抜歯で、注意が必要なケースとは?

智歯の歯根が下顎管に近づくと、下顎管の骨皮質によって発育中の智歯の歯根は偏り、歯根の湾曲を起こす。
このため、下顎埋伏智歯で遠心に湾曲した長い歯根を認める場合、その歯根は下顎管に近接している証拠と考え、抜歯に注意が必要である。
(参考文献)
Pederson GW. Oral surgery. 1st ed. Philadelphia : WB Saunders, 1988.
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インプラント治療の偶発症に、下歯槽神経損傷があります。
しかしその頻度は、インプラントよりも抜歯の方がはるかに多いという報告を以前聞きました。
また下顎の親知らず、特に智歯の歯根が遠心に湾曲した長い歯根の抜歯は、下顎管に歯根が近接しているので注意が必要とのことです。
当院では、抜歯とインプラント埋入を同時に行う抜歯即時インプラントを行っていますが、インプラント埋入よりも抜歯の方が時間がかかるというケースも少なくありません。
インプラント周囲の骨の条件を悪くしないように、より丁寧な抜歯操作が必要となるからです。
インプラントはもちろんですが、今一度抜歯の技術レベルの向上を考えていきたいものです。

2015年5月25日

hori (10:35)

カテゴリ:インプラントについて

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