入れ歯の悩みの最近のブログ記事

義歯が痛くて使えていない方は、外側翼突筋は萎縮しているかもしれない。

・外側翼突筋は義歯を装着している場合、垂直的な咬合を行うことが多く、顎を左右に引き出すなどの複雑な動作に慣れていない。
上下に固定性の即時荷重インプラントの上部構造が装着されている場合、硬い食物を摂取するとき、顎は左右に動作することが多くなる。
このとき、顎関節だけでなく、頬骨周辺にも関連痛が広がることがある。
顎二腹筋は喉の部分、下顎の切歯部分などの痛みが出ることがある。
咬筋、側頭筋の筋力の筋力がつくと痛みは軽減することが多い。
ファイナルレストレーション装着後の口腔周囲筋ケア vol.2 )
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『入れ歯が痛くてつらい。』という主訴で、インプラント治療を希望される方の咀嚼様式は、チョッピングタイプ(垂直咬合)からグラインドタイプ(左右に広がる複雑な咬合)に変化するものと考えられます。
咬めない状態が長期間続くと、咀嚼筋や表情筋が萎縮するので、急にインプラントで咬めるようになると、筋肉痛のような痛みを生じる場合があります。
当然のことながら、筋肉が正常に発達するようになれば、そのような痛みは消失することが多いわけです。

2016年5月30日

hori (16:07)

カテゴリ:入れ歯の悩み

インプラントで誤嚥性肺炎を減らせるか。

・また誤嚥性肺炎も重要です。
75歳以上の老人ホームで、直接死因の1位になっています。
85歳以上となると、一般の人をすべて入れても誤嚥性肺炎が1位です。
8020運動を達成された方は誤嚥することが非常に少ないのです。
というのも舌骨を固定して前上方に持ち上げるには、咬むことが必要なのです。
つまり、咬める歯がないと非常に飲み込みづらい。
総入れ歯を装着している人と、同じく歯がなくて総入れ歯を入れていない人の比較では、総入れ歯を入れているだけでも、3倍誤嚥性肺炎を防げるということが分かっています。
固定式のインプラントであれば、もっと有効になるであろうと思われます。
そういう具体的な健康面以外にも、口元に自信を持つと、女性だと化粧まで変わるくらい、皆さん自信を持つわけです。
つまり、現在、歯がない者にとっては、"咬める"、"健康"、"美容"の3つが兼ね備えられる方法では、インプラントが一番の近道ではないかと思います。
義歯でも確かに咬むことはできるようになりますが、口輪筋の閉鎖がないと、総義歯は維持できないので、普通のスマイルラインは獲得できません。
つまり総義歯では、ストレスなく笑うことができないのです。
ストレスを感じずに笑うだけで、脳の中から、いわゆる快楽物質というのが出ますよね。
あれがいわゆるがん予防などになると言われていますが、動かない、取れないインプラントによってストレスなく笑えることは、健康にもつながるのです。
Quint DENTAL AD chronicle 2016 より)
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総入れ歯を装着している人と、同じく歯がなくて総入れ歯を入れていない人の比較では、総入れ歯を入れているだけでも、3倍誤嚥性肺炎を防げることからも、全く歯がない人がインプラント義歯を装着するようになると、総義歯以上に誤嚥性肺炎は減少するかもしれません。
また、総義歯をうまく使いこなせる人の特徴は、どちらかというと無表情な方が多いように感じます。
これはすなわち、口輪筋の閉鎖が十分にあり、義歯内面に空気を入れないような口腔環境を自然と体得できている方ともいえます。
よくあるケースが、上顎の義歯安定剤を使用されている方には、以下に述べるような特徴があるように感じています。
・下顎前歯が残存している。
・臼歯部の歯肉が薄い。
・咬合力が強い。
・笑顔がステキ。(普通のスマイルラインが獲得されている。)
このようなタイプの方は、インプラント治療をされると満足度が高いと思います。

2016年4月25日

hori (16:20)

カテゴリ:入れ歯の悩み

ピタッと合うのはレジン床?金属床?

部分入れ歯を作るときに、患者さんがまず迷うのが「保険の部分入れ歯にするか」「それとも自費にするか」だと思います。

(中略)

金属床の場合、クラスプから連結部、床までを、同一素材で1ピースのメタルフレームとして一体成型することができます。

あとからクラスプを付けたり右側と左側の入れ歯を連結させたりする必要がなく、設計通りの精巧な入れ歯が出来上がりやすいのです。

レジン床の場合は、クラスプはクラスプ、連結部歯連結部で別々に作って起き、それを後で組み立てるので、微妙な誤差が出がちです。

出来上がってすぐにはピタッとこないことが普通で調整を重ねながら仕上げていくことになります。

(どんなのがある? どう選ぶ? 部分入れ歯を知りたい! より)

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この本にも記載されているように、自由診療の金属床の方がクラスプから連結部、床までを同一素材で1ピースでメタルフレームとして一体成型できるので、保険診療のレジン床よりも精巧な入れ歯が出来上がりやすいといえます。

保険診療のレジン床(プラスティック製)は、かなりの誤差があるものと技工士さんも認識しているので、比較的緩めの設計にしているケースが多いように感じます。

レジン床は、様々なパーツがそれぞれ緩めであるがゆえに、また咬んだ時に金属床よりたわむ量が多いがゆえに、バネをかけた歯を揺さぶる結果となります。

すなわち、入れ歯を使用する時点で、歯を失うリスクが高まり、それと同時に使用する入れ歯の大きさが徐々に大きくなるということになります。

こうして考えると、自由診療の金属床は保険のレジン床よりはいいけれど、やはりバネをかけた歯をいずれ失う可能性が高いということになります。

そのような意味でも、インプラントの方が金属床よりも優先順位が高い場合は多いわけです。

2015年8月10日

hori (08:53)

カテゴリ:入れ歯の悩み

「フレキシブルデンチャー」は、あまり推奨される症例はない。

・いわゆる「フレキシブルデンチャー」は、以下のような特別な場合を除いては、原則推奨されない。
1.暫間義歯
適応は中間欠損が原則である。
遊離端欠損では、直接支台装置と顎堤が過重負担になるため、頻回のメンテナンスが必要である。
2.金属アレルギー
3.前歯部の少数歯欠損
あくまでも直接的な咬合力がかかりにくく、義歯床の沈下が少ないことが予想される場合であり、欠損部の人工歯でガイドされないことが大切である。
4.義歯に機能力の負担がかからない症例
咬合支持が確保されている少数歯欠損症例で、義歯に機能力負担がかからないと想定される場合は、金属を使用しないノンメタルクラスプデンチャーも可能な場合がある。
5.審美性を優先せざるを得ない症例
6.歯の切削(前処置)に同意が得られない症例
(ノンメタルクラスプデンチャー )
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現在多くのフレキシブルデンチャーを患者さんが使用されていることと思いますが、この本にもあるように、推奨される症例はそれほど多くはないということが分かります。
(そもそも十分ブリッジができる状態がフレキシブルデンチャーの適応症といっても過言ではないかもしれませんが、そのような欠損形態でフレキシブルデンチャーを希望された方は、少なくても当院ではそれほど多くはありません。)
インプラントよりは費用的に安価であること、手術を希望されない場合があることなどの理由により、患者さんはフレキシブルデンチャーを選ばれるのでしょう。
けれども、フレキシブルデンチャーは咀嚼の度にどうしてもたわむので、残っている歯を揺さぶり、歯の寿命を短くする結果となるのです。
そうなると、適切に金属を使用してたわみの少ない義歯の設計を考えていく必要があります。
しかしながら、そのような設計をすると、治療費が高額となるので、金属床ベースのノンクラスプデンチャーは歯科医師にも患者さんにもあまり選ばれなくなっている現実があるように感じます。
個人的には、インプラント>金属床ベースのノンクラスプデンチャー>保険診療>フレキシブルデンチャーという順位でしょうか。

2015年7月25日

hori (11:19)

カテゴリ:入れ歯の悩み

60%もの義歯が装着後5年で使用されなくなる。

1970年代前後に、東京医科歯科大学歯学部部分床義歯補綴学分野で、5年間、2000症例程度のクラスプ義歯装着患者への大規模な経過観察・予後調査が行われた。

この調査から、『60%もの義歯が装着後5年で使用されなくなる』ことが明らかになった。
これを解析すると、使用中止に至る原因として以下の3大要因があることが示された。
1.義歯部(有床部・支台装置)の不適合 (24.4%)
2.齲蝕・歯周病による支台歯の喪失 (22.5%)
3.義歯の破損 (29.3%)
・義歯不使用の3大要因を招いていた主な原因
原因1:義歯設計の概念として、当時は「緩圧性」の義歯の動揺を許容する設計の在り方が"良し"とされていた。
原因2:プラークコントロールという概念が歯科補綴領域で希薄であった。
原因3:使用材料とその複合化(金属構造とレジン構造の最適使用)が十分でなかった。
・パーシャルデンチャー治療における設計の3原則
原則1:「義歯の動揺」の最小化→動かない
原則2:予防歯科学的な配慮→汚さない
原則3:破損への対応→壊れない
(パーシャルデンチャー成功のための設計3原則 より)
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1970年代のデータとはいえ、『60%もの義歯が装着後5年で使用されなくなる。』というのは、歯科医師としてはショッキングな内容です。
保険診療で多用されるものに、レジン床義歯、クラスプがあります。
レジン床義歯は咬合力が伝わった際にたわむので、歯牙を揺さぶりやすく、それゆえ寿命を短くします。
また、クラスプ(レジン床義歯を動かないように止める金属の金具)、特に二腕鉤タイプのものは、歯牙を欠損方向に倒す力がかかるので、設計を良く考えないと、同じく歯牙寿命を短くします。
歯牙に対して優しい設計にするには、全体がたわみが少なく、歯牙が傾斜する力がかからない維持装置が必要となります。
また、さらに追加するなら、異物感が少なく、清掃性の優れた義歯設計が重要であることは言うまでもありません。
こうして考えると、歯牙に優しい義歯はレジン床義歯ではなく、金属床義歯の方が良いようにも思いますが、この本の中に次のような記載があり、同じく個人的には愕然としました。
(義歯の不使用率に関してはレジン床義歯と金属床義歯の差異も示され、約10%程度金属床義歯の方が良い成績であった。)
自由診療である金属床義歯でも、たった10%しか義歯の使用率が上がらないことが分かったからです。
メンテナンスが定着した現代ではもう少し数字が改善されるとは思いますが、"使用率"(10年間で95%前後)という側面で考えても、義歯よりインプラントに軍配が上がると言えそうです。

2015年5月10日

hori (17:27)

カテゴリ:入れ歯の悩み

部分入れ歯の支台歯は、非支台歯と比べ、状態が悪化する。

・Zlantaricらの研究では、205例の長期経過報告症例から、部分入れ歯(パーシャルデンチャー)と支台歯(バネがかかる歯)の歯肉縁、歯周炎、ならびに動揺度との関係について検討したものである。
患者は男性80名、女性125名であり、上顎123症例、下顎138症例のパーシャルデンチャーを1年から10年の期間使用していた。
この中で行われた調査は、各患者の支台歯と非支台歯について、プラーク指数、歯肉炎指数、歯石指数、義歯の汚れの程度を示すTarbet指数、ポケットの深さ、歯肉の退縮の程度、動揺度を記録している。
その結果として、プラーク指数、歯肉炎指数、歯石指数、ポケットの深さ、歯肉の退縮の程度、動揺度に関して支台歯、非支台歯
の間に有意差が認められ、支台歯で悪化する傾向が明らかになった(P<0.01)。
これらのことから、パーシャルデンチャーの設計は支台歯に対して影響を有しており、歯頸部歯肉を義歯床で被覆することは影響が大きいため、これを最小限にとどめる様な概形とすること、ならびに可能な限り歯根膜負担とする設計と口腔清掃によって、歯周組織への為害作用を減ずることができるとしている。
(参考文献)
Zlataric DK, Celebic A, Valentic-Peruzovic M. The effect of removable partial dentures on periodontal heath of abutment and nonabutment teeth. J Periodontol 2002 ; 73(2) : 137-144.
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部分入れ歯を使用すると、バネがかかる歯(支台歯)は、バネがかかっていない歯(非支台歯)よりも歯肉炎や歯周炎が悪化したり、歯肉退縮や動揺度の増加も生じやすいとのエビデンスです。
部分入れ歯は、残存歯の犠牲のもとに成り立っている治療法ですので、やはり歯肉に炎症が波及したり、歯が動くようになるのは、ある程度はやむを得ないものと考えられます。
同じように部分入れ歯であっても、自由診療のコーヌスデンチャーは、保険診療内の部分入れ歯より残存歯の予後が安定しているといわれています。
保険の部分入れ歯であるクラスプデンチャーと比較して、歯冠歯根比を改善することが可能となるからです。
しかしながら、このコーヌスデンチャーという入れ歯にも欠点があります。
それは、健全な歯牙であっても、平行性を整えるために大きく歯牙を削合することが必要となります。
(また、日本人でこのコーヌスデンチャーを計画すると、その多くはすべて歯の神経を除去する結果となります。
これはおそらく欧米人に比較して、日本人の歯列不正の程度が大きく、エナメル質の厚みが薄いことが関係しているものと考えられます。)
そのため、現在では、コーヌスデンチャーは特殊な治療の一つになり、インプラントの方が一般的な治療となっています。

2015年2月10日

hori (10:56)

カテゴリ:入れ歯の悩み

上顎シングルデンチャーは、インプラント希望者が多い。

上顎に多数歯が残存している場合、咬合力が強く、下顎顎堤の痛みがなかなか治まらないときがある。
下顎シングルデンチャーにおける痛みの原因は、強い咬合力と健康有歯顎者と同様のチューイングサイクルで食事をすることにある。
上顎欠損のシングルデンチャーケースの咀嚼サイクルは、いわゆるチョッパータイプ、上下タイプの下顎運動に対して、下顎全歯欠損では横からチューイングストロークが入る涙滴状の運動経路を取るといわれている。
これらの理由から、下顎シングルデンチャーのケースでは、咀嚼中の義歯に加わる側方運動力が大きく、義歯が左右に揺すられ、特に顎堤吸収が進んだケースでは、義歯の痛みが出やすい。
(阿部次郎の総義歯難症例 誰もが知りたい臨床の真実 より)
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この本には、このように書かれていますが・・・。
下顎には歯が10本近くあるのに、上顎は総義歯という方がいます。
そのような方は、咀嚼サイクルがグラインドタイプであるため、義歯が側方に揺さぶられやすい状態となっているのでは?と思います。
そのため、義歯の動揺で、顎堤粘膜に痛みが発生することも少なくありません。
また、そもそもご自分の歯を失った原因も、このグラインドタイプの咀嚼サイクルが関与している可能性が高く、歯を折ってくるタイプの患者さんです。
ちなみに、上顎シングルデンチャーの方は、その反対の下顎シングルデンチャーの7-8倍多いといわれています。
もちろん、同じくインプラント治療を行う場合でも、下顎シングルデンチャーの患者さんの方が、インプラントのトラブルは少ないと考えられます。
でも、インプラントの希望がある方の多くは、上顎シングルデンチャーのタイプの患者さんの方が多いのです。
興味深いところです。

2014年4月25日

hori (07:40)

カテゴリ:入れ歯の悩み

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