歯根破折の頻度が多い部位は、支台築造にこだわるべきである。

歯根破折が多い部位は、上顎小臼歯であり、次いで下顎大臼歯と報告されている。
咬合との関連が深いといわれているアブフラクションは、歯根破折と同様、上顎小臼歯が好発部位といわれている。
(参考文献)
Cohen S, Berman LH, Blanco L, Bakland L, Kin JS. A demographic analysis of vertical root fractures. J Endod. 2006; 1160-1163.
Mayhew RB, Jessee SA, Martin RE. Association of occlusion, periodontal, and dietary factors with the presence of non-carious cervical dental lesions. Am J Dent. 1998; 11(1): 29-32.
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歯根破折が多い部位は、上顎小臼歯と下顎大臼歯という研究報告です。
ということは、抜歯になり、インプラント治療が必要となるケースも同部位では少なくないということになります。
そのため、その部位には特に支台築造にはこだわる必要性があると考えています。
他の研究報告で、ファイバーポストの予後不良は、1.5-11.4%、金属ポストで7.6-20%というデータがあります。
このデータを基にし、いずれかを選択するならば、ファイバーポストの方が良いということになります。
ただ、残存歯質が特に少ないケースでは、必ずしもファイバーポストの有意性は乏しい場合もあるようです。
それを考えると、『材料の進化とともに、歯科学は存在しているんだ!』ということを今更ながらに思い知らされます。
すぐに新しい材料に飛びつくのも、リスクがありますが、常に新しい材料や機器に目を向ける必要はあるのだろうと考えています。

2014年9月25日

hori (16:25)

カテゴリ:インプラントについて

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