虫歯と毛髪の関連性

薄毛やくせ毛など髪の毛の先天的特徴をかかえた人は齲蝕になりやすい。
米国・国立保健研究機構(NIH)の国立関節・筋骨・皮膚疾患研究所(NIAMS)皮膚科学研究室のOlivier Duvergeri氏らの研究グループが明らかにした。
研究結果は、10月27日発行の『J Clin Invest』誌電子版に掲載された。
386人の子供と706人の成人を対象に、口腔診査と遺伝子検査を実施して分かったもの。
毛髪のケラチンの変性を来す先天異常に関与するとされるケラチン75(KRT75 : A161T、E337K)の遺伝子多型が齲蝕多発傾向に関係し、エナメル質の硬さや構造にも先天的な影響を与えているという。
(アポロニア21 2015年1月号)
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歯科治療で歯を削る際、他の人よりも歯が硬いなと感じる患者さんがいます。
そのような方の場合、食事やブラキシズム(歯ぎしり・食いしばり)のたびに上下で接触するのなら、どこかの時点がクラックが入り、そこから虫歯が発生する場合もあります。
一方、相対的に歯の硬さがさほど硬くないのならば、クラックが入るよりも咬耗が進行しやすいかもしれません。
咬耗が重度に進行すると、咬み合わせの接触面積は増大しますから、歯には側方圧が増大します。
特に大臼歯部の側方圧が増大すれば、その部位の歯周病が重症化する場合もあります。
そして、今回の論文でエナメル質の硬さと毛髪が関係がある可能性があることが示されました。
初診でその方の毛髪を観察することで歯科的な情報が得られるのなら、私たちが患者さんの治療計画を立案する際にも、何かしら役立つ可能性がありそうですね。
同じようにインプラント治療をする場合にも、どのような経過で歯を失うことになったのかを推測できるわけですから。

2015年3月 5日

hori (16:56)

カテゴリ:インプラントについて

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