アクセスホールをセラミックインレーで封鎖。

・スクリュー固定式インプラント上部構造アクセスホール封鎖に対するセラミックインレーの利用
診断用ワックスアップを行い、サージカルガイドを用いてインプラント埋入を行い、3か月の治癒期間を置き、オッセオインテグレーション獲得後、すべての患者にCAD/CAMチタンアバットメントに2ケイ酸リチウムガラスセラミッククラウンを接着性セメントを用いて合着したスクリュー固定式上部構造を装着した。
すべての上部構造を2つの群に振り分けた。
対照群ではコンポジットレジンを、実験群ではセラミックインレーを用いてアクセスホールを封鎖した。
装着された29個のセラミックインレーと29個のコンポジットレジン充填が解析に用いられた。
2年後のフォローアップ時の摩耗量はコンポジット充填では平均228.20±54.68μmであったのに対して、セラミックインレーグループでは65.20±7.24μmであった。
一元配置分散分析において垂直的な摩耗量には有意差があった。
(参考文献)
Urilization of Ceramic Inlays for Sealing Implant Prosthese Screw Access Holes : A CasControl Study. Int J Oral Maxillofac Implants 2016 ; 31(5) : 1142-1149.
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スクリューリテインの欠点には、アクセスホールをCRで封鎖するために、色調がマッチさせにくいことと、しっかりと咬ませたい部位が継時的に咬耗で咬まなくなってしまうことなどの問題点がありました。
今回の報告で、そのアクセスホールをセラミックインレーで封鎖するというアイデアを知ることができました。
また当然かもしれませんが、有意差をもってコンポジット充填よりもセラミックインレーの方が垂直的な摩耗量は少なかったようです。
全てのケースで対応できるわけではありませんが、ケースを選べば、これまでのスクリューリテインの欠点を補うことができる可能性が示唆されました。

2017年3月 5日

hori (15:11)

カテゴリ:スクリューリテインとセメントリテイン

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