)

カテゴリ:上顎臼歯部のインプラント

上顎洞内へのインプラント治療

・骨補填材を使用しないで上顎洞へアプローチした場合のインプラントの平均生存率は96-97%、骨造成のために骨補填材を使用して上顎洞へアプローチした場合の平均生存率は94-99.6%であり、骨補填材を使用する場合と使用しない場合を比較した場合、インプラントの生存率に有意差はないという報告もある。
また、上顎洞へアプローチする際に骨造成処置を行わないことがインプラントの生存に対するリスク要因ではないともいわれている。
(参考文献)
Rammelsberg P, Kilian S, Busch C, Kappel S.: The effect of transcrestal sinus-floor elevation without graft on the long-term prognosis of maxillary implants. J Clin Periodontol. 47(5): 640-648,2020.
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上顎洞内粘膜が剥離されて、穿孔・感染がなく、インプラントフィクスチャーでテンティングされた状態の際、フィクスチャーの直近には骨が存在している可能性があります。
同部位が骨補填材で満たされているとそれを目にした人が何となく安心であるくらいの意味しかないのかもしれません。

2025年4月 1日

hori (08:05)

カテゴリ:上顎臼歯部のインプラント

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