下顎の部分入れ歯は、総咬合力が10%しか回復しない。

第一・第二大臼歯欠損の遊離端症例の短縮歯列では、単純に正常歯列の咬合力を100とした場合、歯牙-粘膜負担義歯で約50%、粘膜負担義歯で約33%に減衰するといわれ、部分入れ歯装着後の総咬合力の回復度については、症例間で有意差が認められるものの、上顎で約45%、下顎で約10%の増加を示した。

(参考文献)
松本誠 : 咬合の再構成と咬合治療. 口病誌. 60 : 429-439,1993.

袖山亜紀 : 短縮歯列の補綴処置効果における咬合力の重心移動. 口病誌, 63 : 599-619,1996.


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大臼歯を2本失い、部分入れ歯を装着するような状態になると、咬合力が70%低下するそうです。

また、義歯を入れても、総咬合力の回復度合いは、下顎でたったの10%程度と報告されています。

上顎よりも下顎の入れ歯で苦労されている方が多いのも、このデータを元に考えると納得できますね。

そのような意味でも、やはり奥歯には義歯よりもインプラントが適当といえるでしょう。

2014年3月 6日

hori (17:42)

カテゴリ:インプラントについて

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