抗血栓薬服用患者におけるインプラント治療では、伝達麻酔はするべきではない。

・出血のコントロールが困難と予測されるが血栓症リスクが高く、抗凝固薬を中断できない場合は、ワルファリンより半減期の短いヘパリンに切り替えて手術を行う。
 
・現時点では抗血小板薬服用患者においては、ワルファリン療法時のPT-INRのような、モリタリングとして適切な検査がない。

抗血小板薬は抗凝固薬に比べて出血のリスクが少なく、薬効モリタリングの必要性が重要視されていない。
 
・抗血栓薬服用患者での伝達麻酔は、出血や血腫を形成する可能性が否定できない。

特に下顎孔伝達麻酔により血腫を形成し気道閉塞をきたす危険性があるので、原則的に伝達麻酔を施行するべきではない。
 
・ワルファリンは多くの薬剤と相互作用を有するので注意が必要である。

セフェム系やペニシリン系をはじめとして、多くの抗菌薬はPT-INR値を上昇させるとの報告がある。

抗菌薬の長期間の投与は腸内細菌叢の変化によりビタミンK産生不足をきたし、出血傾向が生じる可能性がある。

(日本歯科評論 2013年12月号)

2014年2月27日

hori (16:39)

カテゴリ:インプラントについて

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