"バカボンのパパ現象"とは?!
あなたの口元にも、"バカボンのパパ現象"が現れていませんか?
私が堀歯科医院の診療室で、例えで使用している言葉があります。
それは、"バカボンのパパ現象"です。
最近の若物では、バカボン自体知らないという方も少なくないと思いますが、この"バカボンのパパ現象"が現れている方は、どちらかというと年配の方、60歳以上の方に認められる現象です。
ところで、この"バカボンのパパ現象"とは、どのような状態を言うのでしょうか。
「天才バカボン」とぐぐって、バカボンのパパの口元を良く見てください。
前歯が口から飛び出るかのように前方に傾くだけでなく、隣の歯牙がなくなっていますよね。
これは奥歯で咬むべきところがなくなってしまい、咬みあわせの中心が前方に移動してしまったことを意味します。
すなわち、垂直的に咬合力を受け止める奥歯がないために、咬合力が前歯にかかり、その結果、歯が抜けてしまったり、前方に傾いてしまっているということです。
ブログやコラムの中では、常々言っていることですが、『奥歯のない方の前歯は長くもつことはない。前歯のない方の奥歯は長くもつことはない。』という原則はやはり存在しているということになります。
この原則を無視し続けた結果、生じるのがこの"バカボンのパパ現象"ということになります。
そして、第一歩が大臼歯の治療の放棄にあるのです。
大臼歯に1本のインプラント治療をうけることにより、将来の"バカボンのパパ現象"を防止することにもなるのです。
ついでですが、バカボンの歌で「これでいいのだ?♪。これでいいのだ♪?。」というフレーズがありましたが、少なくともお口の状態は、これで良いはずがないということになります。
インプラントオーバーデンチャーの現在
総義歯治療は、1世紀に以上にもわたって有効且つ有用な補徹物として利用されてきた。
しかし、咬合力のすべてが顎堤に分散されることになり、顎堤吸収という代償を支払うことも懸念されていた。
近年インプラントオーバーデンチャーを装着すると、咀嚼力が回復し、顎堤吸収は抑制されるとする報告が多く見られるようになった。
これらのコンセンサスは、カナダのマギル(2002;MacGill)、イギリスの(2009;York)で採択され、下顎無歯顎症例に対する補徹処置は、下顎2本のインプラントオーバーデンチャーが第一選択であると考えられるようになってきている。
下顎twoインプラントオーバーデンチャーは、咬合力を顎骨骨で負担し、インプラント自体は、義歯の離脱を防ぐ維持力としての働きをする補徹物であり、その成功は96%と好成績である。
(下顎吸着義歯とBPSパーフェクトマニュアル より)
入れ歯を拒否し続けた65歳女性の話 その2
前回のコラムで、毎日の食事をつくるお母さんが歯の治療を疎かにすることによる意外な影響についてお話しました。
軟食を続けていると、族全員が高血圧、糖尿病、肥満をはじめとした生活習慣病になるというのがその要旨です。
(現に、この方のご主人は、すでに高血圧、糖尿病を患っており、ご家族全員が肥満という状態でした。)
この中の糖尿病は実は歯周病と密接な関係があります。
糖尿病が悪くなると、歯科で一生懸命に歯周病の治療を行っても、その効果はなかなかでません。
現実的には歯を失ったところにはインプラント治療を受けてしっかり咬めるようになるのが一番です。
ですが、まずは入れ歯を口に入れておくことから始めてみてはいかがでしょうか。
そして、それができるようになったならば、次は入れ歯を使いこなすようになることが目標となるわけです。
(義足を使いこなすためには、まずはそれをつけておくこと自体に慣れた後に、歩く練習をするのと似ています。
ちなみに、義足と義歯を比較した場合に、母集団の数に違いがあるからかもしれませんが、義歯の場合は、ある一定数の患者様が、入れ歯を製作した瞬間に使いこなせるものだと勘違いしています。)
このようなタイプの方に特徴的なのは、歯の欠損の数が少ない時期に、すでに入れ歯を使用することを拒否し、それから数十年の年月が経過している点にあります。
70歳近い年齢になって、突然大きな入れ歯を入れることに拒否反応を示す方は意外と少なくありません。
昔にタイムスリップすることができるのならば、まずは『小さい入れ歯を億劫がらずにお口に入れておくべきだった・・・。』ということになります。
入れ歯を拒否し続けた65歳女性の話
先日、こんな方が来院されました。
朝起きると歯周病で歯が1本、また1本と自然に抜けている状態にも関わらず、10年近く歯医者から遠ざかっていたものの、今回の歯の痛みは限界を超えるレベルだったということで、仕方なく来院したとのことでした。
その方のご主人は比較的熱心に堀歯科医院に通院されてはメンテナンスを受けられていたのですが、熱心に歯磨きをしている割には、クラウン・ブリッジの下からカリエスが進行する傾向がありました。
そんなある日、その方のご夫人が、歯に痛みがあるとのことで、連絡をいただいたのが、先にお話した65歳の女性だったわけです。
その女性のお口を拝見すると、義歯のクラスプで抑えている歯で、より咬みやすい歯から順番に抜け落ちて現在に至ることが分かりました。
また現在痛んでいる歯はピンセットで引っ張っても抜けるのではないかというくらい"ぷらぷら"の状態でした。
歯肉は真っ赤にただれ、歯肉溝からは、排膿が続いていました。
これでは、食事がままならないだけでなく、排膿によるお口の不快感が24時間、365日続いたはずです。
ただ、それらの問題はそのご婦人個人の問題に過ぎませんが、本当の問題はそんなことではありません。
もっとも重大な問題は、ご婦人の歯周病による咀嚼障害が、家族の健康に悪影響を与えるということなのです!
詳しく説明すると、毎日食事の準備をする方の歯の状態が悪いと、自然と自分が無理なく食べることができるものを用意するようになります。
それはすなわち、毎日の食事は、『咬まなくても味がしっかりあって旨みを感じるものであり、舌と上顎で潰して食べることができるもの』に自然と推移しているはずです。
そうなると、塩分・糖分・脂肪をふんだんに使用した軟食になりますから、満腹中枢が働く前に、食べ過ぎてしまうことになるので、お子さんからご主人、おじいちゃん・おばあちゃんまで、家族全員が肥満、高血圧、糖尿病といった病気を抱えた状態となります。
また、ご主人が歯磨きを頑張っている割には、クラウン・ブリッジの下の歯根部分が虫歯になりやすいのもこの軟食傾向が原因の一つと考えられます。
柔らかい食品は歯に残りやすいので、虫歯になりやすいのです。
そういう意味では、毎日の食事を作るお母さんのお口の状態が悪いだけで、家族の将来は暗いものとなると考えれば、これほど恐ろしいものはないと言えるかと思います。
家族をメタボリックシンドロームから守るためにも、お母さんは一刻も早く咀嚼障害を克服しなくてはなりませんし、歯医者嫌いも当然のことながら克服しなくてはならないです。
このような方のインプラントはお断り!
左右の両側臼歯にインプラント治療を行う方で、片側ずつ治療を希望される方が少なくありません。
両側を同時に行うと、同時に左右の臼歯で噛める時期がくるので、噛み合わせの中心をコントロールしやすくなります。
しかしながら、片側ずつ治療を進める場合、顎位が先に治療を行った方にシフトするために、そのずれた位置で噛み合わせを構築することになります。
ということはすなわち、臼歯部のインプラントで顎位や咬み合わせを安定させ、前方の天然歯を守るということができなくなるのです。
さらに言えば、先にインプラント治療を行った側から、その後行った側に、噛み合わせは少しずつずれて行くので、左右的に安定しない噛み合わせになるということもできます。
噛み合わせが安定しない方では、インプラントもご自分の歯も咬合力のコントロールがうまくいかないので、またどこかの歯がダメになります。
歯とインプラントでは、歯槽骨に埋め込まれているインプラントの方が、大きな咬合力に耐えうるので、インプラントよりも先にご自分の歯がなくなるのです。
したがって、長期を見据えた治療計画に基づいていなければ、インプラント治療を受けたものの、以前と変わらず、ご自分の歯を定期的に失う結果となります。
堀歯科医院では、一度インプラント治療を受けた方が、再度他の部位でも治療を受けることがないようにすることを診療のポリシー、あるいは当院の存在意義と考えているので、両側に渡ってご自分の歯がないのに、片側だけインプラント治療を希望される方は、治療をお断りする場合があります。
私は、当院でインプラント治療を受けられた方は、可能な限り再治療がない状態を維持したいと考えています。
そのためには、咬み合わせを生涯に渡り、安定した状態を維持するということが必要なのです。
インプラントの仮歯の長期使用について
インプラントの仮歯を長期間に亘って使用している方が知っておいた方が良い知識があります。
それは、インプラントの仮歯はすり減る量が尋常ではないので、噛み合わせがあっという間に崩れるということです。
そもそもあなたが、自分の歯を失い、インプラント治療を受けているのも、少なからず、歯列不正に起因する噛み合わせ不良、過剰な咬合力が関与しています。
素人判断で、歯科医師が噛み合わせをコントロールしにくい状況をわざわざ作り出すべきではありません。
また、臼歯部であれば、両側の歯を喪失してから、インプラント外来に来られることが多いのですが、片側の治療を済ませてから、もう片方も治療を進めるケースがとても多いです。
しかし、その様な場合、片噛みの状態で被せの高さや形態を決定することになるので、高額なインプラント治療が長期に亘って安定した状態を維持することは困難です。
やはり、左右のインプラント治療を受けることで、噛み合わせが左右で安定した状態になります。
そこまで行ってはじめて、最終的な噛み合わせの位置を決定するべきです。
インプラント治療が長期間に安定し、その後インプラント治療を受けることがないようにすることは、患者さまと私たちの共通の願いなのです。
歯磨きが完璧でも歯がなくなる理由
親知らずが虫歯になっていないのに、その前の歯に大きなトラブルが出ている方が少なくありません。
普通に考えても、前歯よりも奥歯の方が歯磨きが難しいので、虫歯になりやすいような気がしませんか?
しかし実際には、必ずしも奥歯の方が虫歯が多いとは限りません。
堀歯科医院に来院される患者さまのお口の状態、咬み合わせを診査していると、その方の咬み合わせの中でもっとも咬める歯におけるトラブルが大きいことがわかります。
(前後の歯は無傷であるというのに、その歯だけが、神経を除去された状態で銀歯がかぶさっていたり、何度も差し歯が外れてきた経緯があって、その根の先には病気があったり、歯根が破折していたりする状況に、毎日のように遭遇します。)
虫歯の発生メカニズムが単純にそこに虫歯の原因菌が付着し、虫歯が進行する場合だけでなく、過剰な咬合力で歯に亀裂が入り、その溝に沿って虫歯が進行するケースが、ここ最近急激に増加してきているような気がしてなりません。
もし、そのような虫歯発生メカニズムの頻度が高いならば、まずは歯並びを整えて、特定の歯に咬合力が集中しないようにすること、さらに、可能ならば、過剰な咬合力がかからないようにすることが重要です。
そしてさらに加えるならば、歯列矯正治療を受ける際に、単に歯並びだけでなく咬合平面の傾きも考慮した歯列矯正を受けることです。
それにより、いわゆるミューチュアリー・プロテクティド・オクルージョンを獲得することです。
一見、歯並びが良くても、このミューチュアリー・プロテクティド・オクルージョンの概念から離れた咬み合わせをしている方は、歯磨きが完璧でも歯がどんどんなくなります。
※ミューチュアリー・プロテクティド・オクルージョンとは、前歯と臼歯とで、お互いに相手を守りながら存続する咬み合わせを意味し、垂直的な咬合力は可能な限り、臼歯部で受け止め、水平的な咬合力は可能な限り、前歯部で受け止める咬み合わせを指すます。
奥歯をないままにしている、60代の女性の方へ
上下の大臼歯同士で、1本も咬む所がないという方が来院されました。
以前、他の歯科医院で部分入れ歯は作っていただいたとのことでしたが、入れ歯が動き、痛みもあるということで、使用せずそのままになっていたそうです。
この方は元々の咬合力も強く、残存している歯牙がすべて外側に傾いて、いわゆる出っ歯の状態となっていました。
そして咬合力の大部分がかかる小臼歯部に痛みを感じてのご来院でした。
この痛みのある小臼歯部に症状を取る処置を行いましたが、その処置を行うと、低下している咬み合わせの高さが一層低下します。
(この処置は、咬合力が治療している歯に伝わると、痛みが出るので、治療中は反対側の歯と接触しないようにするのです。)
そうなると前方に傾いている前歯が今以上に傾きます。
また仮に心機一転、入れ歯を使用することにしたとしても、咬み合わせの高さが低下しているために、入れ歯の厚みが薄く割れてくることでしょう。
やはり、この方の咬み合わせの崩壊をまた一歩進めないようにするには、インプラントしかありません。
インプラントで、垂直的な高さが維持できれば、前方歯の負担が軽減されますから、前方への傾斜の程度も抑えられ、小臼歯に痛みが出ることもなくなることでしょう。
成人になり、口元が突出感を感じている方のほとんどは、臼歯の数が減少しています。
前歯をきちんとした状態にしたいという希望の方は少なくないですが、前歯の状態を維持するためにも、大臼歯の治療をおろそかにするべきではありません。
前歯と臼歯ではそれぞれが異なる役割を担っており、片方だけが存在して、良い状態が続くことはありえないからです。
「上顎だけ全く歯がない」という方がなぜいるのか。
上顎の歯は全部というくらいたくさんあるのに、下顎には全く歯がない方がいます。
歯磨きの上手下手だけで、歯の残る・残らないが決定されているのであれば、下顎は歯磨きが上手で、上顎は歯磨きが苦手ということが実際にありえるのでしょうか?
少なくとも、私はそのようには考えていません。
歯の残る・残らないという結果に対して、歯磨きという因子のほかに、咬合力や歯槽骨における歯の位置、歯槽骨の骨密度、歯の硬さなどが関係していると考えています。
通常、上顎は下顎に覆い被さるような位置に存在していますから、歯軋り癖のある方であれば、咬みしめた状態で、上顎の歯は左右に揺さぶられる力がかかると考えられます。
上顎と下顎では、歯槽骨の硬さが上の方が柔らかいので、過剰な咬合力がかかった場合、上顎には歯の周りの歯槽骨が破壊されるような力がかかると考えられます。
一方、下顎は歯槽骨の硬さが硬いので、歯が欠けるような力がかかると考えられます。
面白いもので、それとは反対の上顎の歯は1本もないのに、下顎には全部の歯があるという方がいても良さそうなのですが、私の臨床経験の範囲では、ほとんど目にしたことがありません。
その歯がなぜなくなったのか、なぜなくならなければならなかったのか、仮にそこに歯を用意した際に何が具備すべき条件なのかなどについて考えてみると、そこにインプラント治療をした際に、長期の予後を見込めると考えています。
大きなのう胞にもインプラント!
上顎左側大臼歯部にインプラント治療を受けたいという方が来院されました。
この方は数年前に他の部位にインプラント治療を受けた方でした。
この方の上顎左側大臼歯部には、大きなのう胞があり、それを取り除きつつ、インプラント治療を行う予定となっています。
(のう胞とは、何らかの原因で発生した骨欠損です。)
一つはのう胞の前後にインプラントを埋入し、ブリッジタイプにするプラン。







